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2009アイアンマンジャパントライアスロン五島長崎参戦誌
2009/6/21
Swim 3800m Bike 180.2km Run 42.2km

Contents
スタート直前まで(このページ)
スタートからフィニッシュまで
フィニッシュ後〜


6月18日(木)くもり レース三日前
会社を定時で上がり、輪行袋を担いでリムジンバスで羽田へ直行、今回同行するJYUさん、Tさん、マキさんと合流し、夜7時のJALで長崎へ飛ぶ。
長崎の宿は去年できたばかりのチサングランド長崎。最安値の部類に入るホテルにも関わらず、ちょっとしたところに粋な気くばりを感じる。部屋に洗面台があるなど、女性の視点でデザインされたようなインテリアが新鮮。港にも近いし、次回もここで決まりでしょう。

6月19日(金)晴れ レース二日前
新型インフルの影響で、一時は開催をも危ぶまれた今大会。フェリーで五島福江港へと降り立つと、水際対策ということでオデコを検温された。島中が物々しい雰囲気かと思いきや、それ以降豚インフルの影響を実感することは結局ほとんど無かった。
選手説明会も中止。常連にはむしろ煩わしくなくていいんだけど、初参加の人は不安にならないかな。そんなわけであまりすることはない。快晴の中、自転車を組み立てて調整したり、ほかの選手や馴染みの店の店主と一年ぶりの再会を喜び合う。
夕方には、カーボパーティ中止に代わって港公園で有志による交流会が開かれた。雨対策の課題は残るものの、殺風景な体育館で行うよりも、開放的で、さくっとシンプルな今回のほうがずっと良かったと思う。

6月20日(土)レース前日
IM初参加のマキさんは、早朝の試泳スケジュールに参加したがっていたようだが、前日に激しく泳いだってしょうがないじゃーん、と男たち3名はノリ悪し。午前中は第二トランジットの中央公園を下見がてら軽く自転車に乗る。今日もよく晴れて、汗がじっとり出てくる。レース日が今日だったら大変だった。
毎年多大な役割を果たしてくれる高校生ボランティアの参加が今回すべて取りやめとなったので、バイクパート終了時に自転車を自らラックにかける必要がでてきた(普段もそのルールでいいと思うんだけどね)。そのラック位置と動線を確認する。

続いて、野郎ども3名はコースのラスト3km部分をジョギングして最終調整。最懸案事項のアキレス腱の調子をみるため、シューズを二つ用意し、持って走る。一つはサブスリー実績のある初代adizeroLT、もう一つは安定性重視のadizeroBOSTON。昨日あたりからBOSTONの重量が急に気になりだしてきて、LTに戻すべきかで悩み始めたのだが、実際に履き比べてみたらBOSTONの方がアキレス腱には優しいのを実感でき、心おきなくBOSTONをランギアバッグに入れることができた。
そのバッグと自転車を持って午後に預託。会場で遭遇したチームMIGHTYの愉快な仲間たちと賑やかに寿司を食べて、夕方はゼッケンの縫いつけ作業を行う。

今年のレース目標は、長年の夢であるハワイの権利獲得に加え、「サブ10」という桁の異なる総合タイムを設定した。しかしながら、4月から6月までの大事な時期に、二度の風邪とアキレス腱炎で計画が大きく狂ってしまった。目標達成はかなり厳しいことが予想できた。

それとは別に、今回は多大な心の支えになってくれる人物が現れた。仮にZさんとしておこう。Zさんとメールでやりとりしているうちに、僕の今回の目標がだんだん定まってきた。いままでのレースでは、現在のポテンシャルを冷静に分析し到達可能なベストポジションを見極めることを重視してきたが、今回はとにかく何であろうとサブ10を目指そう、ということ。分不相応な目標が故にたとえつぶれるようなことがあったとしても、
「持てる力をすべて出し切れること、辛くなっても気持ちを切らしたり諦めたりしないこと。」
最終的に大切なことはサブ10かどうかという結果ではなく、ゴールまでの過程を悔いのないレースにする、ということだ。

そうと決めたら、練習不足がどの程度響くかを案ずる悩みが消えてすっきりした。とにかく目標につきすすむだけだ。こういうパターンは、過去にほとんど無かった気がする。
9時半、就寝。

6月22日(日)レース日
朝3時15分起床。毎回、こんな早くに起きなくたっていいじゃないかと思うのだが、宿には必ず気の早い人種がいて起こされてしまうのと、スイム会場へのバス時刻が決まっているので仕方がない。五島在住のHさんは後日「僕は4時半に起きましたよ」って言ってた。うらやまし〜。宿のおばちゃんが用意してくれたおにぎりをスイム会場で食べればいい、と決めたら朝飯が喉を通らなくとも気にならなくなった。

富江のスイム会場は明らかに去年より風が強いものの、もっと強かった日も過去にあるのでさほどではない。海はベタ凪に近い。今日の天気予報は曇り時々雨のようなことを聞いたが、意外にも晴れ間が出るかもしれない、ということで急遽買ってあった日焼け止めを塗る。自分たちで書いたボディナンバーは早くも消えかけてしまった。選手にとって重要なのはふくらはぎに書かれたエイジ区分記号。今年は従来通りABCのアルファベットで書くのか、M40などと年齢を書くのか、あやふやだ(どっかに説明書きがあったかな?)。
4年ぶりにリサ・ステッグマイヤー嬢が来ていたが、以前とは違ってぜんぜん関心無いので見ていない。
スイムチェックを通過して珍しくアップを行う。調子いいのか悪いのか判らないけど、アップの意義は大きいはず。水温は約23度とやや高めで、寒がりな僕としてはありがたい。スイム終盤のコースが分岐するあたりをよく予習しておく。
フローティング状態のスイムスタートはやや左外側、前から3列目あたりで待機した。最前列に顎髭の篠崎君を確認、この位置は悪くないってことだろう。午前7時、スタートのホーンがなった。