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第6回銚子マリーナ国際トライアスロン参戦日誌
今年は銚子の隣町の旭市にホームステイのような落ち着ける宿を見つけて前泊した。お陰でゆとりある朝を過ごし、6時10分ごろ銚子マリーナ着。昨日までぐずついた天候が続いたので駐車場は所々水溜りになっている。いやいや、今日だけぽっかりと奇跡的に晴れてくれただけでも感謝せねばなるまい。2009/10/4 オリンピックディスタンス 程なくして、毎度の仲間たち、Tさん、JYUさんが到着、長い不調から抜け出せないマキさんとはスタート直前に合流できて、4名が集まったのはジャパン以来。応援に来てくれたかおりさんも加わって、いつになく大所帯?となったぞ。 駐車場で僕に声をかけてくれる人がいた。薄情にも一瞬誰だったか思い出せなかった。3年前も来ていたT橋さんだ。懐かしい人に出会った。当時T橋さんとは佐渡などでライバルとして競い、もっとも気にかける選手の一人だったが、ここ銚子で完璧に後塵を拝していたのだった。その後子育てなどで暫らくトライアスロンから離れていたらしい。今回はまさにあのとき以来のトラ参戦だそうで、一緒に来ていた奥さんのお腹にはすでに第三子が宿っていて、今日が終われば再び当分お預けだという。だが彼の練習熱心さは驚くべきものがあり、ブランクがあったとは言え、このレースにキッチリ照準を合わせてきているはず。また大差をつけて破られるのは想像に難くない。偉ぶって大口叩くのはやめておこう(どっちにしても止めておくべきだが)。 ![]() Photo by kaori san 参加者は今年初めて500人を大きく越えて過去最高。今回も女性は第1ウェーブに組み込まれた。他は年齢順に第3ウェーブまで分けられ、去年同様僕とTさんは第2、JYUさんが第3ウェーブスタート。MIGHTYのヒデさんも交えて歓談しながら和やかにスタートを待つ。第1ウェーブが8時半にスタートし、僕はスタートラインの右寄りに構えた。空いていたからであって意味は無い。 8:33 a.m. 第2ウェーブスタート 50mくらいはラッセル作業。息が上がるので全力で行かない。頃合を見て飛び込むと、聞いていた通り海水は砂を巻き上げて透明度がゼロになっている。前回の珠洲が綺麗な海だったので、水中で選手を確認できないことの不便さを痛感する。引っ張ってくれそうな、自分より少しだけ速い選手を見つけられない。他力本願ではダメだ。 ほぼバトルは無く第1コーナーを回る。海面が大きくうねっていて、アップダウンがあるように見えて面白い。顔を上げるタイミングによっては第2コーナーが良く見える。第2ウェーブグループの前寄りに位置しているのではないかと楽観的に考えていたが、後で思えばどうやらそうでもなかったようだ。 ![]() 1周目を終えてタイムを見ると11分台。んー、及第点かな。 2周目のラッセル作業で、MCの白戸太朗氏が、ここで走らないほうがいいみたいなことを言っている(ように聞こえた)のでなぜだろうと考えつつ、走る。 結局いいターゲットを見つけられず、たまに自分も左に大きくコースアウトしたりして、いまひとつな泳ぎで2周目終了。 トランジットへ走る途中キャップとゴーグルそれぞれ落として二度引き返したり、自分のバイクラックのレーンを間違えたり、ウェットを脱ぐのに手こずるなど、思いつくミスを全部やっちまったって感じ。ショートの迅速さの認識が足りてなかった。 swim 0:23:07(40位 トップ差 4:06) トップ差が去年より大きい。スイムは比較的調子がいいと思っていたが40位はかなり悪い。 1周目は11:17で2周目も実質10秒遅れ程度。 スイムアップしてからバイクスタートまで推定2:20 8:58 a.m. バイクスタート 6回目にして初めてバイクコースが大きく変更された。銚子ドーバーライン(元銚子有料道路)の折り返しポイントが少し手前になると共に、次周回への折り返しは従来のインターチェンジの立体交差ではなく、スタートラインまで戻ってくることになった。