スペシャライズドカップ JCRC第1戦in修善寺CSC参戦日誌
2005/3/26 
Zクラス(個人エンデューロ) 

本日の作戦もやはりすでに立ててある。作戦と呼ぶに値する代物かどうかは別として。
1周10分40秒のイーブンペース厳守である。今回はゴールがスタート地点から3.5kmポイントの秀峰亭前のため、予想ゴールタイムは14周+αで2時間36分50秒。1周10分40秒ペースで走ると秀峰亭前を7分30秒で通過することはすでに日記にも書いた通り。
朝7時40分頃修善寺到着。早速見かけたRyuさんにごあいさつ。今回も午前0時に家出とは。気合の入れ方が違います。
オーベスト森川さんが、Zに出場するチームの新人、T橋さんを連れてやってきた。ずばり、ターザンのような人ですね。雑誌でなくホンモノの。違っていたらすみません(違ってるって)。お二方とも、走りたくてしょうがない! という闘魂を漲らせている。
さて、今回に限り、アップでコンディションを上げておくと、ペース厳守の掟を破り調子付いて飛ばしかねないので、今回はあえてアップ禁止とした。楽でいいや。
二つのボトルにスペシャルを満たし、体内ボトルはトイレで空にして、ギリギリになってスタート位置へ並ぶ。いつもと違って緊張してない(いつもと同じ?)。オートバイ先導のローリングスタート。いきなりターザン氏がぶっ飛ばして、先導ライダーを慌てさせている。アドレナリン出まくってますね。
最初ののぼりで奈良さんと少しだけ話した後、最後尾まで下がる。2号橋までの下りは集団に着き、そこからの上りであっさり集団から離れた。予想よりも気軽に離脱できたのは、何よりそうしたかったから。着いていかねば、なんて、これっぽっちも考えなかったぜ! 
秀峰亭前をほぼ目論見通り7分27秒で通過し、1周を終えてみると10分38秒。狙ったように、予定通りである。
しかーし、である。
なんせ今日はこの厳しいコースを推定15周もしなければならないのである。となればその第1周目は当然ながら、「10分40秒なんて、へのへのカッパだぜ」と叫びたいところをグッと抑えて通過するほどでなければならない。
ところが、今のこの気分は、「フェーッ。やっと1周・・・」という感じ。かなり一杯一杯である。これでは、イーブンペース崩壊も時間の問題。即刻、目標ラップタイムを下方修正すべきだろう。だが、ほとんどビリケツなのにさらにスピードダウンって、そりゃないだろう?
2周目も同じ10分38秒。天才かも?
今日は風が強く、このコースでここまで強いのは初めての経験だ。前後輪ZIPP404のため、まるで亡霊にハスられたかのようにグイっとハンドルを取られるので、下りでは下ハンで気合を入れなければならない。奈良さんは前輪のみノーマルリムを装着していた。そのほうが賢明なのは間違いないが、ソロ走りという事情を考えれば、ハンドルを取られることよりも空気抵抗軽減のほうが依然重要と考えての機材選定だ。特に下りでは全て向かい風となる今日は有効な選択だったと思う。
ホームストレートも例外なく強烈な向かい風で、ここを一人で走るのはかなり体力を消耗する。スタートラインでラップ計測の為にハンドルから手を離すのが少し怖い。3周目、10分43秒。なんだおい!早くも遅れ始めたか。レース目標を厳しく設定してしまったな。この先が思いやられる。
時間差スタートのS、Aクラスに抜かれ、Aの千切れ組5,6人の集団にも早々に抜かれていたが、その集団がいつまでも前方50mほどに見えている。レースを捨てているのかもしれないが、それでもAクラスである。その集団とさほど変わらないのであれば、今日のこのペースはそんなに悪いものでもないのかもしれない、と考えることにした。おそらくこの強い向かい風がペースを鈍らせていると思われた。

