![]() |
![]() | ![]() |
![]() |
第4回太平洋・夢街道トライアスロンin原町参戦日誌
今年ようやく第一戦目を迎えたこの原町レース、去年の不甲斐ない成績を払拭すべく、いつになく順調にトレーニングをこなして準備万端で挑む。2003/8/3 オリンピックディスタンス ![]() 記録的な冷夏もこの日はようやく消え去り、比較的涼しい原町の朝を夏の太陽が照りつけ始めた。暑いレースは好きだが、あまりに久しぶりのため多少の不安も憶えはじめる。ウエットスーツを着込むと、中で汗ばむのが分かる。 去年とほぼ同じ130名ほどの選手達が、9時に一斉スタートした。人数が少ないのでスイムバトルの心配はなく海に駆け出す。むしろバトルの相手は波だ。孵化したばかりの海ガメが大海原に向かって泳ぎだすように、ウエットスーツの黒いカタマリが波に揉みくちゃにされて心もとなく見えている。去年ほどの大波は受けず、第1コーンに向かって海がめ達は波に挑む。 ![]() 再びそのコーンを折り返したときは22分で、コーンの間を約12分で往復していることが分かった。2往復するので合計20分だ。そこに、沖と浜との往復分が追加されてスイムタイムとなる、計算なのだが・・・。 最後のコーンをパスし、あとは浜に向かって一直線、となった時に時計を見ると、27分を過ぎている。目標の30分以内に海から上がれるかどうか。しかし、砂浜は一向に近づいてこないのだった。 長い砂浜を駆け抜けてチェックポイントを通過した時には、すでに32分を回っており、去年と比べて結局1分ほどしか短縮していないことに憤りを感じる。途中で5分も縮めたはずの貯金はどこで失ったのだ!? 気を取り直してバイクスタート。さて、先週の練習中に致命的なダメージを被ったZIPP440をあえて選択してのバイクはどこまで踏めるだろうか。 スイムから続く激しい呼吸はなかなか落ち着かない。メーターを見ると35km/h、この風と路面状況からしてもうあと1〜2km/hは出て欲しいところだが、イマイチ踏めないことを感じる。案の定というか、かなりの速度差をもって一人抜かされる。COLNAGOに乗る彼は戦略的な追越をしたのかと思ったが、すぐ見えなくなった。 このパワーの無さはどういうわけだろう? 宮塚の著書にもあるように、練習のし過ぎが悪影響を及ぼしているのか。言うほど練習はしていないのだが。 壊れたZIPPをかばいながらブレーキングしコーンを折り返す。走る方向が逆になっても、スピードは変わらなかった。 コースの多くは平らだが、トランジット周辺はちょっとしたアップダウンがある。区間は短いが、勾配は最大7〜8%くらいか、一気に息が上がる。3周回するので案外バカにできない。バイク終盤ごろは、情けないことに早くもDHポジションが嫌になってきた。3周ともほとんど同タイムのラップを刻んでