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JCRC特別戦スペシャライズドCUPサイクルロードレース大会
アイアンマンへ向けて、このゴールデンウイークはちょうどいい最終追込期ということで、午前午後に分けて合計6時間の耐久レースにダブルエントリーしたのである。長柄でも6時間以上走ったことはあったから、平地のコースなら問題アルメーと思ったのであるが、直前になってモーレツに後悔してきた。なんだかこのところ寒いのである。真冬の寒さというわけじゃないけれど、いったん初夏のような陽気を体感してしまうと、もう寒いのは耐えられない。ひたちなかスーパーエンデューロ 2004/5/2 個人2時間ロード+個人4時間ロード 当日も朝からさみぃー。5時半に自宅を出たが、GWで早くも高速道路はクルマで賑わっている(クルマ以外で賑わうことはない)。渋滞は免れ順調にひたちなかへ突入、この施設(自動車安全運転センター)のためにあるような特設高速道路を通り、ICを出ると200mで、もう目的地である。海岸沿いの閑散としたところで、コンビニなどありそうもなく、自宅近くで食料など全て調達しておいて正解だった。 軍事基地のような閉鎖的な会場に到着。さみぃー。なんでこんなに寒いのに、ロングタイツ持ってこないかね? もうアホとしか言い様がないね。午前の2時間の部は4枚の厚着をして出場する。 コース試走してないけど、今日は6時間も走らなきゃならないからアップする必要もアルメー。参加人数は、このだだっ広いコースにしては少なく100人も居ないか? 9時スタート。 個人2時間ロードの部 茂木100kmマラソンのようなごちゃ混ぜの展開を予想していたのだけど、これだけ参加者が少なく、脚力が揃っていると集団一塊で延々走ることになるのであった。さすがにいきなりの心臓バクバクで最初は辛いものがあったが、それよりも、1周5キロを走ってゴールラインにたどり着き、コースの全容を初めて知って驚いた。 ただのオーバルコースじゃないか! テクニカル度ゼロだ。アップダウンもほぼゼロ。退屈度100%。これから6時間、この単調な道を走りつづけなければならない。耐久レースとはよく言ったものだ。 ただ、先週の群馬では緊張感溢れる大集団の中を走れたのはたったの2周だったが、今回は延々と続きそうだ。この緊張感を持続するのはある意味耐久レースだ。大井埠頭の練習はこんな感じだろうか、などと考える。 今日は風が強く吹いており、ゴールラインでは向かい風が頂点に達する。反対側のストレートでは追い風になり、スピードも55km/hほどになる。1,2周目は全般にスピードも速く、中切れしそうになって焦って後を追ったこともあったが、どうしたって追いついてしまうことが判ると慌てなくなった。そんな感じで 2周目まったり。 次もまったり。 その次もまったり。 なんだおい! これって練習になっているのか? 6時間ポタリング耐久だぞ。 などと偉そうなことを言うのなら、テメエが牽きなさい。はい、了解しましたポン。牽いてみますぞ。ウヘー辛いよ。なんじゃこの向かい風は。ったくやってられまへん。終了。 ってなことで、ここは後半の4時間の部に足を残しておかねばならない。ポタリングに専念することにした。 ![]() ・ころがり抵抗が上がる ・自転車の機械的抵抗が上がる ・場合によってはトップギアに入る。ギア比の低い人はやばいぞ ・高速のため、安全をみて集団が長く伸びる ・スピード恐怖症の人は、自らブレーキがかかる(まあそんな人はいなかったが) などなど。 そんな感じで、トップも後続も似通ってきた条件下でハイスピードのままコーナーを抜けて、やがて向かい風区間に入ったときに集団が密でない状態にあると、そこまで脚を使ってきて、しかもすぐ目の前に風除けがいない状態では、脚力のない選手は失速する可能性があり、中切れの原因を作る。そんなシナリオであろう。 だが、実際はトップが一番失速していて、向かい風区間に入ると一気にドドッと集団は横に膨れ上がるほどであった。 ほぼマッタリ状態で進む集団。30分くらいで早くも手が痛くなる。集団で密になって走るためブレーキレバーに手を添えておく必要があり、ハンドルポジションが限定されるためだ。同じような理由で、腰とケツが痛い。痛さと退屈さの試練を与えられた耐久レースですな。 あんまり単調なので、もはや書くことなし。色々と小さなトピックスはあったけど、記憶は周回毎に上書き消去されていくのでほとんど残ってない。 ゴールラインでは、手馴れた感じでクリス・ペプラー風DJが中継している。「ただ今第3集団が○○周目に突入しました。トップとの差は、50秒です!」 あれ? いつのまにウチらは第3集団になってしまったのか? 全然気づかなかったぞ。しかも50秒だったら、十分追えるはず。追おうよ! 周りも、第3集団と聞いて意外に思ったのか選手間で話題になっている。