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7:02 a.m.エイジスタート 占有面積最少でフローティングしていた選手達が一斉に真横になるのだから、問題が起きないわけが無い。最初の2-3分は前に進むための労力よりも、もっぱらいかにその場を乗り切るかに専念している。久しぶりに酷いバトルの渦中にいた。思いっきり顔も殴られ、生きた心地がしない。スタート位置はもう少し考え直したほうがいい。 ようやく落ち着いてきて、イージーペースに切り替えて泳ぐ。 ここ2ヶ月、辰巳詣でを繰り返し、2kmを最速で泳ぐペースというものを身体が覚えた。少なくともそれよりは落としたペースで行かないと、倍近い3.8kmをタレずに泳ぎきることはできない。 実に当り前な理屈だが、重要な指標である。なぜなら、レースではいとも簡単に、2km最速のペースを上回ってすっ飛ばしてしまうことがあるからだ。過去3回のレースを振り返ってみると、まさにそういうミスを犯していた。 佐渡ほどのベタなぎではないが波は穏やかで、透明度も比較的あり7-8mくらいの海底はぼんやり見えている。力まずにゆったりと、少しずつ周囲を追い越しながら泳ぐ。最初のコーナーを曲がっても泳ぎは変わらず、潮の流れもないことを示している。復路に入ると人もまばらになり、さらに泳ぎやすくなった。うっかりペースアップしたくなるのを抑え、淡々と砂浜を目指す。 陸路に上がってチラと時計を見ると29分台、ミラクルな速さではないが、イーブンペースが肝なんだから、計画通りだ。これがあと1周もあるのかオエーッ、とは思わず、再び単調な作業へ。寒くないというだけで全てが前向きな気分になれる。発表によると水温は21.7℃、暖かいとは言えないが、ウェットを着て泳ぐにはベストに近い。わずか2℃の違いでこんなに違うとは。 ![]() 集団4番手くらいで上がり、ゲートの時計表示は1時間4分過ぎ。むむ、もちっと速いかと期待したが、ほぼ目標どおりでまあいいかあ〜(実はエイジグループはここから2分引いたタイムということを忘れていた!)。 スイムタイム 1:02:05(40位) 前半29:19 (121bpm) 後半32:46 (119bpm) 平均/最大心拍数 120/140bpm (全体の9割が115-125bpmにある。上陸時に心拍が上がる) 8:08 a.m. バイクスタート いつもは極寒で必ず立ち寄るトイレも今日は素通り。それでもどういうわけかトランジットに4分以上かけてのスタート。この部分は毎年、ノンビリやりすぎている。 昨年のオロロンでイージー走りに徹したバイクが、最終的にレースを成功へ導いたとの判断から、今回もとにかくユルユルで走ることを肝に銘じていた。 バイクでもやはりペース配分の目安がある。先月、長柄のマイコース120kmTTのベストを出したときのペース配分はまだよく覚えている。そのときより速いペースで、より長い180kmをまともに走りきれるはずがない。もちろん、そのときと同じペースでも依然自爆ペースだが、繰り返すけれども得てしてレースではそのペースさえ守れず軽く越えてしまう。特に最初の2,30kmは平地なので例年ここで気分良くぶっ飛ばしていた記憶があるが、今回は努めて抑える。手ごろなペースメーカーを見つけて、彼にあわせることにした。
バイクでも似たような心理が働くことがあるが、自分がエンジンの場合、それは自滅へのスパイラルだ。 なので考え方を変えることにした。目の前の選手は、追い越さない。ひとまず尾行するのだ。もちろん、すぐ真後ろを走るような尾行はいけない。ドラフティングはいけないと言っているのだ。この大会は、ありがたいことに特にチェックが厳しい。マーシャルがひっきりなしにやってきて、退屈させない。僕は常に誰かの後ろ30‐50mあたりを走り続けたので、しばらくの間容疑者扱いだっただろう。だが、どんなときに抜き打ち検査をされても明らかにドラフティングゾーンを守っていたので、そのうち僕の信念が却って伝わったのではないかと思う。そんな一選手のことなどいちいち覚えてないかもしれないが。 そうして、4,5kmついていき、彼を追い越すべきかどうかの判断が正しく下せるようになってから初めて追い越せばよい。そんなことをしていたら遅くなる! という強迫観念が、おそらく一番の敵だ。 その理屈で2,3人鞍替えしながらイージーに走る。