第20回珠洲トライアスロン参戦日誌
2009/8/23
タイプA (S2.5+B100.2+R23.3)

8月21日(金)
今年の珠洲はクルマアクセスを選択してみる。
9時半に自宅を出発、首都高や外環道の渋滞を抜けるのに手こずったが、以降は快適。時折土砂降りに見舞われつつも、順調に富山まで。最短で珠洲を目指すため小杉ICで降りて高岡・氷見・七尾と走る、これが結果的には失敗だったかもしれない。特別渋滞しているわけではないが、流れは悪く平均速度は自転車並。途中で能登有料道路に回避したら、比較にならないほど快適だった。
珠洲の小泊荘には午後6時45分頃に到着。小休憩含め9時間以上、目論見をややオーバーした。能登半島をきちんと予習してなかったことは悔やまれる。新潟経由で北陸道は下道だった15年前と比べると、遙かにマシになったんだけどね。
金曜泊は僕とあと二人だけだった。いずれも関東からのタイプA参加者で、単独参加選手と話をするのは楽しい。少し前までずっと僕もそのスタイルだったから不安と期待の交錯する気持ちがよく判る。
すぐに眠気がきた。寒いくらい涼しい。
考えてみたら、この日は珠洲ですることがないのでここに泊まる必要がなかった。というか今回の事情では特に泊まるべきではなく、折角だから七尾あたりでもよかった。

8月22日(土)
のんびり朝食をとり、自転車を組み立てて整備点検した後、今回応援として来てくれるかおりさんを迎えに能登空港へ向かう。快適な一本道で、片道45kmもあるようには思えない。能登半島は距離感が狂う。25℃程度のさわやかな気候と雄大な能登の景色に昨日の疲れもすっかり吹っ飛んだ。能登半島に降り立ったかおりさん、無意識に「珠洲しいね〜」を連発している。
地元民で賑わう食堂でいしるラーメンとタコロッケ(名物蛸入りコロッケ)を食べたあと、珠洲市内のパン屋「シャンボール」に寄った。ここは結構人気のパン屋さんのようだ。まじめなバケットから創作系パンまでお手ごろ価格ながらどれも魅力的。パンづくりはセンスが重要だ。

選手受付会場で、成田のTさん・神戸のDAiさんご一行様と合流する。Tさんが去年紹介してくれた愉快なDAiさん仲間と会う楽しみは、この大会参加の大きな目的の一つとなっている。DAiさんは去年よりも顔が引き締まっている印象だ。県代表選手にも選ばれるなど追い込みもバッチリと噂のOH田さんは、このお盆休みだけでバイクを1000km走ったらしい。なぬー。温厚そうな人柄からは想像しづらい、熱い闘魂を秘めた人だが、それってちょっとやりすぎと違いますか?

夕方、スイム会場に行ってみる。気持ちよさそうなベタ凪に、陽は沈みかけているというのに思わずDAiさん、かおりさん、そして僕がダイーヴ!! かおりさんは先刻出店で買ったばかりの水着を早速着用。僕のスリップストリームに入り込み、時折足の裏をぺろんと撫でるとは挑戦的な。思ったより暖かく、見た目通り気持ちよく泳げた。

この人は誰だか知りません。

20回記念大会であること、リレーの部の新設などにより、参加者が1000人を越えて宿が早々にどこも埋まってしまった。ようやく確保できたここ小泊荘は、昨日とはうって変わってかなりの数の選手が泊まっていた。食事はお世辞にも褒められたものではなく、珠洲の印象を落とす大きな要因にならないか心配してしまう。それに至る所散らかっていて、宿という印象ではない。特に僕はトイレの構造が信じられない!と感じたが、部屋の中はすっきりとして快適だったのでオッケー。
ゼッケンを縫いつけるなどして、夜10時に遅目の就寝。あまり緊張感がない。

8月23日(レース当日)
4時起床、相変わらず緊張感もなく朝食をとり、5時にはスタート会場へ入った。今回補給食をほとんど用意してこなかったことに今更ながら気づく。パワージェルの一つくらいはあってもよかったな。大抵は参加賞のなかに入っていたりするんだけど。
今回新たなエネルギー補給として、100% オレンジジュースにMD(マルトデキストリン)をたっぷり溶かし込みスペシャルボトルを作成。700kcalくらいにはなっただろう。MDを添加しても味はほとんど変わらないのがいい。あくまで個人的印象だけど、カーボしょっつるはウェッとくるような不味さを感じる。あれは何の成分が原因なのかな?
ベースをオレンジジュースにしたのは、普段の練習で常用していること、極限の状況でも飲むのが億劫にならないこと(結構重要)、それに、オレンジ固有のアミノ酸が筋肉疲労回復に役立つという話をどこかで聞いたため。エネルギー補給はこれ一本で行くことにした。ほかに選択肢はないし。

