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みやぎ国際トライアスロン七ヶ浜大会参戦日誌
7月1日(レース前日)2006/7/2 オリンピックディスタンス(公称) 一昨年も出たこのレース、募集要項をよく読んでなかったためにエントリーフィーを払い忘れ、さらに今年からバイクコースが変更になっていることに、申し込んでから気づいた。競技説明会を終えた後に、ZIPPのホイールバランスの具合を確認がてら試走してみる。3往復の単純折り返しコースに、従来のダイナミックな起伏は見られず、随分とヌルくなってしまった。ドラフティングも増える可能性がある。だが最も問題なのは、40kmに遠く及ばない34kmあまりということだ。いくらなんでも、誤差の範囲を越えて「看板に偽りあり」だ。大会要項には当然記されておらず、説明会でもしれっと「(40÷3=)1周13kmです」なんて言ってた。こればかりはいかがなものか? 取れそうにない民宿に電話をかけるのも面倒だったので、多賀城市の安ホテルに泊まる。ホテル泊の欠点は、就寝まで退屈であるということだ。TVもつまんないしで、人間、することがないと余計なことをする。スーパーで買ったカップラーメンなんぞを、魔が差して食っちまった。夕食として買い込んだ弁当はもちろん食った上でだ。 7月2日(レース日) 翌朝、案の定腹が減ってない。TVでブラジル×フランス戦を見つつ、まずいコンビニおにぎりを食べて、とっとと出陣した。 朝7時。まだほとんど雨は降ってないが、今日の降水確率は80%で絶望的。気温もぐっと低く、長袖が必要かも、と予報官は言っていたがさすがにそこまでじゃないみたい。普通のOrcaのウェアで行くことにする。タイヤの空気圧は、むしろいつもより多目の8.2気圧だ。 エリート選手のようにアップでもすっぺかと、リアシートに常駐している3本ローラーを活用するつもりでいたが、雨のためセッティングが面倒になってきた。その代わりスタート40分前にランニングをしてみる。キロ5分以下の軽いジョギングだったが、ふと気づくと歩いてた。何だおい! なぜ歩いた? 要するに、かったるくなって止めたのだ。レース前にかったるいとはこれいかに。うーん、不安材料をわざわざ作っちまった。 雨も降ってきて寒々としてきたのでさっさとウェットを着る。グリコのBCAA粉末を飲んでからスイムエリアに入った。アミノバイタルより飲みやすい。 8:30 a.m. スタート 浜からの一斉スタートを切ったのは、エイジ119名、学生選手権77名、それにリレー12組の計208名。水温は23℃でベスト、波も無い。悪天候のためか海水は緑色で濁っており、水中からほかの選手をほとんど確認不可能だ。やけに生臭くて、単にしょっぱかった五島の海とは大きく違う。200mほどでバトルは鎮まったが、依然として前後には選手が多い。それにトップは既にはるか先に行ってしまった様子だ。テトラポットを過ぎると急にうねりが強くなり、泳ぎにくくなった。一つ目のコーナーブイに来るまでかなりハイペースで来たため、ちょっとバテた。五島以降もスイムだけは練習量を減らさないで来ていたが、泳力は向上した感じがしない。 それなりの泳ぎで二つ目のコーナーブイを過ぎて、浜を目指す。陸はまだかとヘッドアップし、ふと横を見ると、早くも2周目に突入しているトップ集団(そう、集団に見えたのだ!)が見えた。あまりの差に、一瞬第2ウェーブがスタートしたのかと思った。しばらく経ってからようやく浜に上がり(12分7秒で前回比-40秒)、2周目へと突入する。平均心拍127bpmは五島より当然高いがまあこんなもん? 選手も減って思い通りに泳げるはずの2周目だが、バテるほうが勝り、12分後半でフィニッシュ(タイム未計測)、平均心拍は前半と同じ127bpmで、意味も無く正確すぎる。スイムのチェックポイント通過は25分18秒で、前回より1分ほど速かった。まあ、スイムは毎年条件差が大きいので単純比較は出来ない。有力女子選手を紹介するアナウンスの声が聞こえた。僕の目の前を走る彼女だろう。トランジットまでの数10mが速く、見る見る離される。 8:57 a.m. バイクスタート ペダルにセットしたシューズを履くのに手間取り、数人の学生に抜かれる。3本のベルクロを内から外へと締める、およそショートのレースには向かないシューズだ。さてガンガン行ってみますか。 折り返しポイントまでは5.7kmで、群馬CSCの1周よりもやや短い。なぜそんなことを考えたのかというと、群馬よりはるかに平らなこのコースで、群馬より遅いタイムで走ることは許されないだろう? と思ったのだ。