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第6回うつくしまトライアスロンinあいづ参戦日誌
レース5日前のジョギング7kmがあまりに辛い。これは練習不足によるものではなく、夏ばてやバイクのロングライドで体が疲れきっているためだと考え、その後はトレーニングを絶つことにした。4日ほど何もしなくても衰えることはないけれど、ここしばらくランやスイムがあまりに不足して不調続きであり、たった4日の追い込みトレーニングでもレベル回復量は多いだろうと踏んでいたので目論見が狂った。レース前日には疲れも感じなくなり、明日はとりあえず普通に走れるだろうと思ったが、リバウンドした体重は相変わらずだ。2004/8/22 オリンピックディスタンス 今年も会津若松を拠点としたが、朝が早くて宿が朝飯を用意しないというので、前日近所のスーパーで買った赤飯・ごぼう・かぼちゃなどを部屋で食べる。会津大学にクルマをとめ、ランギアをセットしてそのまま専用バスに乗り込み猪苗代湖へと向かう。朝7時過ぎにはバイクトランジットの用事も済ませ、スタートの9時までやたらと時間が余る。 四国で猛威を振るった台風が脇をかすめたおかげでぐっと気温が下がり、今日は風も穏やかでまさにこれ以上ないベストコンディションだ。つまりは波も立たないということで、3種目ともいいタイムを出さなければならないだろう。 砂浜でしっかりみっちり開会式が行われた後、日本一綺麗だという猪苗代湖でアップ開始。しかし、今年の湖はどこまで行っても足がつく遠浅状態でまこと泳ぎづらい。それでいて、今回から3角形コースを2周回し一度浜に上がるタイプに変更された。ギャラリーに選手を見てもらうため、と言っていたけど、この遠浅状態でそりゃあんまりでないかい? 過去最多の340余名が浜から一斉スタート。200mほどは殆どの連中が歩いている。脚を使いたくないのでなるべく泳ぐようにしたが、歩いている奴がまだまだ前方に見えるのでアホらしくなってきた。 最初の三角ブイまではバトルにもまれ無駄な体力を使ったが、徐々に人がバラけてきていつもの調子を取り戻す。久しぶりのスイムの割には腕が上がってしまうことはない。だが五島で痛めた右肩は未だに治らず、リカバリーが徐々に辛くなってくる。 1周が終わり砂浜に上がると13分42秒。単純に倍にしても27分以上かかる計算で、スイム低迷は相変わらずだ。特に今回はコースの1/5以上は歩いていて、ミスコースも少なくロスタイムは少ないはずなのに。 2周目後半は意識的にペースアップしたものの目立った効果はなく、28分近くもかかってスイム終了。 今回は初めての試みとして、スタートからゴールまで全て心拍データを取ることにした。初めて知るスイムの平均心拍数は、1周目が121bpm、2周目が129bpmと予想以上に遅い。まだまだ腕の力のほうが負けているようである。 3,4人が団子状態でのバイクスタート。また例によってバイクシューズはなかなか履けないでいるが、周りの連中は僕のこの「履きながらのバイク」のスピードと変わらないでやんの。君達ゆっくりですねー。 まあそれでも3分後には履けて、さて本格スタートと行きますか。無風の中38km/hほどで快調に追い越していく。しばらく食いついてくるさもしい奴がいて、小集団が出来そうな気配があったが、いつのまにか千切れていなくなっていた。どうせ彼らには大した脚力はないのである。 会津若松へ向けてのワンウェイコースは下り基調であるが、正確には13km地点まではずっと平坦か微妙な上りだ。ここまでで順調に一人、また一人と先行者をパスしていく。今回のバイクの作戦は、とにかく抑えて、後半の上り区間では唯一力強く走りつつ、余力をもってランへ引き継ぐ、という考えだった。 ギアも2,3枚一気に重くして、さてこれからが55km/hで飛ばせる下り区間に入るぞという時、背後に不気味な気配を感じた。と同時に5,6台の集団が追い越していく。全員、一人一人自分が追い越した奴らだ。Panasonic、Testach、TREK、GIANT、よく覚えているぞ。おまえもおまえもおまえもだ!! 「おまえら汚ぇぞ!」考えるより先に大声で叫んでいた。我ながらびっくりする発言であったが、そこでスカッとした気分になれないのは、すこしは恥じて回避行動を見せる奴など誰もいないのだ。バッカじゃねえの、と背中が訴えている。戦意は早くも半減する。 引き下がって20mほど先に行かせるものの、ちょうど下り坂に入って皆ペダルを止めている。