海は少し波が立っている。アナウンスによれば、1分あたり15mの潮の流れがあるという。去年とは反対で、往路が追い潮、復路がその逆となるらしい。去年ほどではないにせよ、15mというと結構な流れだ。理屈的にはスタート位置は左端がいいだろう。
ウェーブスタートは全5組。最後は20分のズレとなり、完走ぎりぎりの人にとっては死活問題だろう。あるいはどのグループだろうと制限タイムは同じなのかな? その辺は不勉強。第1ウェーブ100名が7:00にスタートする。

7:00 a.m. 第1ウェーブスタート
ほぼバトルは回避でき、スムーズに泳ぎ始めた。ここはスイムを得意とする選手が集まっている。グイグイ先行する選手を視野の隅に捕らえつつ、あまり自信がないのでマイペースを心がける。
潮の流れはほとんど判らず、波の高さのほうが断然気になる。波の影響が少ない追い潮でこの程度なら、復路は大変かもしれないなと思う。500mのブイを見かけたので時計を見ると7分45秒、海でこのタイムはそこそこだがやはり追い潮条件なのでガッカリだ。
先週の事故による打ち身や擦過傷の影響は幸いにもほぼ感じられないが、保護のために選んだフルウェットスーツは若干暑い。発表された水温は25℃、明らかに袖なしのほうが向いているだろう。
波はあっても海中は穏やかでよく見渡せる。ぐっと深くなる海中には水色の小魚の群がユルユル漂う平和な世界が広がっており、不器用に波と格闘している僕らとは好対照だ、などとぼんやり考える。

折り返すと選手たちは今来たコースロープの左隣に沿って進まず、浜の方向に斜めに泳いでいく。あれ? 今年からコース設定が変わり、往路と復路の間に分離帯が設けられたのか? と勘ぐるほど明確な意志を持って進むので信じて着いていくが、単に左端のコースロープ際に吸い寄せられただけだった。折り返したらコースの右端を泳ぐ、というセオリーを今年もトレースできなかった。
だが、同時に波がおだやかになって泳ぎやすくなった。もしかするとこれは、浜に近いほうが波が穏やかなのかもしれない。向かい潮のはずだが相変わらず実感はない。15m/minという発表に偽りありという印象だ。
支給されたスイムキャップは従来のゴム製からメッシュタイプに変わっており、耳はまったく覆い隠せない形状をしている。自在に水が入るためか、2000mをすぎた頃からブレス側の耳の中が痛くなってきた。大丈夫か。
復路はしばらく同じペースの人にコバンザメしていたが、この楽な状況は打破せねばと思い立ち、20mほど先に見える別の集団を追う。500mくらいかけてようやく追いついたその小集団には女性も含まれていた(今回の女子1位)。最後のコーナーを曲がり、彼女と競うように浜を目指す。かおりさんにはスイムアップ42分程度と宣言していたが、その通りのタイムがでそうな予感があったので嬉しかった。

スイム 0:42:02(23位) スイムラップトップ差 5:22
スイムは唯一去年よりも順位を上げた。でもまだまだ目標よりは遅い。


7:44 a.m. バイクスタート
第3ウェーブ組だった去年はバイクで追い越す展開が続いたが、今回はスイムも比較的早めにクリアしたので追われる身の不安を味わう。バイクスタートして早速二、三人に追い越されるが、スピードがかなり違うのでトップグループだろう。
しばらく追い風が続く、ということは去年とほぼ同じ風向きであり、僕の見方ではこれは好タイムへと繋がる。だが追い風の割に40Km/h以下であり、どことなくキレが無い。
バイクで唯一の問題は右肘の大きな擦過傷とDHバーの肘パッドとの関係だ。簡単に言うと肘を付く格好は痛い。傷口が僅かにパット面に重なるため少し引き気味に乗せなければならない。DHポジションは戦闘的になるほど前乗りになり体重を預けることになる。それが難しい。
擦過傷だけでなく打撲痕が広範囲に及ぶので、路面からの突き上げが痛い。路面状況を見ながら適宜右肘を浮かせて衝撃を回避する必要がある。舗装状態のいい道にくるととてもホッとする。特に集落のある海岸沿いは風化して荒れたコンクリート路面が結構多い。

