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![]() 出張でドイツへやって来た。 ドイツに来て3日目。週末に仕事はない。レース前日の土曜日は観光でハイデルベルクを長々と練り歩き、疲れ果て、宿泊地のフランクフルトへ帰ってきたのが午後7時過ぎ。ホテル近くのコンスタブラーバッヘ駅に降り立つと、スーパーらしきところは全部閉まっている。ドイツは店じまいが早いのだ。ヤバイ、明日の朝食はおろか、今日の夕飯も確保できないぞ。 フランクフルト中央駅に引き返してみるが、時すでに遅く駅のスーパーも閉まっていた。仕方がないので売店で水とオレンジジュース(700円)を買い、サンドイッチを二つ(700円)買う。駅構内という条件もあるけれど、ドイツの物価は結構高い気がする。 ホテルに帰り着きサンドイッチを食べていたら1個で腹が満たされてしまった。緊張のせいも多分にある。明日のエネルギーとしては足りない気がするが、夜も遅かったので寝ることにした。10時半消灯。 レース当日 (2005/4/17) 朝5時過ぎに起きて用意を開始。準備がギリギリなのはいつものことだが、ドイツに来てもこの習慣は治らないのか? 5時50分にホテルを出てコンスタブラーバッヘまで走り、6時4分のSバーンに乗る。ジャーマンレイルパスを持っているからキップを買う手間がなく便利だ(とは言え、買おうと思えばキップは事前に簡単に買えるのが日本と違う)。 フランクフルト中央駅からの6時19分ヴュルツブルク行きインターシティ(IC)は、ホームにすでにいた。夜中からずっと走っている列車だからなのか、コンパートメント車両ばかりだったので、先頭だけ形の違う自転車持ち込み車両に乗りこむ。バックパッカー風若者があちこちの座席でグースカ寝ていた。定刻にスルリと発車する。 どこを切り取っても美しい田舎の風景を車窓から眺めつつ、バナナ2本と昨日のサンドイッチを、朝のコーヒーと一緒に、音を立てないように食べる。ドイツ鉄道は機関車型の列車が多く、モーターのない客車内は驚くほどシーンと静まり返っているので、バナナをムチャムチャ食べる音まで周囲に聞えそうだ。寝ているドイツ人が気にしてむっくり起きるなんてこともないとは思うが、図体がデカイので猛獣が寝ているかのようである。 結構腹は満たされた。サンドイッチが案外デカイのか、相変わらずの緊張のためか。 7時30分、ヴュルツブルク中央駅に到着。プラットホームにはリュックを背負い上下ジャージに身を包み、ランシューズを履いたジョガーオヤジ連中がわんさか降り立った、いやもとい、そんな奴はいないぞ。あれは日本だけの風物詩か(詩なのか?)。 わがリュックには、パスポート、クレジットカード、ジャーマンレイルパス、財布など大事なものがいくつか入っている。普段ならさほど気にもせずにレース会場の芝生にほったらかしの手荷物だが、今回は紛失や盗難に遭うとシャレにならないので、駅のロッカールームに預けた(1ユーロ)。実は、手持ちのコインがなかったので、両替のためDBオフィス(みどりの窓口みたいなところ)が開く8時まで駅構内で待つはめになったのだが。 そんなわけで8時過ぎ。外は僅かにシトシトと降っている。あーあ。雨のレースかよぉ。ちょっとブルーが入りながら会場へとむかう。僕以外に歩いている人がほとんどいない。 マイン川を渡った橋の袂の会場には巨大テントが二つ設置され、その周囲では人が見えた。参加者の多くはクルマで来ているらしいということが分かった。近くの駐車場から人が流れてくる。 早速テント内に入ってみると、奥の方に選手受付らしきコーナーがあった。マラソンの部の受付へ行き、主催者から送られてきたEメールのプリントアウトを示すと、ゼッケン等が入った書類とTシャツ2枚を渡される。Tシャツ2枚とは、オンラインエントリーの時に同時に申し込んでいたものだ。どうやらやっぱりこれが公式Tシャツみたいだ。そこでエントリー代40ユーロとTシャツ2枚17ユーロを払う。ゼッケンをつける安全ピンは、受付で直接4個貰った。言わないと貰えないものらしい。 次に別の窓口へ行き、シューズに取り付けるチャンピョンチップ(タイム計測のタグ)を購入する。30ユーロ払ってチップ購入チケットを貰う。フィニッシュ後チップをこの受け付けへ返却しに来ると、保証金25ユーロが帰ってくるしくみ。つまりチャンピョンチップレンタル代5ユーロってことだ。 そのチケットと自分のゼッケンをPCのある別の窓口に申告して、ゼッケン番号をデータベースと照らし合わせ、チップを貰える。おそらくこれが出走登録になるのだろう。以上で受付は終了だ。 ![]() 僕の場合3時間を越えるマラソンでは途中のエネルギー補給がかなり重要である。エイドステーションの内容を把握できていないので、補給をエイドに頼るのはリスキーと思われた。よって背中にポケットが3つあるトライアスロン用のウェアで走ることにした。さらに、「写るんです」も持って走るつもりだったが、その「写るんです」を背中のポケットに入れて2,3度ジャンプしたらすぐに飛び出して落としてしまった。念入りに準備したカメラはあっさり不携帯決定。というか、いざとなったらこんな重いもの持って走りたくない気分だったのでオールオッケー。 ゼッケンを取り付け、脚にはホットクリームも塗り、走る準備はほぼ整った。残るは、この手荷物をどこに置くかだ。日本のよくある大会のように、グラウンド観客席とか、公園の芝生などといったエリアは全然なくて、その辺にポイっと放置する気ままなドイツ人は皆無だ。方々歩き回ってみると、Kleiderナントカというコーナーがあり、トラック数台の中に手荷物らしきものが入っている。Kleiderを辞書で引くと(衣類)とあったので、たぶん目的の場所はここなのだが{ポータブル辞書は意外と重要かも)、イマイチ不安で行動に移れない。スタート10分前までうろうろと伺って、どう見ても主催者が用意した手荷物預かり所と分かると、所持していたアストロマンのトランジットバッグに荷物を全部詰め込み、マジックで970番と袋に書いて渡す(荷物はかならず膨れ上がるので、大きなビニル袋などを持参すると便利)。よし、これでスタートできるぞ。ほんのり雨がちらついているので、ベスト型のカッパを折りたたんで後ろポケットに突っ込む。他のポケットにはパワージェルとメダリストの粉末、そしてアミノバイタルゼリーを入れた。 ![]() |
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