ふと気がつくと真横にTVカメラのバンがヌッと現れた。どうやら撮られているっぽい? んー、無反応なのもツマランし、何か一言、と思って出た言葉は 「まだまだ余裕〜」 と発した直後、後ろからCeepo乗りが一人、僕とバンの間をスーッと抜けていった。バツ悪ぅー。今んとこカットね。 ![]() ここからは1周56kmの周回路へと入る。まずは新道となる幾久山を貫く[B]折口トンネル。出来たばかりの、幅広でだらだらの上りに加え、向かい風も加わってなかなかスピードが上がらない。同じスピードの前走者が見えていなかったら、自己嫌悪に陥るような場面だ。やがて下りとなりノンブレーキで飛ばす。僅かな上り返しはスピードを殺さずダンシングで駆け抜けた。このあたりはこまいぬさんのブログが大いに参考になった。感謝。 大宝までの対面通行区間[C]では、先行者の確認が出来る。ちらほら有名人も見え、そんなに距離が離れていないことに気をよくした(この折り返し区間は意外と長く、実は結構差が開いているのだが)。エアロヘルメットを被った今泉選手を見かけた。んー、このシルバーなエアロヘルメット、なんだか60年代の「弾丸高速列車」みたいなレトロ感が妙にギャグっぽくて、どうも好きになれないなー。今年はエアロヘルメット率が結構高まってきたが、今後の主流になるのは間違いないだろう。あまり被りたくないなー。 折り返し後暫らくして、一人の選手(761番)を意識して追い始めるが、彼は僕のバイクパートで極めて重要な存在となった。記憶ではたしか、TVカメラが回っているときに追い越したまさにアノ人。何となく再び追いついてしまったんだろうか、よく覚えてない。 彼のペースはまず極めて安定感があり、調子による上げ下げが少ない。そして、上りや下りで極端にレベルが異なることもなかった。周囲の選手に惑わされることもなく、淡々とマイペースを守っている。だが最初はそんなことはもちろん判らず、一度追い越された人だったので暫らくは着いていく対象にもしていなかった。 荒川にむかって北上し、バイクのスペシャルエイド[D]へとやってきた。今回から、ここを2度通過することになるためスペシャルを受け取るタイミングを1周目(75km)か2周目(131km)か選べることになった(2回に別けて2度とも立ち寄る、といったことはできない)。
というわけで1周目に4種のジェルが入った重いボトルと、おにぎり2個を受け取った。ボトルは飲む度に違う味が楽しめる、はずだったが、すっかり混ざっており、色も味も濃ゆいアサイーゼリー一色になっていた。おにぎりはわざわざ海苔持参で宿でこしらえたものだが、喉を通らずに苦労した。これら食料をひとまずポケットに移さなければならないのだが、エイドのすぐあとに上り坂が続くので手離しして袋から移動するといったことは今年もやっぱり出来なかった。転ぶといけないから無茶な真似はしないと決めよう。 そんなもたつきがあったものの、ターゲット761番選手にはいつしか追いつき、ペース職人に再びあやかることにする。 荒川交差点を過ぎると、ここからは去年まで逆走していたルートへ入る。Polarの高低差グラフをみると大きな上りは無いのだが、所々傾斜がややきついところもあり惰性で走りきれるような感覚ではない。80kmの看板を過ぎたとき、妙にはっきりと最初の疲労感が押し寄せてきた。まだ3桁の距離にも行ってないのにここで疲れていていいんだろうか? 761番選手もやや中だるみな感があり、度重なる小刻みなアップダウンでこのあたりは疲れるのかもしれない。やがて、抜いた覚えのある3人ほどの集団にワッと追い越された。落ち着きのない走り方を見ると、どうも彼らはまとまって走っていた感じだが、そんな乱入にも761番は全く動じなかった。しばらくしてみると、僕と二人だけになり、また黙々と走りつづける。結局20kmほどで3人グループは全員抜き返すことになった。イーブンペースの大切さをより確信することとなった。 韓国旗を手にした女子高生の応援集団が見えた。国際親善の意を表して、いつもよりオーバーアクションで声援に答える。今回はプロカテゴリに韓国から二人出ており、パク選手は優勝を決めた。応援のし甲斐もあったに違いない。続いていつも見かける女性修道院の尼さん集団。とにかく女性には特に反応良しです。 ふとフライトデッキに目をやって驚いた。一切の表示が消えている! なぬー! 