珠洲のバイクコースは1周50km、その間に小中大3つの峠がある。第1の峠に入った。標高差50mをクリアするだけなのだが、妙に辛く感じる。ギアは早くも25Tに入れた。このごろ上りの練習から遠ざかっていたので坂に対する耐性が落ちていることをすでに痛感していた。
完全無欠のドラえもん二両編成列車がパスしていく。いずれもゼッケンは10番台と若く、おそらく常連と思われる彼らのこうした行為は、珠洲に対する冒涜だと思う。15分くらいはずっと視界の範囲内にいたが、やがて先行者を吸収して3人構成で回していく。マーシャルが時々通過していくが指摘しているだろうか?
二つ目の峠を越えるあたりが地形的に最も迫力がある。選手は2回見ることになるこの絶景を、唯一かおりさんは見ることができないのは申し訳ないなと思う。特に今年は海が美しい。
三つ目の峠、大谷峠に入った。ここの最大勾配は確か峠の終わり近くに訪れると記憶していたが、上りはじめが早速辛い。去年こんなに辛かったかなあ。記憶にある真っ直ぐな広い道も全然出てこないので、今年からコースが変わったんだろうと完全に思っていた頃にその道が現れた。まだここかよ〜。峠道の旧道に入ってからが大谷峠のハイライト。ようやくコースを思い出した。頂上手前でカップルによる唯一の応援があった。ありがたい。

下りを気持ちよく飛ばし、市街地に戻ってきた頃に二人の選手にパスされる。一人は#4のゼッケンが示すとおり俊足であっという間に消えたが、もう一人が微妙な速度なので20mほどの短い間隔で集中してついていくことにした。
1周目を終えてみると1時間35分程度、後半のタレを考えると去年のバイクタイムを下回りそうだ。上りも平地も感触としては今一つなので、これでも妥当なペースを刻んでいると言えるだろう。
2周目に入りしばらくすると、目標対象の彼のスピードが僅かながら落ちてきた感があったが、そもそもは追い越された相手であり、しばらくは様子見。だが、向かい風区間に入る手前で彼が極端にスローダウンしたのでパス。ひょっとすると僕を風避けにしたいのかと思ったがあっという間に後方に消えてしまった。

明らかに1周目より風が強くなっていた。早朝TVで見た天気予報が示した通りの展開だ。2つ目の峠からの飛ばせる下りで強烈な向かい風に煽られて自転車丸ごとすっ飛ばされそうになる。うへー、これは明らかに1周目とは違う風が吹いている。そこから大谷峠入り口まではひどい向かい風に泣かされた。早く峠よ来てくれ!と祈りたい気分。1周目の悪質ドラヲの片割れがタレて降ってきた。欲張って速い人に付き、オーバーペースで果てるドラヲは結構多い。意志も弱いがアタマも弱い。
念願の大谷峠へと入ると、やっぱり辛いものは辛い。坂の序盤で早々に諦めたのか、回収車に乗りこむ人もいる。ここで押しが入る人がいる、という事実をこれまでは単なる甘えだと思っていたが、それもアリだな、という気分になっていた。
Suuntoログによれば大谷峠のクリアタイムは意外にも2周ほぼ同じタイムだった。

下りは休みたかったが、去年のタイムをオーバーすることが見えていたので積極的にペダルを回していく。スペシャルドリンクも水ボトルもちょうど飲み干して、ラスト10kmでのどが渇いてきたが、45km/h以上で快調に飛ばしているさなかにエイドがあってもわざわざスローダウンして立ち寄る気になどなるはずがない。選手の密度が濃くなるとかなり危険だし、もうちょっと設置場所を考えてほしい。
あー喉がひっからびてきたなー、と思いつつバイクフィニッシュ。少々緊張感に欠けていたか、シューズを乗車中に脱ぐことを怠り、トランジットゾーンの長い距離をバイクシューズで走る羽目になった。大失敗。

