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2006アイアンマンジャパントライアスロン五島長崎参戦誌
2006/5/28
Swim 3800m Bike 180.2km Run 42.2km

Contents
スタート直前まで(このページ)
スタートからフィニッシュまで
フィニッシュ後〜



5月25日(木) レース二日前
五島も3度目となると要領を得てくる。安いスカイネットアジア航空で長崎まで飛ぶ。スカイネットは宿付き航空券として選択できるホテルの数が格段に多いというメリットもあるのだ。安いだけあって機内のサービスは一切なしだがシンプルでむしろありがたい。てなわけで長崎港に最も近いサンルートを宿に選んだ。今回は同じ千葉のNさんと一緒なので楽しさも倍増。毎年気になっていた、こじゃれた「出島ワーフ」で夜の長崎港を肴に缶ビールを開ける。なかなかどうして、最高じゃないですか。

5月26日(金)
朝。傘を必要とするくらいの結構な雨に少し滅入る。ホテルのフロントで上品なジャンプ傘を買った。とても105円とは思えない。でも長崎港まで歩く間に簡単に壊れたけど。
フェリーで3時間半かけて福江港に着くと、幸い雨は止んでいた。自転車を組み立てていると、問題発覚。Polarのスピードメータのセンサーがフロントフォークからポロリと外れたのは道中気づいていたが、今見るといつのまにか無くなっている。ガーン! まさかフェリーで盗まれた? 途中で落としたか? でもどこで?
ま、フライトデッキ君もあるからそんなに痛手ではないが、コイツはアテにならない。
去年も泊まったにしき荘に行くと、驚いたことに部屋まで去年と同じだ。これは縁起が良いかも、と思う。
お目当てのCrampStopとSportsBalmを出店で買う。薬局で買った塗り薬はBalmほどの効き目がなさそうなのだ。
企業秘密部分はカット m(_ _)m
選手受付会場では生シロモト氏がローラーマシンのプロトタイプを披露していた。傾斜を変えられ、登坂のシミュレーションが出来る。フライホイールに二つの方法で負荷をかけるシステムは特許をとったらしい(ホント?)。薦められて乗ってみる。確かに踏み込みのトルク感はちょっと変わっているが、うーん、言うほどリアルな感じはしないなー。まだまだ改良の余地アリですね。でも、ここまで徹底してローラー台に情熱を傾けたメーカーは他にない。個人で買うのは高すぎなので、ぜひスポーツクラブに売り込んで欲しい。

夕方、選手説明の後カーボパーティ会場へ赴く。天気が悪いので体育館内で行うことになった。例によって、テンコ盛りの食事に半ば唖然とする。だが肝心のカーボ類は少なく、こってりした肉ばかりで、魚類はゼロ。南国の人は、肉好きだねえ。ファットパーティだぞ、とか思う。この食事で少なくとも1kgはデブったはず。実はこの上さらに五島うどんが配られていたらしいがうっかり見過ごしていた。パーティ最後に去年の大会ビデオが上映され、ちょっとやる気が出てきた。ホント寒いレースだったよなあ。でも今年は結構暖かそうだ。

5月27日(土)
やはり朝からシトシトと雨が降っているので、スイム会場視察バスツアーには乗らずにノンビリと準備をする。Nさんの旬なサーベロの新型バイクについている浅曲がりDHバーが少し気になっていた。最近、ツールなどで見るのもこの浅曲がりDHバーだ。品薄でなかなか手に入りにくいらしいが、昨日立ち寄った出店にはこの浅曲がりのカーボン版、T2+Cobraが売っていた。この機会を逃すと後がないような気になってきたので、なんと、購入してしまう。従来のカーボンストライクとの比でかなり軽く感じるのも魅力だ(のちの調べでは、わずか116gの差)。
続いてサカニイの店に立ち寄り、まま気にいったウェアがみつかったので試着して慎重にサイズを測り、またしても現地調達する。Zootなどと比べるとオドロキの安さ、ほぼ半値である。手持ちのORCAはポケットが一つもなく、バイクやランで補給食をどこに仕舞おうか困っていたのだ。ポケットが豊富なポンズジャージは、ランでは使えないので効率が悪い。このサカニイウェアで全部通すことになりそうだ。寄せ書きボードに痕跡を残しておいた。
雨もやんだ午後。T2+Cobraを取り付け、バイクを預託するためにスイム会場の富江まで試走することにした。だが走り始めて間もなく、このDHバーは全く合わないことを悟る。道の途中で、早々とカーボンストライクに戻した。とんだ散財となったが、買ってみないことにはいつまでも納得しなかっただろう。
スイム会場は、テントが吹き飛ばされそうなくらい風が吹いていた。陽が射して暖かく、泳いでいる人が気持ちよさそうなのは嬉しい。バイクを預け、新調したLAZERヘルメットを差し出してチェックを受ける。バイク審判長の女性はどこか不満顔。 「キレイねえ・・・」 「そりゃもう、買ったばかりですから!」 「なんでみんな今年は新品なの! 『不合格よ!買ってきなさい』って言えないじゃないの!」 
うーん、マジ顔でそう言われても関東人は返答に窮する。お顔に似合わず、なかなか口の悪いお方である。
バイクを預けた後で、Polarのセンサーが緩衝材の脇から出てきた。もう遅い!

5月28日(日)レース日
起床予定の3時半の少し前に、部屋の電話が鳴った。食事に来てないのはあなた方だけよ、ってことらしい。7時スタートなんだから早く食べ過ぎないほうが良いんじゃないの? とも思うのだが、ご年配陣営は特に行動が早い。
時間をかけてご飯を二杯食べ、用意してくれたおにぎりを食べやすいサイズにしてラップで巻いた。バイクのスペシャルニーズバッグに入れることにする。
バスでスイム会場へと向かう。草木のしなり具合が、風の強さを物語る。
ボディマーキングとバイクセッティングを滞りなく済ませ、更衣テントで暖を取った。そんなに寒くはないが、あまり風にあたりたくない。Balm(#2)を丹念に体中に塗りこんだ。つま先から耳たぶにまで塗った。トイレには占めて3回行き、軽量化を十分果たす。エイドにスープがあるというので、コンソメスープみたいなものを想像して飲んだらアゴダシ汁だった。しょっぱいものを嫌でも飲むハメになる前にわざわざ飲むべきものではなかった。6時45分、入水チェックゲートを通過。逃げ出したくなる瞬間だ。もう後戻りはできない。
Polarのメモリ設定は5秒間隔の精度優先にした。最大記録時間は11時間10分。即ちこのタイムを越えることは許されない。
フローティングスタート位置まで、出走者709名がぞろぞろと泳ぎだす。海水の温度にはすぐ慣れて、寒さに苦しめられることは無さそうだと安心する。かなり前のほうに進んだ。エリートとエイジでスタートに2分の差が設けられることになり、スタート位置に差がある従来よりも公平性が保たれた。
6時58分、エリートがスタート。次は我々だ。