考えられる原因は電池切れしかないが、残量の警告アイコンは出ていなかったはず。Polarの距離計測が出来ない為フライトデッキに全てを託していたが、まさか全機能停止とは! なんてこったい。ギアポジション表示にいかに頼っていたか、消えてみて初めて思い知る。 やがて1周を終えて二本楠に戻ってきた。交差点にはちょうど村上塾の塾長が目の前のプロ女性にゲキを飛ばしていたので、渡辺選手(奥さん)に追いついたと勘違いした(実は久保田選手だった)。 渡辺選手は去年僕の一つ前でゴールした人で、今年は先にゴールしたいなと考えていたのだが、宮古島リザルトを見るとレベルを飛躍的に上げてきており、もはや敵う相手でもなかった。レース前日に偶然ショップで見かけたときは、去年までの普通のお嬢さん風な、ある意味稀有な雰囲気は消えて、顔つきや体型などしっかりトップアスリート風に見えた。かなり上を狙っているみたいだ。 ここで追い越したとなると、バイク残りで先行できるのはせいぜい10数分、ランが速い彼女にはすぐ逆転されてしまうだろう(本当の渡辺選手は、実はスイムで僕よりやや遅く、バイクではおそらく終始すぐ後ろを走っていた)。 ふたたび対面通行区間へ入り、見るともなく選手確認。今泉選手を再び見かけ、彼女にさほど離されていないことを知る。女性と比較するのもなんだけど、今回バイクタイムで彼女を上回ったオトコは21人しか居ない。トップエイジでもなかなか敵わないのだ。 折り返し後、特徴的な大型サンバイザーを被った小柄な小野選手とすれ違う。Fクラスのトップで、ミカミ練でご一緒したことがある。やはりレース前から気になる対象の人だったが、バイクでこの程度の差であればランで抜かれるのは目に見えていた。最後の種目がアテにならないのは実にいただけないなあ! ![]() 2周目が終了し二本楠を左折する。周回路の1周目は1時間41分、2周目は1時間44分で、3分のタレは想定内だろう。ただしこれらの計算はその場では当然できていない。 ここからの上りが毎年きつい。ヘロヘロと上っていると、先行者が意外な行動に出た。何らかの理由で明らかにペースを落としたのだった。パンクなどのトラブルには見えず、僕に先を譲るのが本当の目的のように感じた。ここでしつこくペースを落とすのは不自然極まりないので、パスすることにした。 久しぶりに前を走ってみると、実にもどかしく、今までのペースを維持する加減がよく判らない。彼の存在の偉大さを思い知ったのだった。最終エイドでお約束のボトルを取り、いよいよゴールの中央公園に近づく。最後にランコースと共有する結構な上りがあり、西内選手が駆け下りてきた(ラン7.5km地点)。トップ選手とここですれ違うなんて過去にはなかったこと。 その坂をトロトロ走っていたら761番に再び抜き返され、2台続いてバイクフィニッシュ。今年もなぜか180.2kmには大いに満たない距離であった。下車ポイントで名前を呼んで声援をくれた方がいた。あれーどなたか知り合いが居たかな? トランジットで靴下を履き替え、ゼリーやBCAA粉末をポケットに入れてランに出る。 ![]() トランジット含む公式バイクタイム 5:28:26(44位) トランジット除く実質タイム5:22:30 実質距離174.9km(JYUさん調べ) 実質平均速度 32.5km/h 獲得標高1835m 平均/最大心拍数133/152bpm 10km毎に距離表示があったが、それぞれが微妙に短い。最後の170kmポイントは、実際には168kmほどになると思われる。 1:32 p.m. ランスタート ![]() 早速761番が追いついてきて、横に並んだ。「バイクではお世話になりました」と声をかける。「僕はハーフ地点くらいで潰れる予定なので」と言うので、僕も「(何をおっしゃいますか)僕はランが全然ダメダメですから」と答える。妙に牽制した返事に聞こえたのか、「カテゴリが違うんだし、お互い一緒に頑張りましょう!」と言われてしまい何となく苦笑い(彼はB)。バイクパートではウザイ存在だったかもしれないので、彼の友好的な反応を見てホッとした。 1kmのタイムは4分44秒。いつもながら最初は速い。折り返しのエイドでBCAA粉末を飲んでいるうちに早くも彼から大きく遅れたが、やがて追いついた。調子が出てきたみたいだ。 3km手前あたりで、Eカテの一人に抜かされる。