バイク(2つのトランジットタイム含む)3:14:04(13位) バイクラップトップ差 13:01
HRave/max=138/158bpm 1823kcal Epocピーク149ml/kg(第1大谷峠頂上)
今年は2時間台で走る突出して速い選手が居なかった。



10:57 a.m. ランスタート
アミノバリュー顆粒を3袋持ち、バンダナをして走り出す。かおりさんに7位らしいと告げられた。思ったより上位だが、これは見かけ上の順位であり後発ウェーブ組上位がどこを走っているかは未知数。荷物を背負ったかおりさんと少しだけ併走するがすぐに一人になる。バンダナはあまり意味がないと感じてすぐに取る。
身体の動きは去年のランスタートよりずっといい。これは期待がもてると思った。だがバイク終盤から水分補給がお預けとなっていて、喉が干からびている。普段あるはずのスタート位置のエイドは休業中。み、みず〜と思いながら最初のエイドへたどり着く。

しばらくは息が上がってしんどかったが、予想通り3kmほどで安定してきた。最初の距離表示は4km、17分42秒と出た。体感速度より速い。いい感じではないか。集中すればさらなるペースアップもできるかもしれない。
気温は低めのはずだが日差しが強いせいか、エイドではまずスポンジを貰い十分身体を冷やさずにはいられない。そしてコップを一つ取ったところでエイドの持ちタイム終了!まだスイカやらオレンジ、梅干しなど取りたいものがたくさんあるのだが、自分自身に追い立てられて再スタートを切る。エイドがもう少し縦に長くゆとりをもって設営されていると助かるのだが、まあ贅沢な悩みというべきだろう。
珠洲のランコースは比較的真っ直ぐ。だが見渡す限り先行ランナーを視界に捕らえることはできない。どうやら後ろも暫く誰もいないようだ。追うことも追われることもない状況、よもすると集中力が途絶えそうだが、今の安定した走りを続けている限りいいタイムは出せる、焦らず進め、と言い聞かせる。「トップと15分差」と声がかかる。

途中2km毎に距離表示があり、ラップを確認するが最初の4kmほど良くはない。あれ? ペースが落ちている自覚はないが。競技説明会で、「距離表示はあくまで目安」と言ってたっけな。きっと実際より長いんだろう。
などと、都合の良い方に解釈していた。実は、このあたりからじわじわとペースダウンは始まっていたのかもしれないし、最初の4kmがそもそも極端に短かった可能性もある。要は、思っていたほど速くは走れていないということだが、なかなかそれを認めたがらなかった。

見附島が見渡せる軽い丘を越えるところで、折り返してきたトップとすれ違った。2番手、3番手と続く。僕が本当に7番手だとすると、6番手の選手とは1km以上離れていることを知る。12kmを過ぎ、やがて去年泊まった田崎荘の前を通過。ここまでがずっと向かい風なので、折り返しポイントが待ち遠しかった。
実際、折り返してみると気持ち的にもかなり楽になった。
ここからは追い上げてくる選手をチェックする。本当は気にしたくないんだけど、閑散としていてほかに目立った動きもないからどうしても見てしまう。そしていきなりガックリ来る二人の選手に遭遇する。二人ともゼッケンが200番台、すなわち第3ウェーブの選手たちだ。僕との差は恐らく10分以下だから一気に順位を二つ落としたことになる。このうちの一人が実はOH田さんだったことに最後まで気づかなかった。彼らから10分以上の差をつけて逃げるか、さらに縮められるか、それはこれからの自分にかかっている。
やがて#3の選手とすれ違う。スイムが苦手な人なので途中までは先行することは分かっていたが、昨年2位だった選手にこの時点でまだ差が充分あることに驚いた。何かアクシデントだろうか。当然ランは彼の方が速いが、残り11kmでさすがにこれだけの差を詰められることはないだろう。僕も今日は去年よりは速く走れそうなのだから。
それがとんだ間違いだったことに、いまだ気づいていなかった。

折り返し後しばらくは、追い風に乗って順風満帆、といった感があったのは確かだ。EPOCも最大心拍もこのあたりでピークとなっている。それがいつしかしんどくなっていた。暑さがますます堪えるようになり、次のエイドまで無事乗り切れるかどうか自信がなくなってきた。珠洲のエイドは佐渡と比べると十分な数があるが、15km前後だっただろうか、エイド間がやや長めなところがあり(単にそう感じただけで、実際は長くなかったのかもしれない)、ここで一気にタレてしまった。
向かいからDAiさんがやってきた。どことなくスターのオーラを感じるDAiさんはすぐ分かる。辛さを全く感じさせない満面の笑みを浮かべて走ってくるので、こっちも思わずつられて正面欣ちゃん走り(つまり両手を左右に振るだけ)をしないわけにはいかない。DAiさんのすぐ前の選手が笑いをこらえている。ハイタッチして鼓舞しあう。がんばんべえ!

