JCRC第1戦in修善寺CSC参戦日誌
2006/3/25 
Zクラス(個人エンデューロ) 

この1、2年で急に増えたお知り合い13名と共に参戦する今年1回目のZクラス、2時間半オーバーの反時計回り耐久レース。S,B,Dにもそれぞれ知り合いが含まれるので、レース中は退屈しないだろう。
具体的な戦略目標は曖昧なままだが、タイムとしてベストを目指すこと、タレを最小限に抑えるためのペース配分に留意することは去年と変わりはない。16周するであろうトップと同一周回という目標も密かに持っていたが、それを狙いすぎると自爆するのであくまでタナボタ的スタンスで。

朝5時に家を出て、余裕を持って修善寺に着く予定だったが、途中で参加ハガキを忘れて引き返したことで20分ほどロス。危うく東京料金所を早朝割引無効の6時過ぎに通過するところだった。そんなわけでCSC到着は7:20とやや遅れ、モタモタしている間にアップ時間も無くなってくる。無理矢理5分間だけローラー台に乗り、少し気合を入れておいた。なんだか一昨日のランが今ごろになって筋肉痛だが、今日は練習なんだから良いでしょう?
の割にはZIPPをはいて本戦モード。たまにはコイツの走りに慣れておかないと。

パールの冬用ジャージの上にポンズジャージを着て、下はレーパンのみ。メダリストで満タンにしたボトル二つをセット。モンキーバナナを二つと、ウィダーインゼリーをポケットに。