どういう成行きか忘れてしまったが、いつのまにかそのEの人と一緒に走っていた。鞍替えしてしまったのだ。 暫らく並走していると、その人が話し掛けてきた。 「去年のタイムどのくらい?」「10時間50分です」「・・・・・・速いね!?」 速いとはつまり、君のその持ちタイムで今ここに居るのは、よほどランが遅いということ。でも今はキロ4分45秒で走っている。それで「速いね?」と言ったのだ、たぶん。 「ランのタイムは、どのくらい?」 「3時間53分です」「このペースなら、3時間半切っちゃうけど(大丈夫?)」 「そうなんですよ、途中で潰れますから。行けるところまで行ってみるかと」 Eのその人はいままで10時間ちょうどというタイムも出したことがあるといい、レベルの違いは明らかだったが、バイクでの温存が効いているのか今のペースに無理は感じない。沿道の人に「36位!」と言われる。この、ありえないポジションに期待と不安が入り混じる。 ランのスタミナに大いに不安を抱える者として、何とか乗り切るための方策を数日前のジョギングで心に決めていた。単純な話だが、腕振りを最大限使うということだ。途中で尽きるのは間違いなく脚の主要な筋肉であり、それ以外の部分や心肺などには余裕がある。エネルギー効率が悪かろうと、なるべく力の余った他の部位を総動員し、脚の筋肉を少しでも節約することを最初から心がけるようにした。これは同時に、ランで常に集中して走るためでもあった。上り坂や、エイドで立ち止まったあとの走り出しはとくにつらい。そこで、脚が前に出ようと出まいとまずは腕を大きく振ることにした。すると徐々に脚が自然と従ってくるのだ。 腕振りを常に意識する為に、エイドで貰ったコップを捨てずに棒状に潰して、軽く握り締めて走る。ほとんどおまじないに近いが、ゴールまでこのスタイルは変えなかった。 7-8km地点は長く急な下り坂となっており、Eの選手は下りが上手でどんどん先に行ってしまった。また一人旅を続けるか、と覚悟を決めていたが、その人は意外とエイドで長居する為に、いつしかまた追いついた。沿道の人が選手リストを見て応援してくれるので、K野さんという名前もほどなく覚えた。 10kmあたりですでに暑さはかなり堪えるものとなってきていた。エイドでは「シャワー浴びますかぁ?」と訊かれたので、くださいと答えると、バケツ一杯の水をアタマからドシャーっとかけられるのであった。これってシャワー? ランシューズが水で重くなり、マメの原因にもなるので脚にはかけないで欲しいと最初は思っていたが、そのうちそんな悠長なことも言ってられないほど暑くなってきた。この大会は1.5km毎にエイドがあり、今までは過剰すぎると思っていたが今回はまことにありがたい。 14kmほど来た頃だろうか、ウェアにICHIOKAと入ったD選手に抜かれた。トップエイジのレースナンバーを有する市岡選手だった。見るからに違う速度差ではないものの着実に差は開いていく。それでも、着いていこうとする気持ちが少しでもあったんだろうか、K野さんから離れて彼を追うかのように僅かながらペースアップする。キロ5分あたりに落ちてはいたが、まだまだ余裕を感じていた。唯一の障害は坐骨神経痛だった。ゆっくりなら気にならないが、このくらいの速さでは脚運びに支障をきたす。 ランコースではハイライトの一つ、17km過ぎに1km続くのぼり。踏ん張りどころではあるが、この辺から急に足首周辺が麻痺したように動かなくなってきた。まず第1段階がいよいよ来たかと思ったそのとき、軽快なピッチで渡辺選手に追い越された。常々不思議に思うが、なぜあそこまで速いピッチで足を繰り出せるんだろう。感心しつつ見送る。 徐々に色々と崩れだしてペースが落ちてきた。同時に最も暑い頃で、Polarは33℃を記録している。市街地に近づいてきたところでK野さんが再び追いついてきた。抜きつ抜かれつの微妙な関係で、なかなか珍しいと思う。K野さんのほうが僕に合わせてくれたんだろうか? 武家屋敷通りへ入ると、2周目の印として腕に自動的に巻きつく反射リストバンドを受け取る。これまでのゴムバンドとは違い、腕がうっ血するのが気になった。できれば従来方式に戻して欲しいと思う・・・。 24.2kmのスペシャルエイドで、グリコのBCAA粉末とアミノゼリーを受け取る。朝バナナゼリーも入れてあったが係りの人がすぐに「これは取っておくかい?」といって袋に戻してくれた。僕の顔色を見事に読んでくれたなあ! 