それらの会話を聞きつつその時納得した答えはこうだ。逃げている集団はスペシャライズドで、いまこの集団を牽いているのもスペシャライズド。スポンサー様のご厚意で集団を引っ張っていると思っていたのだが、つまり、抑えが効いているということか。どおりでまったりしているわけだ。抑えられてちゃ、いち凡々選手がどうあがこうと敵うわけないね(事実はどうだか知りません)。 で、早くも1時間と50分が経過した。むむ、そろそろ終わりだな。ゴールラインを通過するときに、「ラスト!」と沿道から声がかかる。一周8分くらいで走っていたから、残り1周だったらちょうどよいね。 さてさて急に緊張してきた。アドレナリンがどどどっと出てきて、筋肉に充填完了。ふとみると、先頭近くに黄色いジャージの(推定)中学生。見ているとペダリングが危険なくらい未熟で、なぜかいかなる時もダンシングで加速し、親はどういう教育をしているのだろうと保護者のような気分で思っていたが、こいつに負けるのはやっぱり嫌なので(おいらも大人気ないのである)ズビズビっと前へ出る。ちょうど向かい風区間に入り、後はゴールを目指すのみ、というところで、先頭に出てしまった。これはいかん。ゴールまでは結構長い。絶対に逃げ切れんぞ。 しかし、集団はあくまで様子見なのか動きを見せない。しょうがないのでとりあえず行ってみる。 ゴール手前200m。まだ変化なし。さすがにバカなおいらでもこれはヘンだと気づいた。あと1周あるのだ。それでもまだ半信半疑なのでゴールラインまではトップで通過する。なんだクソー。だれだよラストって叫んだ奴はよう! 心拍数は本日の最高値168bpm(年初来高値だ)まで上がり、ストック分のグリコーゲンを使い果たし、へなへなへなと集団へ戻る。なんとまあ、恥ずかしい行為であった。 さて、ホンモノのラスト周回。アドレナリンは、もう出ません。筋肉はじんわりしていて、心拍数も下がらない。それでも緊張感だけは出てきた。 つい先ほど本気で走ったのが予行演習になったかもしれない。ゴール手前500m、集団の中ほどで落ち着いてチャンスを狙う。だが、ちょっと中に入りすぎで身動きが取れない。トップは右へ左へと蛇行して、ホンモノっぽくなってきたぞ。さてそろそろ抜け出さないと。左の人とタイヤが接触。アブネエあぶねえ。前の人を上手く使って温存しつつダンシング体勢で追う。ゴールは意外に遠いのだ。ラストスパートはじっくり待てと。筋肉残量を確かめつつ、7割パワーでポジションを上げていく。そして決断の時。今こそンガーッ! 向かい風でZIPPホイールが煽られ操りづらいが気にせず全開。そしてゴール。 その第3集団では7番手で入ることができ、初体験の割にはよくできましたと、ひとまず満足だった。 総合記録は11位/57人中(オープン参加除く)。 だが思いのほか、そのラストスパートはエネルギーを消耗したようで、一気にぐったり。 4時間の部に参加するチバポンズ山本さんとおしゃべりしつつ、急いで昼飯を食う。時間がないのだ。ハラが持つのか心配。でも口にはもうなにも入らねえー。 個人4時間ロードの部 やはりこの大会のメインは4時間にあるようで、個人4時間ロード枠の選手が最も多い。午後は総勢160人ほどで、MTB部門以外は大集団のまま競技は進むことになる。 先程は16周=80kmを8分オーバーして走ったから、今度は倍より少なめの31周ってとこだろうか。でも強豪がいるからもっとペースは上がるかもしれない。怖いぞう。 実際は、2時間の時とほとんど変らないペースでレースは進行する。ただ少し内容的に異なると感じたのは、バックストレートでの最高速がこちらの方が速い。アタックの強さが違うようである。その分、向かい風でのスローダウンが大きいのだろう。メリハリがあるという感じだ。 しばらく走ったところで、向かい風のスローペースの中、集団ど真ん中で落車発生。退屈すぎてプッツン来てしまったのだろうか? 3,4人巻き込まれたようだ。目の前で起こった初めての集団落車。うへー。見物していたら集団から切れそうになる。 午前の部のツケが回ってきたように感じ始めた。バックストレートでのアタックがしんどくなってきたのである。ああやだなー。そんなに飛ばさないでくれよう。体力的にはまだ有るとしても、その他もろもろがとにかくくたびれてきた。まずはなんといっても集中力、手、腰、ケツ、首の痛み、そして尿意。寒さの中4時間我慢するのは大変だ。当初は、こんな集団レースになるとは思ってなかったので、トイレくらい行きたいときに行くんだろう、と思っていたけど、一度でも集団から降りたらジエンドで絶対それは不可能。しかも、トイレって用意されてないんだよ。でもまだあとたっぷり2時間はあるよ。ウソだろー。 そんな感じで迎えたいつものバックストレート。また集団がズズズーんとペースアップ。そのまま高速を維持してコーナーに入る。ウヘー辛えな。先行者にぴたりとついて黙々と走る。今回はちょいと速いな。 