ドーバーライン上のアップダウンが一つ分減ることにはなったが、スタート位置からドーバーラインまでも緩やかに上るので、トータルでの獲得標高はさほど減ってはいないだろう。 ![]() 折り返すとそこは、向かい風だった。上りが調子いいなーと思っていたら単に追い風だったか。復路2番目の坂がきつくて長く、向かい風もあり、今回のバイクコースのハイライトと言っていいだろう。上りきったあとの平坦を、そのスローダウンしたスピードのままで行かないよう、集中してスピードを上げる。 ICを降り、4人のドラヲ集団を交わした後、直角コーナーを3つ過ぎてスタート位置に戻ってくる。ややテクニカルである上に、ゴール近くで気が緩むのか、必要以上にスローダウンする選手が多く、混雑してスピードが上げられない。ここでリサ・ステッグマイヤーをパス。彼女はスイムレベルが僕とほぼ同じだろうから、第1ウェーブとの3分差をバイク区間10kmで縮めたことになるだろう(後でリザルトを見たらスイムは40秒近く負けてた)。 などと考えながらパスして、2周目に入る折り返しコーンに近づいてみると、そこで問題点に気づいた。 この折り返しポイントは、バイクスタート選手との合流ポイントでもあったのだ。道幅は狭く、合流レーンもなくいきなり合流するので、向かいからちょうどスタートしたばかりの選手をまず見送るためにスローダウンせざるを得なくなった。どう考えてもコース設計に欠陥ありだ。 ところがうしろから「止まらないで!止まらないで!!」と殆ど罵声のようにリサに怒鳴られて、カチーんと来た。赤信号を行けと言っているようなものだ。 ヘアピンのインをついて危険な追い越しをしていった彼女の横について思わず、「来る選手がいたんだ、状況把握できるだろ?」と怒鳴り返す。いくらゲーノウ人だろうと、どこでも言い分がまかり通ると思うなよ、との気持ちが言葉に出たことは否定しなくもないが。すると、「すぐ後ろにいたので(見えなかった)・・・」とややトーンダウンした返事。ま、状況的に彼女の怒りも判らんではないが(問題なのはコース設計)、ロードレースじゃあるまいし、前も見えないほどぴったり着くのはトライアスロンでは禁止。 気を取り直して2周目に入る。 一つだけ携行したボトルの中身はクエン酸5g+アミノ酸1.5g+MDをスプーン山盛という、僕としては珍しくスペシャルなドリンク。かなり濃厚っぽいイメージだけど味は意外とそうでもない。これを40kmの間で飲み干せばちょうどいいだろう。 折り返し手前ののぼりで、MIGHTYのヒデさんが下車している。脚が攣ったようだが、大丈夫? マキさんとすれ違う。おや、今日は物ジャーですか。しかも袖なし物ジャー! いつ買ったの? 後で聞いたら通常の袖ありジャージを潰して自作したらしい。へぇー! 普通の袖ありのほうが出番が多そうだけどね。 ![]() JYUさんともすれ違い、遅い集団をダンシングでゴボウ抜きしている。練習不足とは思えないアクチブな走りを覗わせる。 3周目に入る。コースも大分覚えてきて、ペース配分が作られてくる。まだ誰にも追い越されていないが、自分より速い人は最初から既に先行しているということだろう。 また、追い越す選手との速度差は大きい。この大会は本格的コースの割に、ビギナー参加者の割合が高い印象(と、同じことを去年のレポートでも書いてた)。DHバーがついてない人も多いが、20年前のヘルメットを未だ使っていたり、ペダルがトゥクリップでしかも足をはめないで走っている選手もいる(ビギナーとはちょっと違うな)。いずれにせよ、結構危なっかしい。 折り返し近くの、くぼ地の平坦区間は最も飛ばせるところ。対向車線で何かあったらしく、マーシャルが笛を吹いて注意喚起している。近づいてみると、JYUさんがバイクを降りて道端に佇んでいるではないか。落車かなにかだろうか。最高速が出るこのポイントでの落車はダメージも大きいはずだが、折り返して現地に戻ってきてみると、既にJYUさんの姿はなかった。再スタートを切れたのだから大したトラブルではないだろう、とその時はホッとしていたが、実は鎖骨骨折の重傷だった。