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意を決して待ち合わせ場所に移動し、放心状態で座っていると、ケロッとした顔のキリオ君がやってきた。しかも、預けた荷物をすでに引き取ったあととは驚いた。余裕ありまくりだ。予想に反して、レースでも調子良かったみたいだ。やんぴんさんも、2週連続フルとは思えない調子良さで戻ってきた。
二人とも苦もなく走ってしまった感じ
多くのランナーは参加賞のランシャツを着て走った

まだ全ランナーの半分もゴールしてないかもしれないけど、シンガポール川沿いをぶらぶら歩きながらホテルへ帰ることにする。ここはボートキー、クラークキーと趣があって賑やかなホットスポットがあるので飽きさせない。途中、日本人の団体客に遭遇し、ゼッケンをつけっぱなしの僕らが日本語を発したのでちょっと驚いていた。現地人だけが参加しているイベントと思いこんでいたからだろう。
僕が殊更ダメージを食らっているのは間違いないようで、脚は早くも完全に固まってしまい、うまく歩けなかった。途中の出店で思わずタイガービールを買って早速三人で乾杯。最高です。
日本人ツアーさんに撮ってもらった
定番のビール

ホテルでシャワーを浴びた後、リバーバレーロードのブントンキーというチキンライスで有名な店に行く。シンガポールで言うところのチキンライスとは、蒸したチキンを生姜醤油とスイートチリソースで食べる料理。チキンスープで炊いたライス添え。三人タイガービールでもう一度乾杯。
グレートワールドシティを通りつつ、シンガポール川沿いをぶらぶら歩き、この国の前衛的なデザインの建物を見ながらホテルへ帰る。ダメージを受けた脚に良いのか悪いのか判らないが、よく歩く日だ。
ブントンキー
チキンライス
複雑だが洒落ている
やりすぎだろ?

ホテルで2時間仮眠。
午後4時に散歩でお茶に出る。クラークキーは雰囲気のいいテラスのレストランには事欠かない。
甘いものが無性に食べたくなって、アイスチョコレートを注文。
ヤンピンさんが体調不良で途中でホテルへ引き返す。どうやらこの頃からかなり具合が悪かったのを我慢していたらしいのだが、あまり表に出さない人なので僕ら二人は事態の深刻さに気が付いてなかった。
二人でインド寺院をみて、ポートキャニングパークを散策、セントラルショッピングモールなどをブラブラ。シンガポールのショッピング街のパターンがだいたい判ってきた。
インド寺院
川沿いの雰囲気のいいボートキー

夕食には、シンガポール料理のハイライトとも言える、豪奢なペッパークラブを食べにタクシーでノーサインボードシーフード(レストラン)@ゲイラン地区へ。この付近、いわゆる歌舞伎町のような存在だろうか。怪しい光を放ったお店が軒を連ねている。
ヤンピンさんの体調不良がMaxに達していたようだ。ほとんど何も箸をつけられず、一足早く空港へ行って休むことになった。察せずにむりくり誘ってすみませんでした。残った二人で山盛りのカニを食べ尽くす。んー、贅沢すぎる。持ち帰って後で食べたいくらい。
腹を満たした後は、「社会勉強」ってことで公認売春センターをちょっと覗く。ビキニを着た派手なタイ人おねいさんがズラリと並んでいて、「お兄さんどうですかぁ」と誘ってくる。緊張してマトモに目を合わせられなかった。オカマが混じっていても気がつかないかもな〜。
有名なカクテル、シンガポールスリングを味わうためにラッフルズホテルまでタクる。ここの「ロングバー」がカクテル発祥地とのこと。20ドルくらい、冷静に考えるとエラい高いね。バーなんて人生のなかで殆どお世話になったことが無いので面白かったよ。
死にそうな人と、おかしくなった人
カニソ〜〜〜〜ス
シンガポールスリング

ちょっと遠いけど歩いて帰る。シンガポールはブラブラ歩いていても退屈しないな。セブン−イレブンでアイスを買い、キリオ君の部屋で食って解散。マラソンの旅というより、すっかりグルメマラソンの旅だ。

12月7日(月)晴れ
何もかも終わったレース翌日は晴れ晴れしく目覚める。なかなか豪華なホテルの朝食を楽しんだ。
歩いてチャイナタウンへ。初日のバクテーを食べたときに出たお茶(小月甘)が気に入っていたので、お土産にぜひ買っていこうと、お茶屋産さんをいろいろ見て回るが見つからず、殆どの店で「見たこともない」と言われてちょっと意外だった。
レース中まちがえて食べたDr.Joint painを薬局で探すも、これまた見つからず。実はチャイナタウンで中華製品以外のプロダクトを探すことが愚行だったようだ。
タクってカトンへ向かう。目当ては名物カトンラクサ。安さ、手軽さ、食べやすさなどが特徴。派手さはないけどシンガポール名物のなかで一番気に入ったかもしれない。コーラと一緒に食べる元祖ファストフードって感じだ。それはそうと、これはわざわざカトンに来ないと食べられないのかな? 観光立国として、国がきちんと厳しく規制しているのかなあ。この国は何もかも綺麗で破綻がないが、国の力は相当強いらしい。
近代化しているチャイナタウン入口
カトンの街並み
ココナッツベースのラクサ

海岸まで歩き、ランコースだったイーストコーストパークを散策。ゆったりとした時間の流れを味わった。
続いて、大きな繁華街であるオーチャード通りでこの国の贅を感じて回り、リトルインディアに寄ってお土産を買うなどしたあと、夕食はキリオ君の職場の友人とペーパーチキンを食べに行く。この国は色んな食文化が入り混じっていて、国の規模の割にはオリジナル料理と呼べるものが多岐に渡っている。お土産はかなり少ないけどね。
建築家のしたい放題
リトルインディア
絵になる八百屋さん
凝った空港内部

空港で偶然、このレースのハーフの部に出ていた中山竹道氏に遭遇、ミーハー精神を発揮して写真を撮ってもらった。最後にいい記念になったよ。
帰路はオール2階建てのエアバスA380に乗る。キリオ君に懇願して隣の席に来てもらうことにしたので機内では緊張せずに済んだ。幾分静かだった気がするが2階建てとしてとくに変わった点は見出せず、ディズニーの「Up!」を見ながら成田へ帰ってきた。

また参加したいなあ。