スタート3分前、江國さん@GIROのとなりにもぐり込む。空気抵抗を受けそうなウィンドブレーカを着ている江國さんに、「これ着て走るんですか?」と訊ねる。途中で脱げば良いからと、落ち着いた表情の江國さん。さすが余裕である。とそのとき、横にいた別の人が「水なしで走るの?」と訊ねる。よく見ると江國さんのバイクには空のボトルが。「水なしじゃさすがにマズイっすね」と、変わらず平静としたトーンなので僕のほうが慌てた。スタート30秒前なのに江國さん、水を汲みにいった。いつ何時でも慌てない江國さん。さすがだ。でも間に合うのか?
定刻の8:29にZクラススタート。先導バイク無しなのですぐにスピードは上がった。アップ不足でそこそこしんどいが、トップエンドまではまだ少し余裕がある。ふと見ると江國さんが普通に混じっていた。迅速な行動、さすがだ。
心拍数155bpmは越えないで走る、というのが唯一決めていたことだが、最初の上りは150bpmそこそこで一応クリア。その数字の割にはきつく感じるので、155の制限値は高すぎるのかと不安になる。2号橋からの上りで去年は集団から自然離脱したが、今日はありがたくも友人が観戦に来てくれているので、1周目は例外的に自己規制解除で意地でも集団に着いていくことに決めていた。せっかく応援に来たのに、いきなり1周目からちぎれた姿を見せ付けられるのも、なんだかなあ? ってトコでしょうから。
最もしんどい秀峰亭手前の坂で制限値をオーバー(156bpm)するが、いきなり千切れることは回避できた。
今回のSクラスは、チームアンカーを始めいわゆるトッププロが多数含まれており、プロとアマが別け隔てなく戦うというのも珍しいと思うが、そんなわけでいつものSとは全くレベルが違うだろう。1分差でスタートしたSは、予定通り1周しないうちにZに追いついてきた。我々の左と右からどどっと追い越していき、中央でサンドイッチ状態になりながらSを見送る。その迫力に圧倒されしばし苦しさも忘れるほどだ。
1周を終えて戻ってくるとタイムは9分53秒で、予想の9分半を下回りZクラスとしては恐らく穏和なペース。もちろん僕にとっては生殺しペースだ。大盛況の67人のエントリーとあって集団はいつになく大きいので、僕みたいに限界状況の人も生き長らえる余地がある。それが却ってスピードアップを鈍らせているのだろうか。
さて2周目以降は自己規制に則りマイペースで行くか。という気もあったが、欲を出せばついていけなくもないので困った状況になった。で、結局ついていくことになる。今日のこの大集団なら着いていくことのメリットは大きいと感じつつあった。今までは、下るか上るかしかないこのコースでは、ソロ走りとの違いをさほど感じられなかったのだ。
ここで生き延びるために、まず下りでなるべく前のほうに移動しておいて、登り区間で最後まで落ちるの繰り返し。今回、僕のようなディープリムを採用した人は結構居たが、その中でもこのZIPPは何もしないでもスルスルと前に出られる感じがした。ハブがいいのか、それとも乗員が単にデブってことか? いずれにせよディープリムを最大限有効活用せねば。
というか、先頭でブレーキングしている人が居るのがよくわからん。僕はどちらかといえば下りは苦手だが、修善寺は全行程ブレーキ不要でしょう? 2号橋手前の左コーナーでアウト回りするのも分からん。でもって、上りに入ってもその勢いでなるべく上っておく。ここでも、スローダウンするのが皆早すぎる気がする。ギアを軽いほうに入れるのが早すぎなのでは。「早めのギアチェンジ」を「ライトは早めに点灯」と同じようにベターだと思っている人が多いのでは。この俺様に言わせれば、「早めのルル」くらい意味無いですよ。目一杯アウターで踏んで、ダンシングでインナーも、イマドキの高性能デュラエースならオールオッケー。高いパーツはこういうときに生きるんですよ?
ま、力のないものはそういうリスクも負わねばならないのだが、そんなわけで、比較的労せずして前に出やすい。そんなことやったって、セコイだけ? 大してアドバンテージはないのかと思ったりもしたが、何周かする間に、その下準備をした周とボケッとしていた周で明確な差があることを感じた。
2号橋から秀峰亭までは上りが長く、抜かれながら走る。毎度毎度、邪魔くさくってすみません。秀峰亭直前などはもうアヘアヘで蛇行しそうだ。1周目はここを156bpmに抑えたが、2周目は157bpm、3-5周目は、159、159、162、と完全に制限値オーバー。2年前最高にヘロった同レースの最高値161bpmも越えてしまった。これはいかん。さすがにまずい。
集団は幸い安定したペースで進みつづけるので、かろうじてついていける。4周目終わりのころ、淡々と走る物見山の大浜さんに調子を訊ねると、「いやーきついっすね」と、他人事のような口調で返ってきた。それを聞いたニルス山本さんが、「レースはこれからでしょ。ここまではウォーミングアップ」とニヤリ。くっそーその心理作戦には屈しないぞ。
だが、5周目終わり、奈良さんがフラフラッと集団中盤に下りてきて、「ア〜〜、そろそろ上げようよ〜」と退屈で死にそうな顔をしながら、ペースアップする同士を募ろうとしている。これには参った。
下りで得た僅かなアドバンテージを利用しても、秀峰亭にたどり着くまでに使い果たし、集団最後尾からも遅れ気味になってきた。そろそろ潮時だろう?とはっきり自覚したわけではないが、6周目の上りでは無理して追わなかった。それでも161bpmまで行ったが、秀峰亭をノロノロと過ぎて、次の一瞬の下りにスピードを乗せることができず、ここで集団からは一気に千切れる。
とは言えこの周は9分49秒の最速タイで走っており、後で思えば集団もややほんのりペースアップしたのかもしれない。人によっては、何も感じてないかもしれない。
7周目も暫らくはすぐ手の届きそうな位置に集団が見えており、もしかしてペースもまた緩くなっている?ように見えたので、一時の甘い考えで集団から離脱したことを後悔しはじめるが、風を全面に受けつつ自己規制内での追走はもはや不可能。規制解除したら多分自爆。さてさて、ここからが第2レースのスタート、と割り切ろう。実は一人で走ってみたい気分になってきたのだ。
7周目は10分46秒と一気に1分近くも落ち、さすがにガックリ来た。ソロの実力はこんなもんだったか。風が吹き荒れた去年の目標ラップより遅いとは何たること。との反省から気合を入れなおした8周目は10分30秒と少し取り戻したが、9周目は10分47秒とまた元に戻る。
10周目、1号橋を過ぎたところで、ちょうど仰ぎ見えるところのコースを下っている集団の姿が見えた。自分がそのポイントを通過するタイムを確認すると、その差3分。1周あたり1分ほど差がついており、残り6周とすると9-10分ほど差がつく。ラップされるか否か微妙なところ。その上僕のほうは垂れていく一方だろうから、可能性はさらに薄い。目標が消えかけ、すこしやる気が失せた。

