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7:00 a.m.エイジスタート 100m程はサケの遡上さながらのゴチャゴチャ具合だったが、慌てて力み過ぎないように気をつけて泳いだ。4回か6回に一度のブレスで、腕力の温存を心がける。今日の海水の透明度は高く、意外と海底はすぐ深くなることを知った。波も気にならず、下半身はBalmのお陰でじんわり暖かい。最初のコーナーブイを12分ちょうどで曲がった(時計は見ていない)。距離表示が正確ならば100mを1分31秒のペースとなり、今までになく速い計算になる。 ブイを過ぎてからは急に波が目立ってきた。まるで雨が降っているようなしぶきを感じるが、実際に通り雨が降っていたのかもしれない。 二つ目のコーナーブイを過ぎてからはアゲインストの波となったためか、泳ぎづらくなった。まあ、このくらいじゃないと海って感じがしないよね、とむしろ歓迎気分だ。早くもトイレに行きたくなってきたが、去年無理して力んだら疲れたので某丸秘作戦は諦める。選手がまばらになってきて、所々黄色のキャップ(エリート女子か?)も混じり始めた。明らかに去年よりポジションを上げている感じがする。長い復路を終えて砂浜に上がり、1周目が終了、いい感じだ。これは行けるかもしれない。袖に隠してあるPolarのタイムを見たい衝動に駆られる。折り返しタイムは31分22秒で、去年より2分19秒速かった。再び塩辛い海へダイブする。 2周目は人が少なく、しばらく平和にコースロープ脇2mをキープして泳ぐことができた。前方確認の必要がまったく無いのは助かる。だが途中で左向きブレスの人が右側に食い込んできて邪魔になってきた。コースロープが見えないじゃないか。どうやら僕を目印に泳いでいるらしく、徐々にすり寄ってくるのである。寄るな! 邪魔だあ! 逃げるように泳いでいたためずいぶんと左に反れてしまった。これでは共倒れだ。先に行かせて、再びコースロープを目印にする。 今日こそは寒くないと思っていたが、上半身はかなり寒さを覚えてきた。Balmをたんまり塗っておいて正解だった。何も塗らず、ロングジョンで出た一昨年はよく死なずにすんだと思う。復路も問題なく終えた。 スイムタイム 1:07:14 前半31:22 (115bpm) 後半35:52 (105bpm) 平均/最大心拍数 110/125bpm (去年とほとんど変わらない。スタート後8分をピークに、徐々に心拍が下がる) 感触どおりの良いタイムに気をよくし、上陸後は寒さも解消されたので、トランジットはテキパキ行こうと考える。左右非対称の靴下をあえて用意していたが、見事に履き間違えるミスを犯した!寒い場合にそなえてポンズジャージを用意していたが、ランでは気温も上がりそうなのでゴールまでサカニイウェアで通すことをここで決意。更衣テントを出てからトイレに行く。トランジットは5分12秒、なんでそんなにかかるかね? あと2分は短縮したい。 8:12 a.m. バイクスタート サカニイのパンツは申しわけ程度のパッドすら入ってないので、サドルの形がオケツに直に伝わるが、軽快感があってむしろよろしい。バイクの走り出しはとても快調に感じたので、総点検のつもりでベルトにつけた背中のゼッケンを確かめると、なぬー! 早くも取れかかっているではないか! 残り1ヶ所だけでたなびかせながら走るのはあまりにリスキーだ。走りながら留め直そうとするがうまくいかず、諦めて完全停止する。ベルトにはゼッケンをボタンで挟みこんで留めているのだが、ゼッケンに開けた穴がボタンより大きく、よっていとも簡単に外れてしまったのである。そりゃそうだよ当り前だろー! アホすぎる。 腰が痛くなってきた。まだ15キロ過ぎとは早すぎる。ウンドー不足な奴みたいだ。中央公園を折り返し、ここからはランコースと重なる。レース3度目にして初めて、ランの下見を意識して走った。当然ながら1キロの標識がすぐ通り過ぎる。夕方、再びここを訪れるころはどんな気分でいるのだろう。 所持品はボトル1本、BentoBoxも持たなかった。そのボトルには、ウィダーinゼリー3.5本分が満たされていた。同じ宿のH山さん(女性)に西内選手の補給法を聞いて急遽真似してみたのだ。西内選手の指導の下で練習をしているという羨ましい環境にいるH山さんの話によれば、彼はロングでは心拍数170bpm以上をキープし、固形物を食べられる状況にないため、この方法でロングボトル2本分を消費するという。 170bpmなんてただの一度も行くはずがない僕には固形物を摂るのも容易いが、ボトルを取ればそれが補給食になる、この手軽さは予想以上にありがたかった。