JYUさんから見て反対車線の上り区間でどうやら自爆落車した選手がいて、そのバイクだけが反対車線に滑って飛び出してきて(なぜそんなことが起きるんだ?)、ちょうど下りでスピードに乗っていたJYUさんの目の前に突如現れ避けきれずに乗り上げたらしい。JYUさんは全身で転がるように落車し、バイクはガードレールの下を潜って道路の外まですっ飛んでいったらしく、鎖骨骨折で済んだのはむしろ奇跡的だったかもしれない。JYUさんは軽トラに乗って本部まで移動して、その後救急車で(銚子ではなく)旭市の病院へ運ばれていった。 僕はゴールするまでそうとは判っていなかった。 たしか、4周目に入った直後の上りでマキさんをパスしたんだっけな。絶不調と言っていたけどバイクはいい感じで踏めているように見える。折り返し近くでずっと休んでいたMightyのヒデさんが、バイクを押して坂を上り始めたのが見えた。ようやく痙攣が治まってきたのかな? しかし残念ながらタイムアウトしたようだ。 4周を終えてバイクフィニッシュ。ここでも一つ問題を感じた。バイク停止位置とUターン折り返しの位置が同じなのだ。Uの字に折り返すバイクと、直線で入って下車するバイクのそれとはスピードやレーンコントロールがやはり異なる。危なくぶつかりそうになって、こけるところだった。この辺りはぜひとも改善して欲しい部分。Uターンではなくワンウェイに路地を回るコース取りも十分可能なはずだ。そもそもUターンコースがすでに危険度が高い。ここでこけている選手は恐らくかなり多いだろう。 バイクラックで再び自分のラック位置を見失って、係りの人に一緒に探してもらう羽目に。記憶となる目印が必要だなと思った。 bike前後トランジット含む 1:11:08(16位 バイクトップ差 5:14) HRave/max=146/159bpm 獲得高度400m 去年と見比べるとバイクラップはトップとの差があまりに大きい。トランジッションでのロスも大きいだろう。 10:07 a.m. ランスタート 昨今のラン練習量ではとても高記録は期待できない。賢く走らねば。 先日織田フィールドでキロ4分のペースを掴んだつもり。限界で飛ばして後半バテるのではなく、キロ4分を正確に刻んで40分をギリギリ切ることを目標とする。 頻繁に設計変更されるランコースは、今年もまたまた変更され、千葉科学大学の構内と外側をこぢんまりと4周するコースに。海沿いの気持ちのいいマリーナエリアはカットされ、この大会に「マリーナ」の名を冠することにぎこちなさを覚えるようになった。 スタート後ドーバーライン方面へ緩やかに上っていくところは従来と同じ。ここを上る回数が4回へと増えたのが多少厳しくなった点だろうか。 第1ウェーブの若い選手が坂の下りで追い越していく。いいターゲットだ、じわじわと後を追う。 アキレス腱炎の痛みが今回唯一の不安要素ではあるが、シューズ選択は安全パイのBostonではなくスピード重視で初代LTを履いてきた。かかとの低さがどう影響するか未知数だったが、幸い最初の数分で腱炎の痛みはすっかり消えてくれた。でもこの後また新たに何か問題が発生しないとも限らないので、脚運びには瞬間的に大きな加重がかからないよう特に気を配る。去年のような肉離れの不安が全く無いとは言えないし。 折り返し箇所が幾つかあり、前や後ろとの差を確認しやすいコースになっている。先行する女性を一人見つけた。追いつけそうな距離を保っている。MCによれば女子トップのようだ。 エイドでは水をかぶり、少し飲んだ。1周する間にエイドは2ヶ所あり、単純計算で1.25km毎にあるのだが、心理的には全てに立寄らないと耐えられない。陽がかなり強く照って結構暑いのだ。 ![]() 3周目の終わり近くになって、第1ウェーブのひとりの選手にかなりの速度差で抜かされた。むむー、あのスピードには当然ついていけないが、この時点でまだ3分差ある。だが、ラスト周回でその3分さえも一気に縮まりそうだ、などと考えていたら、彼は4周目に入らずにそのままゴールへと向かっていった。つまり周回遅れにされていたのだ。 だよな〜。 ラスト周回は限界レベルまで持っていこうと意気込んだが、さてどの程度スピードアップを果せていただろうか。