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PM7:02 フィニッシュ
驚いたことに、フィニッシュ会場には先ほどのオヤジさんが出迎えてくれた。オヤジさんホントに真剣に応援してくれるね。感激して何しゃべったか覚えてないけど、僕のゴールを見届けたらあっさりと帰っちまったところを見ると、ホントに僕のことだけ応援しに来たようだ。後で考えてみたらつくづくびっくりだ。
ゴール後に選手がホッとくつろぐところが無いのが、このレースの問題点だね。やはり、余韻を楽しみたいじゃないか。それが、ゴールしたらハイおしまい、とりあえずどっこいしょと座る場所も無く、他人のゴールなんてどうだっていいから隣の体育館でマッサージ受けてバス乗ってさっさと宿へ直行、ではつまらなすぎるしイヤだな。フィニッシュゲートに続々入ってくる選手達を僕ら自身でも自然に迎えられるような配慮がほしい。それと、いろんな食べ物やビールなどがあってもいいじゃないか。佐渡はそのあたりが充実している。会場が高校のグラウンドだから無理なんだろうか。
シャワーを浴びて、同部屋のT木さんの写真を撮ろうと花道のところで待ち構える。バイクで少なくとも38kmの差がついていたから、フィニッシュにあと1時間はかかるだろう。頃合を見計らったつもりだったが、一向にT木さんは現れない。もしかしてランでかっとばし、もうフィニッシュしてしまったんだろうか?
花道では選手それぞれがいろんなスタイルでフィニッシュしている。ふと見ると山本光宏さんがコーナーの隅でずっと選手に声援を送っていた。マメだ。
そうこうしているうちに制限時間の15時間があっという間に近づいてきた。「僕は遅いから先帰っててね」と言っていた50代のKさんが元気にやってきて、笑顔でゴールしていた。みんなホントに笑顔だ。いや笑いたくなっちゃうんだよ実にまったく。
T木さんは「豆乳パワー」の一言で撃沈して、リタイヤしてしまっただろうか。不安に思いながら、夜11時の最終便で宿に戻ると、部屋で休んでいた。ランで膝を痛めてのリタイヤらしい。残念だけど、次に繋ぐには大事な決断だったね。
5月24日(月)レース翌日
朝から片付けに追われる。9時にチェックアウトしてバスで福江に向かい、置きっぱなしのバイクを回収して文化会館で記録速報を貰う。12時間を僅かにオーバーしたけれど、順位も201位とこれまた僅かに200位をオーバーした(別に目標にしていたわけじゃないけど)。アイアンマンハワイのスロットは、あと1時間40分短縮できれば獲得できた(もうちょっとだったなあ)。
バイクをバラして、12時発のフェリーに乗船し、4時間半の退屈な時をすごす。太腿以外は、体中痛いというほどでもなく、疲れもさほどではない。精根尽き果てた宮古の時は若かったな。思い出したようにビールを買って飲む。
長崎港へつくと、長崎駅まで輪行袋をかついでトボトボと1kmほど歩く(やはり結構辛いね)。駅のバスターミナルから空港行きリムジンに乗るためだ。ただこのリムジンバス、途中で大波止という長崎港に近いバス停にも停まることを後で知って、ガックリ来た。
フェリーでもバスでも飽きるほど寝たので、もはや飛行機の中では眠れない。
羽田からは、またまたリムジンバスが都合よく家の近くのホテルまで直行してくれる。もう夜11時を回ったホテル脇でバイクを組み立てていると、タクシーの運ちゃんがやってきていろいろと話をした。
どこも同じだね。
お疲れ様でしたっと。
RESULT
Total 12:01:58 (Place 201/797)
Swim 1:18:19 (246) Bike
6:16:30 (159) Run 4:27:09 (287)
レース内容の考察
スイム
1時間18分というタイムはさすがに遅すぎる。100mを2分以上かかっていることになり、よほどデレデレ泳がないとそのタイムにはならないぞ。
レース後、宿で数人とレース談義をしていた時のこと。
「それにしてもスイムは大変だったね」
「そうそう、波が高かったなあ」
「波もそうだけど、寒かったよねえ?」
そこまで言うと、周りはみんな一斉にきょとんとした顔をして、
「いや。寒くはなかったよ別に」
と言われびっくりした。
「エーどうして? 寒くて死ぬかと思ったよ。腕なんか固まっちゃって上がんないし、全身硬直状態で・・・・」