往きはやや向かい風で、平地で37-8km/hといったところ。ホイールバランス調整の効果は、正直言ってまったく判らん。この程度のスピードでは効果が出てこないのかもしれない。合計50gのおもりは取っ払ったほうが有利かもしれない、とも思う。 雨が豪快に降る中、少しずつ学生を追い越していく。なんだ? この大会は学生ばかりなのか? というか、全身黄緑色のトライスーツに身を包んだ東北大生ばかりだ。後で数えてみたら、学生選手権の半数以上、実に40名以上が東北大生であった。これは驚くべきことだろう? 泣く子も黙る帝大にトライアスロン部員が40人もいるってのがびっくりだよ(しかもそれで全員とは限らない)。まるで有名私立高の野球部みたいじゃないか。しかもトライアスロンで。 スタート後七ヶ浜外周道路に入ってすぐと、中間点、それに最後の折り返しの3箇所に、ポチっとしたのぼりがある。Polarの計測では気圧変動が激しかったからかAscentが正しく測られていない。前日の試走のデータを信用して、恐らく往きが35m、帰り30m程度だろう。34kmで獲得標高約200mは、佐渡Bと同じくらい。まあ、ちったあ坂があると見てもいいのかもしれない。 折り返しを過ぎて追い風の中を42km/hほどで走っていると、往路の途中で抜かされたずんだもちカラーの37番選手が彼方前方に見えてきた。思ったほど実力差は無いようなので、見失わないようにマークすることにする。 東北大の選手はなぜかDHバー無しの人が多い。このコースでドロップは結構かわいそうなくらい不利に見える。レベル的にロード出身というわけでもないようで、指導者の意図であろうか。ドラフティングが必修科目となっているどこぞの大学とは大違いだ。平地で往復コースとあればドラフティングは避けられないだろうとの憂いがあったが、トップを占める彼らにそういう行為を見ることは無かった。気持ちよくレースを進めることができる。それと、減速区間とされる2箇所の直角コーナーでは恐ろしく慎重だった。テクニックというよりリスク回避を重要視しているように思えた。お陰で?コーナーで差を縮めることができた。 1周目を終え、ラップを見ると復路を9分11秒。追い風でこのタイムだから、群馬CSCを8分台での一人逃げがいかに大変かが良く判り、一生不可能だという気がする(年齢的に見ても、多分その通りだ)。 心拍数は145bpm前後で、レース中の基準値としては2,3年前と比べ5bpmほど低い。これでもかなり目一杯であり、更なるペースアップは危険だ。というか、やりたくない。 東北大の選手は皆同じウェアで見分けがつかないので、誰に抜かされて、誰を抜いたのかサッパリ判らなくなった。だがNO.37の選手だけはマークできている。ここではっと気づいた。 そういえば学生の番号は200番台なので、彼は僕と同じエイジ部門なのだ。OB生なのだろう。 だからと言って何が変わるわけでもないが、彼をマークする意味はあったのだ。 タレも無く無事3周目を終えようとしている。37番はランに向けペースダウンしたのか、最後に追いついてしまった。降車ラインをほぼ同時に通過する。 トランジットでは珍しくサングラスを捨てる。雨のため帽子は持ったが、裸眼ならあまり意味が無かった。 40kmに遠く及ばない34.3km トランジット除く実質タイム57:35 lap1=19:05 lap2=19:12 lap3=19:18 平均/最大速度:35.8/53.6km/h 平均/最大心拍 145/159bpm 9:55 a.m. ランスタート 出だしはエリートになったような気分で大股で飛ばしてみる。だが体が重くてキレがないのがよく判った。アップした時の感覚が蘇ってきてかなりブルー。火事場の馬鹿力はここんとこレースでお目にかかれない。37番に結構な勢いで抜かされる。まったくレベルが違う。 エイドで条件反射のようにスポンジを貰うが、こんなにざぶざぶ雨が降っている中、さすがに必要なしだ。居酒屋のビール並にキンキンに冷えており、ありがたく頭にかけるが、そこまで冷やしたところで調子は上向かないことは明白だ。 ランコース10kmは村落の入り組んだ小道を2往復する。途中2箇所のコブ地があり、高低差はさほどでは無いがかなり傾斜がキツイ。がまんして駆け上がると、手足がじわーっと痺れてきた。毛細血管に酸素が届いてない感じ。体が酸欠状態のようなこの感覚は過去のレースで憶えがない。心拍数は153bpm程度で、限界には程遠い。というか、こないだトレッドミルで走った時のほうが上がっていたじゃないか! 平均すると150bpm以下で、普段ですらその強度でキロ4分を出せるはずがない。