ゴールまであと6kmの看板を過ぎた直後、沿道から「あと4km」と言われる。すかさず「違う!あと6km」と怒鳴り返す。去年も多くの選手を落胆させたお騒がせマン。間違いなく確信犯である彼の真の狙いはいったいどこにあるのだろうか?
Tさんともすれ違い、Ironmanで痛めた膝は幸い快調のようだ。ほかに特別ゲストのヒロミとすれ違う。ラン10kmだけの参加のようだ。後で聞いたが、行列のできる菊地弁護士も一般参加していたらしい(って誰だか知らないけど)。
僕の方はますますヘロヘロになり、一時はキロ6分まで落ちる。そんな頃、後ろから励ましの声をかけられた。追いつかれまい、と高をくくっていた#3の選手だった。かなりの速度差をもって追い越していく。追いつかれて当然だった。「速いですね」とお愛想を返すのがやっとだった。
そんな僕も意外なことに一人追い越すことになった。#22の選手は後のリザルトによればバイクフィニッシュまでダントツトップだった。ここまでレベルの高い人が、オーバーペースという初歩的ミスをするのは考えにくい。想定外の何かが彼を襲ったのだろう。

ようやく、長い一本道を左折する時が来た。あと数百メートルでゴールだ。歩道でかおりさんが待ちかまえていた。一緒にゴールまで行こう! 同伴ゴールとするにはややフライング気味に二人手をつないで走る。ひょっとするとこれは幇助と見なされるのか? と思ったが、まあカタいことは言わないで下さい。紹介のアナウンスを聞きながら野球場に入った。こうしてゴールを迎えることを、長い競技人生のなかで他人事として眺めるだけだったが、自分がその立場になるとはまさしく感無量。ゴールテープまでほんの一瞬だけど、僕にとってはとてつもなく大きなラインを跨いだことを実感しつつ、フィニッシュ。

ラン 1:51:04(25位) キロペース4分46秒 ランラップトップ差 13:15 ランスタート時スプリットは11位
HRave/max=150/158bpm 1370kcal Epocピーク=267ml/kg(約16km地点)

トータル 5:47:10 13位(出走480人) トップ差 25:01
出走者はめでたく100人も増加。
トップ差の昨年比で11分も遅い。遅すぎる。遅まっている。

ゴールと同時に涙が出るかなと思ったけど、レース内容に素直に満足できなかったためか、それはなかった。日差しが強く照りつけるのでテントの下に退避して後続を待つ。程なくしてOH田さんがゴール、やっぱり惨敗だった。
そんなOH田さんもランの終盤は暑さで朦朧としたのか、縁せきに蹴躓いて思いっきりコケたらしい。
順調にDAiさん、Tさん、そしてK人さんがゴールし、芝生でごろろんとしながら和む最高のひととき。このシチュエーションが珠洲の魅力の3割位は占めそうだ。K坂さんのフィニッシュまではまだかなりありそうだとの情報があったので、かおりさんと再びスイム会場に行ってみる。
すでにコースロープは撤去され、普段の海水浴場に戻っていたが、僕らが泳いだ頃よりも波が高くなっていた。僕はひどい靴擦れと肘の擦過傷がしみるので砂浜にとどまったが、かおりさんは心行くまで波の高い海を優雅に泳ぎ戯れていた。ふと気がつくとずいぶん遠くまで行ってしまい、大丈夫だろうか?もう二度と戻ってこないんじゃないかと次第に本気で心配になってきた。
もちろん、そんなことはなかった。

K坂さんは制限タイムの十数秒前でフィニッシュするという神業を成し遂げたが、驚いたことに最終走者とはならず数秒後にもう一人いたらしい。それにしても、誰よりも長くレースを堪能したと言えるだろう。

みなさんお疲れさまでした。

RESULT
Total 5:47:10 (Place 13/480)
Swim 42:02(23) Bike 3:14:04 (13) Run 1:51:04 (25)