神頼みのBCAA粉末を飲み、一瞬復活したような気分になる。結構長く居たが、K野さんも負けじと長居しており、結局僕が先に出て行った。 この辺からさらにスローダウンすると共に、戦意も消失しかけてきた。もうくたびれた、歩こう、と思った頃に、ちょうどエイドが現れて救われる。26km過ぎのバイクコースと交差する高田口交差点では意表をつかれて停止命令。バイク4台ほどやり過ごして、20秒ほどロスした。まあでも止まる口実が出来て良かったかも、くらいの気分だ。 K野さんが、「このあと、キロ5分で行くとするとゴールは○○分かあ」とぼやいているので、「今我々はキロ6分超えてますよ」と突っ込むと「えっ、そうなの?」と結構びっくりしていたのがおかしかった。まさかキロ5分は二度と再現できないでしょう。それにしても、僕のタレ具合はともかく、K野さんも一緒にタレていたのはどういうわけだろう。エイドで僕より長居するところをみると、そうとう暑さにやられていたのかもしれない。 エイドで今回とった物は、多い順に水、CCD、コーラ、そして1回だけオレンジ。それだけだった。バナナもかんころ餅も黒砂糖も、バイクパートでも一切とらなかった。これがランにどう影響したのかは判らないが、気分的に「まるで食えたもんじゃねー」ってところ。パワージェルくらいは、無理にでもなめといたほうがよかったかな。ポケットにもわんさか食料が入ったまま走っていた。 29km付近の見晴らしのいい直線が続くあたりで、後ろを気にしながらソロソロと走るBR1レーサー篠崎君を発見! パッチリ目が合って、苦笑いしている。「あれー?三周目?」とキツイことを言ってすまん。壊れかけた頭では半分マジでそう思ったのだ。筋肉が炎症を起こしたとかで肉離れだろうか。僕ももし彼くらいのスピードで走れたら、肉離れを危惧しなければならなかっただろう。とんでもなく遅くなっても、諦めない姿勢には感服したよ。 暫らくして、小野さんにパスされた。前半は僕も結構いいペースだったのでなかなか抜かされなかったが、やはりこれだけタレると追いつかれてしまったか。今年も敵わぬ相手だった。 絶妙コンビのK野さんには暫らく先行され、エイドですこし追いつくという展開が続いていたが、とあるエイドで長居しているスキにとうとう追い越した!(いや別に意図したわけじゃないけど。) ちょうど調子も戻してきた頃で、キロ5分25秒のラップが出たときは「いわゆるこれが復活って奴ですか?」と喜んだ。だがその後の長い上りでしんどくなり、気合だーッ、腕振りだーッ、と鼓舞したものの6分半もかかり、ぬか喜びと知った。今回は「復活」の見られないレースだった。もう少し日が傾いて涼しくなってくれば、復活もありうるのかもしれないが、5月から6月に、ポジションも30分近く早いから、去年よりも日が高いのは間違いなかった。依然、暑さは全く衰えず、全身をくまなく冷やさないとやってられない。エイドでは氷の入ってないコップを探して身体にかける(氷の分、水の量が少ない為)。スポンジなど身体を冷やすアイテムがあるといいのだが・・・。 ゴールまで残り4-5kmのあたりで、またまたK野さんに追いつかれた。常にK野さんは抜いていくことはせずに横にちょこんと並ぶ。ライバルというより戦友という感じでむしろ安堵感を与えてくれる。しばらく一緒に走っていたが、またいつしか僕が先行してしまった。いよいよラストに近づいてきて、走りきれたことを確信し、最後を清く正しく姿勢よく走る。後ろから迫ってきている人を感じたが、K野さんではないようだ。フィニッシュラインの花道はいつにもましてスタンド客の声援を受けた気がした。感謝の気持ちで一杯だ。気持ちよくゴールテープを切った。 ![]() ![]() ランタイム 3:52:24(92位) キロペース5分30秒 10.89km/h 平均/最大心拍数 139/153bpm 獲得高度 260m 去年と比べ、平均心拍数はかなり上がったが、タイム向上は約1分だけ。後半見事にタレまくって心拍数も落ちた。 総合タイム 10:22:55 (順位 50/723人 完走643人 完走率89%) 年代別18位 平均/最大心拍数 134/153bpm 全獲得高度 2100m 消費カロリー7111kcal 平均気温26℃ |
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