ゼリーの選択にはもう少し吟味する余地があるかもしれないが、まあ僕には大差ないだろう。 ![]() 今回からドラフティングに関するルールが変わり、ドラフティングゾーンが従来の7mから10mまで伸ばされた。また、追い越しの際は10m先行するまで速度を緩めてはならないとされた。従来は適切な距離を保つ責任は追い越された側にもあったので、前に着かれるとスピードを緩めなければならなかった。今後は追い越してすぐ前に入ると、走行妨害(ブロッキング)と見なされる。 それら一連の追い越し行為は15秒(だったかな)以内で完了しなければならない。つまり理屈ではおよそ5km/hの速度差をもって追い抜かなければならない。結構大変である。 意外とこのルール改正を意識した選手が多かったように思う。結構な速度差をもって追い越され、最初は並外れてバイクの強い選手が来たのかと思った。かなり差が開いたところでレーンチェンジする。そんなわけで追い越す時は少し溜めないと、一気に追い越せない。実力が拮抗した者同士での追い越し行為が繰り返されると、それだけで疲労してくる。不思議なもので、一度は全く姿が見えなくなるほど離されても、いつしか追いつく選手は「またコイツか」ってことがかなり多い。その逆も然りだ。走りには思った以上に波があるということなんだろう。 今日は一日曇りの予報だったはずだが、時々ざざっと降ってくる。ちょうど下り坂で降られた時は、これ幸いと某秘密作戦を遂行する。 80km過ぎ[C]でスペシャルニーズバッグを受け取る。いつもは完全停止して受け取っていたが、今回はそのまま走り出す。袋から出してポケットに詰め替えることなどわけはないだろうと思っていたが、結構な強風に煽られて手離しが難しい。止まった方が良かったかも。 今回は、豆乳、おにぎり、梅チューブ等を入れていた。荒川から周回路に入り、例の3kmののぼり[D]で豆乳を飲む。これはもう、僕にとっての儀式だ。今年はこの難所が追い風区間となり、気分的にも随分楽になった。横を走るギャー人に不思議そうに見つめられる。豆乳がそんなに珍しいですかい? ![]() 向かい風は殊のほかDHポジションが重要だと思うが、腰が痛くなって続かない。ほぐしのためにダンシングをすることが多くなってきた。だが向かい風には不利で、ぐっとスピードが落ちる。客観的に見て相当プッツン来た走りである。まだ110km程度なのにこの腑抜け度は何たるザマだ! 3つのうちのダントツで練習している種目とは到底思えない。DHポジションでの練習を怠ったことも大きく響いていると見て間違いない。心拍数は130以下で気合が入ってない領域。 ここで意外な人物に出会う。去年の佐渡Bで勝手にライバル視させてもらったマサト氏(仮名)がユルユルと走っていたのだ。佐渡でもバイクでは先行され、ロングでは尚更歯が立たない彼に、まさかここで追いつくとは! 向かい風に参っているのは自分だけじゃなさそうだ、と前向きに考え直すきっかけを与えてくれた。この分ならランに先に入れるだろうと確信するほど弱って見えた。 ところが、10kmほど進んだあたりで、どばびゅーんと追い越された。なぬー! 復活したのか? 僕と知ってて意地を見せたのか?(としたら面白いけど) とは言えあのペースでは長くは持つまい。 しかし、その後二度と彼の後姿を拝むことはなかった。 二度目の荒川上り途中[D]で、Time乗りにパスされた。スペシャルプロだろうか、この機種を見るとなぜか自分(VXRS)のミーハーぶりを指摘された気になる。追い越されたとあれば尚更だ。無意識に後を追い始める。 さほど速度差はなく、なんとかついていくことができた。もちろん30mは離れている。実はこの人、後で調べたら関東では名の知れたYさんだったのだが、それを知っていたら逆に追走を諦めていたかもしれない。彼のペースは今まで出会ったどの選手より際立って安定していた。なので追い越したくなる場面がほとんどない。彼をできるだけマークしよう、と思った。 三度目の荒川のぼりで、追い風を受けながらおにぎりを食べる。ご飯類はかねてから補給食として望んでいたものだったが、今日はあまり身体が受け付けない。辛抱して食べているうちに、Time乗りを見失ってしまった。正直なところかなりヘバっていて、フライトデッキ君も途中で止まっているしで、どうでもよくなっていたかもしれない。そこからの長い下りで、やはり雨を利用して丸秘作戦遂行。あー気持ちよかった。くせになりそう(ウソです)。 終盤40kmほどは、きつい物見山練でも経験のない、膝に射すような痛みが付きまとい、上りに支障を来たした。