つまりは追い込めていないのであり、何かが苦しくてペースが上がらない。同時に気力も低下しつつある点が五島のランと似ている。 折り返してしばらくすると一人の女性とすれ違い、「あれーなんだか凄くキレイな人だったよベイベー」とインプット。次のすれ違いを見逃してはなるまい、などとレース中にフキンシーンな考えで頭が染まる。 1周目のラップタイムを確認できなかったが、タイムを見るまでも無く前回のレースより明らかに遅い(実際その通りで1分30秒近く遅い)。この体たらくは情けないの一言に尽きる。2年前よりバイクコースも短くヌルく、雨で程よく身体は冷やされ、ランに悪い条件は何一つないはずなのだ。 さて、あと1周なのだから余すことなく全力で行けよ?と言いたいところだが、急斜面を超えるたびに、全身が貧血というか、頭以外が立ちくらみのような痺れた感覚に悩まされ、心もとないことこの上なし。さっきのきれいな人は、たしかこの辺だっけなー? と気が散りっぱなしだ。当然、次々と追い越されるのだが、面白いようにずんだもちカラーの選手ばかりでエイジの人は見ない。もう、何人の東北大生に抜かれだだろうか? このあとゴールまで上りは無い、ということろまできても、ヘロヘロと力なく走っていたら、応援グループの中から僕を呼ぶ声がした。おや、五島で同じ宿だったH山さんではないですか! でも今日はなんで出てないの? H山さんの元気な声を聞いてやっとエンジンがかかったか、ラスト100mを飛ばす。 後で見たらそのスパートの時が最大心拍で、158bpm止まりだった。ハーフマラソンの平均心拍数だ。とほほ・・・。 ランタイム42:10 lap1=21:14 lap2=20:56 平均/最大心拍 150/158bpm 総合タイム2:07:17 平均/最大心拍 143/159bpm 1501kcal 21℃ レース後も雨は降りつづき、しばらくはゴールする選手を見ていたが、その辺でぽつねんと立っていると寒くて風邪を引きそうだ。だがそういった点に関して大会運営側の配慮は今ひとつ足りない気がする。特にゴールした選手が何となく落ち着けるような適当な居場所がない。便所で雨宿りしていたが、結局フライングでバイクラックの荷物をとり、クルマに戻ってエンジンをかけて暖を取る。ヒーター付シートにして良かったよ。レース内容の惨めさも手伝って体の芯から冷えてしまい、復活するのに小1時間かかった。 気づいてみると雨も小降りになり、エリートの走りを見に行く。そんな頃、レース速報が掲示板に貼られたので見に行ってみると、ゲッ! 4位だ。びっくりたまげた。あんなに抜かれたのに、一桁順位か・・・。学生だったら、わずか77人中の27位だ。今回ばかりは、非常に申し訳ないというかバツの悪い気分だ。
エリート女子がバイクで飛ばしている姿をボケッと見る。3周を終え、次はランだと思っていたら、なんと折り返して4周目に入った。そこで全身凍りつく。 なぬー! バイクって4周だったのか? 間違いなく、おいらは3周しかしてないよ。それで、距離が短かったのか? そういうことか? だから4位なんて順位に入れたのか? これは、忌々しき問題ではないのか??? しばらく頭真っ白になっていたが、後で西内さんに訊いたところ(西内選手のオヤジさん)、バイクコースが短すぎることが、エリートの選考レースとして不公平があると指摘され、折り返しポイントを急遽変更して40kmしっかり走ることになったらしい。 だよなー。おいらも40kmのレースで戦いたかったよ(ランで追い込めない最近は特に)。 入賞は3位までだったが、年代別1位として表彰された。ただし知り合いも誰もいないので証拠写真はなし。なんだか寂しいレース、シャレにもならないみちのく一人旅だったよ。 帰りは東北道に乗った途端に強烈な大雨。これがレース中に見舞われなくてホント助かった。帰路はヒマなので、通勤割引と夜間割引を狙う。矢吹ICを午後8時前に入りなおし、あとは鹿沼ICを入りなおして、普通に走れば浦和本線を午後10時以降に通過することになる。めでたく900円ぽっち浮かせたけど、両方の割引を成功させないと赤となるため失敗は許されない。緊張する上にかなりメンドクサイデス。今回の全走行距離は830km。途中飛ばしたため14.4km/lと期待値を下回った。 RESULT
Total 2:07:17 (Place 4/119) 年代別1位 Swim 25:18 (10) Bike 59:49 (3) Run 42:10 (12) (公式記録を独自修正) |
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