これで今年のトライアスロンシーズンも走り納め。悔いのないように全てを出し尽くせ、と言い聞かせて走る。先行する女子トップには徐々にその差を縮めてはいるのだが未だ追いつけていない。 遠方に赤いウェアのTさん(2周差)が見えた。これは追いつくべし、と思って頑張る。もう残すところほとんどラストスパートと言っていい距離だ。大学の門の折り返しでやっと追いつくと、「前に松本さんいるよ」との返事が。何を他人事のように言ってんだー!と心で突っ込みつつ、そっかあ、今までターゲットにしていた女性は松本さんだったか、早く気付けばよかった、などと思ったところで時既に遅し、目の前がゴールだ。かおりさんに声援を受けながら、ラスト100mを全力疾走。しまった、これだけのゴールスプリントが出来るパワーを残していたってことは、楽に走ってしまった可能性がある、と罪悪感が脳裏を掠めつつ、フィニッシュテープを切った。 ランの心拍とEPOCグラフ
![]() run 40:56(20位 ラントップ差 4:40) HRave/max=156/164bpm total 2:15:11(13位/524人出走 トップ差 10:58) スイム以外のHRave/max=150/164bpm 1452kcal 蓋を開けてみたら、キロ4分からはほど遠いペースで走っていた。かなりショックだ。 だが、過去の例を見るとラン平均156bpmは決して低い値ではなく、そこそこ追い込めたと言える。しかも徐々に負荷を上げており、EPOCカーブは綺麗な直線で上昇し、ゴール時が最も高かった(380ml/kg)。ただ、それがベストなペース配分なのかは判らない。やはり、ラストスパートの感覚から見れば、力を余らせてしまったかなと若干悔やまれる。まあでも40分はどうやっても切れなかったかもしれない。 ゴール後、T橋さんが出迎えてくれた。予想はしていたがやはりT橋さんに負けてしまったなあ、などと思いつつそこでゼッケン番号を見て気がついた。3周目で周回ラップされた選手がT橋さんでしたか! むむーあまりに速くて気が付かなかった。3種目とも完璧に負けていて、まさに僕の目標の延長線上にいる人だ。それゆえ、再び休止期間に入ってしまうのはまことに残念。 やがて、Tさん・マキさんがゴール。お二人とも最近までずっと深刻な故障に悩まされていたようだが、無事いい感じでゴールできましたね? しかしながら、JYUさんがやはり見当たらない。ランで一向にすれ違わないのでリタイヤは予想していたが、ゴール近くで笑顔で苦笑いとともに現れるシーンを想像していたので、救急車ですでに運ばれた後と聞いてショックだった。 総合13位と、目標順位には届かなかったが運良く僕の年代で上位が一人しかいなかったので年代別2位となる。マキさんも2位だった。調子悪いと言ってた割には、ちゃんと結果を残しますね。 ![]() Photo by kaori san また、同じ距離を走るのでエリートとの差がよく判る(条件が若干異なるが)。毎年最年長参加で人気の中込選手、やっぱり速いんだなーと改めて認識。 今年はツミレ汁のほかに、500円払って特製ナントカ汁ってのも食べたよ。無料のツミレ汁の影響で、他が売れ残っていて可哀相だった。銚子市街で食べ物に悩むよりも、ここの出店を利用するのは悪くないんじゃないかと思う。 旭市の人口には不釣合いに思える巨大な総合病院に行くと、JYUさんがまだレースウェアを着たままの寒々しい格好で待合所に立っていた。帰ってから近場の病院で手術を行うというから、つまりまだ何もしてない。レースという特殊な状況にあった患者さんをこんなふうに長時間ほったらかしておくなんて、あまり手厚い看護とは言えないな。 多古の道の駅の物産コーナーで買い物をして近くの中華で夕食。応援のかおりさん、長い一日ありがとう。それにしても食べ過ぎたー。 RESULT
Total 2:15:11 (Place 13/524) Swim 23:07 (40) Bike 1:11:08 (16) Run 40:56 (20) |
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