「そーかあ????」
がーん。寒い寒いと言っていたのは、見事に自分だけなのである。そのあといろんな人に訊いてみたが、誰一人寒いとは言ってくれない。何でだよう。
どうやらウェットが古すぎるらしい。古くなるとゴムの伸びが悪いとか、フィット感がなくなるとか、気にするといえばそのあたりかと思っていたが、保温効果の性能もかなり落ちるらしい。ウェットは破れた時が買い替え時、という意識を改めなければならない。それと、人一倍寒さに弱いくせに防寒対策を怠りすぎた。ホットクリームってなんだ? と当日慌てる始末。サロメチールも結局塗らなかったしな。来年出るなら新調してフルスーツにして、ホットクリームも塗ろう。
バイク
腰痛さえ起きなければ、そもそもスイムで寒くなければ、トイレタイムとトランジットははるかに短縮できたはず、などと後で考えると惜しいことも多い。
一つ気になる点が。POLARの距離計は正式距離の180.2kmに全くとどかない、176.3kmだった。どうも距離表示が合わないということは60kmあたりから気づいていた。このPOLARで修善寺や群馬を走ってもほぼ狂いは無いので、今回のコースが短いとしか説明がつかないのだが。周回部分もパンフには38kmとあるが、POLARは36kmほどで、全体的に比例して短くなっている。折り返しポイントなども設けて正確に距離調整可能だから、アバウトに180kmという感じでもないと思うのだが。
実質の平均速度は、公式距離だと29.66km/h、POLARを信用すると、29.02km/hとなる。
ラン
バイクでもそうだけど、ランにおいてマイナスとなるような暑さ、寒さ、雨風などの条件は一切なかった。というより、これ以上ないというくらいベストなコンディションだったと言える。このことを忘れてはならないだろう。走ることすべてに集中できたのだから。佐渡のほうがコース的には厳しくないかもしれないという意見が聞かれたが、気象条件を考えるとトータルでは佐渡のほうがきついだろうという見解が多いようだ。
ラン21.1km地点のタイムは2:01:47 後半のタイムは2:25:21 中間地点ですでに潰れた割には、ロスを最小限に食い止められたと思っている。
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ツアーについて思うこと。
このレースでのツアープランは、キン釣りの独占営業である。
ツアー代金があまりに高いので、独自に準備しようとしたら、宿は個人で一切取れない。仕方なく宿のみ金ツリに頼むが、それにしてもだ、
一泊の通常価格5100円の民宿に3日泊まって、15300円-α(初日は夕食なし)といいたいところを21500円とは暴利じゃないかね? どこにそんなに手数料を取る必要があるかね??
まあ、現地にお金が落ちるのなら気にしないけど、どうせまたマージンがっぽり取っているんだろう?
飛行機は去年、どこぞの個人会社で格安航空券買ったらひどい目に合ったので、信頼性の高いHISに頼んだ。往復航空券と全日空ホテル一泊、それに空港リムジンバス代とフェリー代は現地で払い、交通費はトータル38000円也。もし筋攣りだったら(ホテル泊なし)、差額は54000円だよ! 旅行代理店の意味無いじゃん。高すぎ。
禁吊りを使わなかった理由があと二つあって、一つは単に旅行スケジュールが好みに合わなかったことと、もう一つは、バイクの事前宅配必須なのである(ジェットフォイルに乗るため)。まあ、ジェットフォイルというアドバンテージはあるけれど、バイク輸送料は安くても往復約8000円もして、バカにならない。持ち運ぶ手間賃と考えられなくもないが、案外手間でもないことが今回判ったし、空箱を用意して事前に荷造りする手間は結構大変だ。とても万人に強要できる条件とは思えず、できない人は諦めれば、といった感じの殿様商売としか思えない。
このレースは赤字だと聞いているけど、選手をもっとたくさん呼んで、気前よく地元にお金を落とす気にさせるためには、経営努力に長けた旅行代理店とタッグを組む必要があるだろうと思った。ツアー期間中も、不行き届きがたくさんあってツアー利用客は怒っていたぞ。
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