幾分集中力も失いかけてバイクゴール。総合タイムは7時間を切っており、去年のタイムよりはかろうじて速いが目論見からは大きく遅れた。 トランジットを除くバイク実質タイム 5:43:48 平均速度30.8km/h(バイク距離176.4kmで計算) 平均/最大心拍数 130/151bpm 獲得高度 2115m ※獲得高度が昨年より増えているのは、天候不順で気圧変動が激しかったたためと思われる 1:57 p.m. ランスタート トランジットを50秒程で終え、BCAA粉末を水で流し込み、MCの紹介をうけて上々気分でランに移る。ま、ここからは周囲と自分との実力差に大きな開きがあることは経験済みで、臆することなく慌てずに行こう、と言い聞かせた。それでも最初の1kmは4:42と予定の5:20から大きく上回る(ただ最初の1kmはちょっと短いような気もする)。 ![]() 6km過ぎ、Lapを見ると5分20秒、あれ?ペースダウンしたつもりはないが。きっとなにかの間違いだろう。 だが8kmも5分19秒と、いつの間にか目標ペースが限界ペースであることを示していた。まだ10kmにも満たないのに余裕がないのはこの先かなり絶望的だ。案の定ズルズルと遅れだした。16km地点(だったかな)、サカニイのオヤジさんが写真を撮ってくれる。メールで送ってくれるらしい。期待しちょりますよ! そのあたりから急に具合が悪くなってきた。めまいが激しくなり、気分が悪い。食欲はなく、なによりやる気が出ない。去年も同じ状況になったが、高血糖食を摂ったら復活した。今回もSoyJoy、PowerJel、黒砂糖などを食べるが効果が見られない。17km過ぎの長いのぼりでキロ6分を超えてしまう。完全に失速した。今年のレースはもはやこれまでか、と弱気になる。 武家屋敷通りでは女子エリートの堀選手が引っくり返っていた。相当苦しそうだ。彼女に比べると自分はまだ全然問題ないレベルだ。体調不良なんて、単なる言い訳ではないか? ペースは5分45秒前後まで落ちたが、遅かろうと前進あるのみ、という現実を受け入れるようになると、徐々に走れるようになってきた。24kmでスペシャルニーズを受け取り、グリコのパワープロダクションを飲んだら気分がすっきりした。BCAAが5000mgのこれは、今回最も効いた気がする補給食だ。 エイドの甘いものにすっかり飽きた去年の教訓を受けて、スペシャルにはお口直しのつもりでチーカマを用意していた。果たして、3cmほど食ってみたが気持ち悪くて全然ありがたくない。もったいないけどゴミ箱に捨ててしまった。その他に、剥いた甘栗を一個だけ食べる。 24km、追い越された人のペースがさほど速くないので目標として着いていく。2kmほどついたかな、エイドで千切れた。脚が持たないというより、集中力の問題のようだ。30kmの看板も意外とあっさり迎え、32km通過は9時間53分。残り10kmをキロ6分で走ればかろうじて去年のタイムを更新できる。だがそのスピードで走れる自信が無かった。 淡々と歩を進めている。このままいずれ問題なくゴールにたどり着くだろう。その点では驚くほど余裕があった。だがスピードはMAXだ。脚が限界に来ているわけでもなく、ましてや130bpm以下の心肺に余裕がないはずもなかった。スピードを鈍らせているものはなんだろう? 気力だろうか。 ラスト5kmあたりではさすがに脚も辛くなってきた。エイドで水を二杯貰い、紙コップを棒状に潰して握り締めながら走る。腕振りを意識しやすくなるためだ。後半20kmはずっとそのスタイルだった。 縁起を担ぐように紙コップを持ち続け、ラスト1kmは多少余裕のある脚を動かしてスパート、五島高校の正門をくぐる瞬間はうれしさがこみあげる。 去年、一昨年と応援してくれた地元のオヤジさんが今年も花道で待ってくれていた。慌ててハイタッチをして、最後の20mを充実した気分で駆け抜けた。この一瞬のために走ってきたのだ。10時間50分34秒 (総合84位)。 ![]() ![]() ランのタイム 3:53:30 (キロペース5分32秒) 10.84km/h 平均/最大心拍数 131/147bpm 獲得高度 290m 去年と比べ、24秒遅い。やはりラストの1.2kmは若干短いようだ。 総合タイム 10:50:34 (順位 84/709 完走595 完走率84%) 年代別18位 平均/最大心拍数 128/151bpm 全獲得高度 2405m 消費カロリー6297kcal 平均気温21℃ |
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