抜かしたのならさっさと先にいけ! そのうちに心拍数が110bpmまで落ちてきた。いくらなんでもこの坂道ビクビク集団が邪魔になってきたので一気に加速して追い越す。あっさり抜いて、だれもついてこなかった。だがこんな無駄なスパートをする予定ではなかったので、調子を狂わされたことが腹だたしい。 5kmほど黙々と行くと、再び集団が迫ってきた。道中拾ってパワーアップし15人くらいの大集団になっている。女性も2人ほど含まれている。冗談じゃねえよ! さすがにこの巨大集団を先に行かせたら、自分はかなり後退を余儀なくされるし、今までパスした奴らを再び先に行かせるなどという悪夢のようなシナリオは決して実現してはならない。よって温存作戦は中止し、追い越されないようにペースアップすることにした。だが、集団の先頭役の2,3人は積極的に攻めてきて、ふと油断していると追い越される。僕はわざと中切れを起こして集団をぶち壊し、彼を先に行かせようとするが、どうも先に行く気配はない。そりゃそうだ? 中切れの役目も長くは続かず、後続が気づいて追い越しにかかるので、仕方なく再び先頭に出る。そんなことを2,3回繰り返して、結局自分は幇助しているだけじゃないかということに気づいたので、諦めて集団を先に行かせるという屈辱を受け入れる事にした。この後の上りで奴らを抜かしてやろうと考えたのだ。 そこへマーシャルのバイク登場。遅いよ! 審判がなにやら集団に叫んでいる。「これで最後の忠告です! 次はペナルティですからね! 気をつけること」 おまえら今まで何回注意されていたんだ!? マーシャルが並走する状態で、それでも集団のまま走るの図。先頭交代がされなくなったのでスピードが徐々に落ちてくる。どうでもいいけどさっさと行けよ! 折角の下りなのに! またしても心拍110bpmまで落ちて、辛抱ならん!というところまできたので、再びダッシュで集団を一気にパス。こういうことをするから疲れるんだよな。 やがて、温存するハズだった下り区間は終わり、平地区間へと突入した。先ほどのダッシュとその後の逃げ切り行動がここに来て響いてきた。バテちまったのだ。脚力だけでなく集中力も売り切れていた。やがて一人、また一人と抜かされていく。今度はほんとに抜かされている。 いかん、最悪のパターンだ。 このあとでまとまった上りがあることがわかっていたので、気にせず温存を心がける。 だがチャージされる前に上り坂区間に突入してしまった。くっそー攻めの上りができない! と思いきや、意外と周りは遅い。ほいほいほいと上っていき、あれま、長いと思っていた上りもすぐ終わって、先ほど抜かされた連中もあらかた抜き返した。この後はバイクフィニッシュの会津大学までひたすら走るのみ! 集団もバラけて、以降は順調にゴールまで走れた。 だが不運はまだ終わってなかった。バイクラックから勢いよくランへ飛び出そうとしたところで、2,3人が審判に止められている。「全員ペナルティとります」。 まじかよ! ペナルティ渋滞が起きていたのだ。オレンジのウエアを着た一人が猛烈に抗議している。「オレは一度だって集団に関係してねェよ!」。それはきっと事実かもしれない。だが審判の返答は有無を言わせないものだった「この時間帯の選手は全員停めるようにとの指示が来ています」。 完璧に巻き添えを食らった。 このことをある程度予測できた僕とは違って、君は確かに寝耳に水のことだったに違いない。だが、ここまでマイペースでバイクを終えられただけ僕よりマシじゃないか。 権限のない一審判に抗議してもしょうがないと判断してさっさとペナルティを受ける。ここでのロスタイムは待ち時間含めわずか20秒程度であったが、ペナルティを取られたという理不尽な事実はロスタイム以上に響いた。ランに入ってしばらくはそのことが頭の中を埋め尽くし、今自分は何の目的で走っているのかさえ忘れるところだった。 Polarを見ると心拍は150bpm以上を示している。辛い領域ではあるが、今年のハーフマラソンを160bpm以上で走り通したことを思えば、まだ上限とまではいかない。頑張りが足りないのは明らかだが、やはり久々のランは辛い。ランスタートがほぼ一緒だった選手の背中が徐々に遠のいていく。 気温は低く、エイドで水はほとんど必要ない。だが努めて体をスポンジで冷却した。暑いよりも寒い方が間違いなく調子はいいはずだ(寒いということは無かったが)。キロ4分を切るタイムでは走れていないのが判る。40分を切る目標の達成は無理そうだ。 