でもこの人に着いて走ってりゃ追いつくさ。 それが甘かった! 最初にして最大のミス、というかヘタレ気分台頭。 前の人はズルズルとペースダウン。ヤバイと思った後続の何人かはダッシュでパスしていった。なぜかそれを見送ってしまうヘタレな自分。 本当にヤバイと思ったのはわずか数秒後だ。これじゃイカンと思ってすぐさま単独で追う。だがすでに強烈な向かい風区間に入っていた。グヘー。追えましぇーん。待ってくだせえー。 ここで見事に集団の約1/3くらいはごっそり千切れただろう。その原因の何分の一かはたぶん私の責任です。謹んでお詫び申し上げます。前述した「中切れするシナリオ」は、実は僕自身のことである。 だが、実を申せば、まいっか、って気分だったのである。 この集団のペースはそろそろ精神的に限界だったのだ。なんかもっと、マイペースで走りたいよう、そんな感じだ。遅れた集団でのんびり行きたいね。 ところが、のんびり行くというコンセプトとは裏腹に、集団を辛くも逃したやる気ある数人がやがて一致団結し、ローテーションして行くというはるかに辛い試練が待ち受けていた。4,5人からなるその集団には、ペア参加の人も含まれており、彼らは集団から千切れたからといって一気にやる気を無くすわけには行かないのだ。一周のペースは下がったものの、何とかヘタれずに走りつづける。しかし、ローテーションは見事に決まっていたので牽かなければならない。これは大変辛いぞ。辛すぎて、一人、また一人と脱落していく。3人にまで落ち、その後途中で拾って拡充することもあり。いままで何て楽な所にいたんだ。それに、最初から一人で走っているMTB。あなたは偉い! ただでさえそんな重くて抵抗のあるタイヤを履いて、不本意な完全舗装路をこの向かい風の中直立姿勢で走らにゃならん。大変なんてもんじゃないね。僕らが楽をしすぎてました。それと、話題に乏しいレースを6時間耐久中継したDJの人もエライ! 仕事としては全く割に合わない。 何度目かの牽きの後、最後尾に着くつもりでそのまま着けず、とうとう脱落。こんな辛いのはもうやってられまへん。あまりに不毛だ。この調子であと1時間半も続くはずが無い。それでもしばらくは、先行する小集団が200m先に見えていて、もう一度追いつかんと頑張っていた。ふと見ると、MTBに乗る女の子がその集団にチョコンと乗っかった。マジですか! 意識が遠のいていく感じがした。 こうして一人旅となり、念願のマイペース走りを得られたが、果たして、ちっとも嬉しくは無い。さっきからハラも減っていて、尿意は限界値。やる気は最小値。ゴール付近では休んでいる人が居る。あ、チーム参加の人か。羨ましいな。1周のアベレージは30km/hを割っている。何てこった! 後ろから先導のオートバイがやってきた。トップ集団である。かなり少数先鋭になっていて、どうやら大集団から逃げた模様。これに着くのはあまりに顰蹙、というか、着けないでしょうけど。 その後1周したところで第2集団がどどっと到着。よっし、これに乗っかれ。個人レースなんだから、違反もクソもないだろう。山本さんryuさんにもここで再会。あたり前だが、やはりきちんと残っていた。 エリートの居なくなった第2集団は、たぶん以前よりもスピードが落ちたのだろう。僕にも十分乗れるペースだった。やはり集団は楽だなー。途中で離脱した小集団にも程なく追いついて吸収していく。すでにヘタばって乗れない人もいたかも。こういう周回コースはある意味理不尽だね。 いよいよラスト一周。今日一日長かったぜ。ゴールアタックに絡めない自分はすでにやる気なく、ゴール前でペースアップした集団から自然離脱、ラスト500mをとぼとぼと一人で走りゴールした。 総合記録は42位/122人中(オープン参加除く)。1周ラップされて30周=150km。コースが僅かに長かったのか、合計走行距離は231km、1日で走る距離の最長記録となった。ま、集団で走ったのだから参考値でしかないが。 ハアー。お疲れ様でした。帰り途、最初のSAで90分爆睡。クタクタの身体にこの後の常磐道は追い討ちをかけるかと思ったが、予想に反して一切渋滞なしで帰れた。神の思し召しであろう。 [後日再考] 4時間の部の先頭集団は、後半になるほどスピードの強弱が激しくなったらしい。 僕はその予兆あたりで千切れてしまったが、かりにそこで踏ん張れたとしてもいずれは千切れる運命にあっただろう。千切れた後小集団で走っているときも、パラパラと数人が降ってきていたから、厳しい引き回しが続いていた証拠だ。1周LAPされる間にエリートが集団から抜け出し、その後穏やかになった集団に再び乗ったのは、案外ベストなシナリオだったと言えるかもしれない。レース結果を見ると、僕と同様の1LAP組は意外と少ない。周回遅れとなり再び集団に乗れなかった(乗らなかった?)人がほとんどだったようだ。 |
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