ここで気合を入れなおすきっかけとなったのが、第2ヒートであるC、D、Oクラスの存在だ。12周目だと思うが、スタートしたばかりのD集団が1号橋からの上り最後でどどっと追い越していった。Sクラスが終了し、コース上には暫らくZしか居なかったので、寂しくぽつねんと走っていたのだが、やはり活きのいい集団を見ると自分もシャンとしようと思うものだ。初修善寺というフレンドのK湊さんを見つけ、思わず話し掛けようと反射的に後を追うが、スタートしたばかりのDに追いつくはずがない。アホだった。
ところが、意外にもその周の終わり近くでソロになったK湊さんに追いつく。まだ1周目じゃんかよと思わず突っ込むと、「ギアがはいらねえ!」との返事。要するに気が乗らねえってこと? 「アップ不足じゃないですか?」と、すでにこのクタクタ状態を分けてあげたいチェルシー気分だったが、後で聞いたら、比喩的表現ではなくホントにギアが入らなかったそうで、マシントラブルとはツッコミどころがなく残念。
次はZで出ましょう。
秀峰亭では見知らぬ方に名前を叫ばれた気がした。むむ? どなたでしたっけ? 多分僕の勘違いでしょう、と思っていたが、後にご挨拶したその方は、今着ているポンズジャージを分けてくださったF島さん。お初です。ジャージが泣いてますがスミマセン。

スタートして2時間が過ぎ、ぽつり、ぽつりと落ちてくるZの先行者をパスする。ここで追いつく人は大抵、僕のように集団から切れた後を想定した走り方ではないので、力尽きていてもはや一緒に走れない。ところが例外的に、ちょくちょく前になったり後ろになったりする人が一人だけいた。この不思議な人は記憶する限り後ろから追いついた人なのだが、基本的に上りが速いがペースの上げ下げは気分屋で、それでいてタレた様子はない。心臓破り付近でふとゆっくり走っていたので、後ろにぺたりとついて上る。協力体制をとりたいと思っていたのだが、僕の存在に気づいた途端、ウルトラダッシュで逃げていった。どうもその気は全くないらしい。でもそんな余力があるならなぜ集団に着いていないんだろう?
意外にもその後話し掛けられた。「あと何周ですかね?」「追い越されなければあと4周です」 4周と聞いてかなりガッカリした様子。その後ホームストレートではこの人の前に出てガンガン飛ばし、整地され走りやすくなった1号橋では本日最高の78km/hをマーク。この高速コーナリングは快感だね。さあ次引いてください、と思ったらいつのまにかいなくなってた。残念。
Dの千切れ組とは比較的ペースが拮抗している。そのなかには小学生?もいて、諦めず元気に前を追っている。僕も負けじと見えない先を追う、というか迫り来るトップから逃げる。激しい息遣いで心肺を限界まで使い小学生がアタックー! オジサンは、いいものを見せてもらったよ。

15周目は最終周のつもりと思ってそれなりに頑張ったが、やはり16周目の存在を視野に入れていたことは否めず平凡なラップを刻み、役員にはここで終了のサインが出る。トップには追い越されなかったが、16周目に突入することは許されなかった。密かな目標は達成できず、最後は追い込みきれず、やや未消化にレース終了。
まあでも、2年前と比べたら疲れなくなったなあ。

TIME VXRS+ZIPP404
5km×15周=75km 2:35:19 (28.97km/h) 15位(出走67人)
HRave/max=143/162bpm

補給はボトル1本分のみ消費。それ以外は手をつけず。


グレーの折れ線は昨年の同レース。

データを見ると、集団とソロ走行の違いはさておき、最後まで心拍数とタイムのいずれも落ち込みがなく、つまりタレはなくきっちり走れた。うまくいきすぎなので、集団にあと1,2周は無理してついたほうがタイムとしては良かったかもしれない。

奈良さんは当然1位かと思ってたら、最初から逃げていたナルシマの人が居たらしい。でもこの人、序盤で追い越したSに乗っかって差を広げ、あとは一人で逃げたらしいのだが、それがホントなら完璧ルール違反じゃん。あの怒涛のSに乗っかるだけの脚がありながら、なぜフェアに戦わないかね? なぜJCRCは失格を宣告できないかね? オトナの世界はさっぱ判りません。

帰りがけにまた伊勢原のパン屋、ブノワトンへ寄っていく。サンドイッチがお気に入りなのです。