以下、淡々と走ることだけを心がけたので、あまりよく覚えてないや。

先週のチャッキーズカップでコースの走り方が組みあがっていたため、焦らず慌てず走ることができている。毎周回、ギアの選定もだいたい同じだ。これが最終まで同じギアで走れればいいのだが。
5周目あたりでBクラスのトップ集団に抜かれる。リマサンズ上原さん(仮名)が予想通りトップ集団に居たが、ちょっと厳しそうな表情を投げてきた。レースにハナっから参加してない僕はまるで緊張感のない笑顔を返したことだろう。
心臓破りのところで、先行していたRyuさんに追いついた。「お・ま・た・せ〜」と話し掛けるつもりだったけど、いざとなるとなぜか声を発するのが躊躇われる。思考回路が止まっているのか、それとも会話できないほど疲れているのか。
7周目頃から、徐々に調子が乗ってきた。目標よりは遅いが、この感じで行きゃいいんだろ? というある種の割り切りも形成されてきた。だが、まだノルマの半分も消化してないから、ここで図に乗ってはいけない。調子が上向いたときは、その後総崩れする前兆かもしれないのだ。
やがてAクラスがレースを終了し、千切れ組に混じっていたZの数人にいずれ追いつき、集団走行が実現するだろうと踏んでいたが、皆散り散りになってしまったようだ。今日は見事に同じペースの人と遭遇できず、望まずしてソロ走りに徹している。ホームストレートでたまたま誰かと一緒になると、これ幸いと後ろに着くのだが、レース前にオーベスト森川さんに「僕らは人の後ろに着いて走るのを嫌いますからね、わっはっは」と、ドラフティング反対同盟を宣言されていたことが妙に頭に引っかかっていて、意固地なおいらはいつしか単独走に切り替えてしまう。そこでAの選手を引いたこともあったくらいだ。ちなみに、僕がドラフティング反対を唱えるのは、禁止されているトライアスロンにおいてのみです。ロードレースでは、最大活用させて頂きます。えへへ。
コース内にはZクラスしか居ない状態になり、しばらく閑散としたムードで走っていたが、やがて第2ヒートであるC、D、Eクラスがスタートした。ちょっとは風除けをアテにしたくなってきた。早く追いついてこないかな(他クラスに混ざるのは禁止です)。
だが、これが一向に追いつく気配なし。たまに遭遇するZクラスは、相当ヘロっていてまるでペースが合わないし、そろそろ一人で走るのも飽きてきた。秀峰亭を過ぎたあたりでホームストレートを見ると、Zの第2集団と思しき数名が綺麗な列車を組んで走っているのが見える。くっそー、あそこにいれば下りは速いし脚も休めるしで、今よりずっと楽そうだ。しかし、あれに乗るためにはスタートで脚を使わなければならないし、そうすれば着いていけないしで、どちらにせよ叶わぬことなのだ。あきらめなさい。
12周目中盤、2号橋からの上りで、オートバイの音がいよいよ近づいてきた。待ってましたのCクラストップが追いついたか。と思いきや、Zトップの奈良さんとナルシマのペアだった。心臓破り手前で追い越され、周回遅れが確定。何か声をかけようと思ったけど、またしても躊躇ってしまって何も言わず。ツマンナイ奴です。
秀峰亭前でOD-BOXのボスに「あと2周、くらい」と宣告された。その「くらい」ってのが怪しいですぜ。いいですよ、3周と思って走りますからね。
その後下りに入っての右コーナーをいつもの調子で気を緩めず走る。このインコーナーではプロカメラマンが撮影しているのだが、気合を入れているように見えるためか、毎回写される。もう充分撮りましたよ、だんな。
そのままダンシングして駆け上がると、なんと奈良さんを追い越してしまった。このまま行けば、周回遅れを返上できますね?
先頭を行くナルシマの陰で走っていると、ラストのキツイ上りで奈良さんがアタックをかけあっという間に行ってしまった。ナルシマは即反応し、両者アタック合戦を楽しんでいる様子。
ホームストレートをやっぱりソロで通過し、1号橋からの上りを追い風に乗って飛ばしていると、またまた奈良さんに追いついた。僅かな間だったけど、トップと一緒に走るって楽しいなあ。わっはっは。周回遅れですが。
少なからずそこで無理したのが響いたか、13周目はタイムも落ちた。だが、秀峰亭前通過時に残りは確かにあと1周と宣告され、ジャンも鳴ったので、さて、ファイナル周回を目一杯走りましょうかね。思い出したようにボトルの水を飲む。丸まる2本は僅かに余計だったかもしれない。
14周目に入ってもヘタレ度は前年比でかなり抑えられている。それを狙った走り方をしているのだから、当然である。ただ、10分台を維持するという第2目標もとっくに崩壊していた。痙攣に一切悩まされなかったのは唯一救いだった。
心臓破りをやっとの思いで駆け上り、ゴールに向けてラストスパート。おつかれさまでしたー。
なぬー! さらにまたあと1周ですか。なんか、予感してたけど、指示ミスをもちっと少しは悪びれてください。
今度こその最後の心臓破りで、Ryuさんを発見し、ラストスパートするきっかけに。さすがに脚にきて、ゴール後立ちゴケするかと思った。2:39:55で、当初の目論見より3分以上遅かった。

Sではプロトライアスリートの松丸真幸選手が単独トップだったらしい。プロとは言え、トライアスリートがどこまで通用するのか興味があったので、この結果には嬉しい。Dクラスで満足していてはいけないなと思った次第。

風も強いし、さっさと帰る。箱根峠のファミマでお菓子を買った後仮眠していたら、隣の「峠のラーメン屋」のオヤジに難癖つけられて追い出された。「箱根」には何かと見放されるおいら。


ブルーの折れ線が今回の結果。赤いラインは目標ラップ。

去年の同レース、それに先週のチャッキーズと比較してみる。
いずれも6周目あたりで調子が乗ってきているのがわかる(チャッキーズではここでチェーンを落としてタイムが悪い)。徐々にタイムが落ちていった今回は、マラソン的発想で言えば理想的なペース配分と言えるかもしれない。 ただ、昨年の自分を追い越したのは、10周目を過ぎてからであった。最初からヘロヘロだったチャッキーズにも、20秒負けている。
WEBでリザルトの速報を見た。
意外にいい12位(出走49人)。同じVXRS+ZIPP乗りのナルシマ近藤さん(今回のマシンは判らないけど)には毎回勝てないが、リーチにつけたぞ。オーベストのターザン氏を抜いていたことには気づかなかったが、初戦でこの位置につけるのだから、次回はもう全く敵わないだろう。
去年のレースと見比べると、どのクラスも一様にスピードが遅いようだ。やはり強い風が影響したのだろう。今回の平均ラップ10分51秒はまずまず目標達成と考えて良いかも。などと、言い訳を真剣に考えたところで、強くはなりまへん。