大学構内とその周辺を走るランコース、「女子大生」というある種偏ったイメージの言葉よりも、学生さんと表現したほうがふさわしい会津大の女性達が、ボランティアを務めて下さっている。オレンジの大会Tシャツを着た一人が声をかけてきた。 「頑張ってくださーい。独身でぇーす」 なに? 僕が独身であることは調べがついているのですか? そして何をどう頑張れと? それとも、「わたしは独身です」とストレートに売り込んでいるのですか? 結構マジで考えていて、直進と聞き間違えたことに気づくのにしばらくかかった。耳まで遠くなったか。耳というより、アタマの問題か。 5kmをすぎてようやくランの体になってきた。同じ心拍数でもかなり楽に感じる。徐々にペースアップ、自信をすこし取り戻してきた。折り返しですれ違う選手を確認し、ダレていないかチェックする。まあ、ダレていると判ったところでどうしようもないのだが。 ゴールまであと2kmほどに迫った時、大会進行役のDJの声がひときわ大きく響き渡った。どうやら女性トップがゴールしたらしい。 速い! ローカル大会の割には、今年は一段とレベルが高くなったと感じる。自分のポジションはどのあたりなのかサッパリ見当もつかないね。選手層の厚さ、まだまだ自分の力が遠く及ばないことを走りながら思い知らされている。嬉しさ半分、悔しさ半分。ランに入ってずっと先行を許していた選手に再び追いつき、今度こそ確実にパスする。 ゴール直前のスパートでは164bpmまで上がったが、ランで力を出し尽くすことはまたしても果たせず、去年よりも不甲斐ない気分でゴールテープを切った。3種目合計でたったの1600kcalだった。 ![]() [Polar S710iデータ] 平均/最大心拍数 全体143/164bpm S--126/154bpm B--144/160bpm R--154/164bpm バイク平均/最大速度 39.0/61.9km/h バイク獲得高度175m 水温20-21℃ 気温23-25℃ 今年は完走・表彰パーティーが大学食堂内で行われ、ちょっとした立食パーティーとなった。 一時的に食べ物に殺到して、何もありつけない状態が続いたが、後になってたくさん料理が残っていたようだ。このあたりの進行具合は主催者として頭を悩ませるところだろう。 この大会は比較的参加者も多いのだが、毎回誰も知り合いがいなくて、新たに作る機会も得られず、ぽつねん・・・と寂しい思いをするのだが、今回もやはり同じだった。 適当に切り上げて市内のスーパーに寄り、小ナスと丸ナス、ミョウガなどを買って帰った。 自宅から会津までは約330km、今回は行き帰りとも超エコ運転に徹した。と言っても、法定速度で走ったに過ぎないのだが、それでも周囲との速度差は段違いで、場合によってはかなり顰蹙である。なにか訳ありに違いないと勘違いしてか、ときどき後ろについてくるクルマあり。速度厳守のトラックの後ろがちょうどいい。15.5km/lという恐らく過去最高燃費を達成し、どうでもいいけど満足。 * * * * * やり残したことがまたしても多かったけれど、それ以上にドラフティングには辟易し、来年へ向けての気合がすっかり萎えてしまった。ドラフティングの原因はいくつか考えられる。 1)参加者が増えた 2)レベルが拮抗する学生の参加が増えた 3)湖が遠浅で凪だったため差がつかなかった 4)風が弱くバイクコースの難易度が下がった やはり参加者数がキャパを超えているのではないか。それと、スイムは要改善だ。これが直接の原因であることは間違いない。バイクコースをもっとテクニカルにするわけにはいかないのだろうか。ヌルすぎるよ。 しかし、ドラフティングをする輩は減らない。第一、ちっとも悪いと思ってないんだよ。まあ、サッカーの騙しあいと似たようなもので、審判に指摘されない限り不正ではない、という解釈なのだろうか。 一時期、ドラフティングにウンザリしてこの競技に冷めた頃があったが、その気分を思い出させる大会となってしまった。 まあでも本当は自分の不甲斐ないレース展開のせいなのだ。満足の行く結果が出せれば、ドラフティングなんて大して気にならないはずだ。 RESULT
Total 2:12:37 (Place 35/344) Swim 27:54 (63) Bike 1:03:34 (33) Run 41:09 (55) |
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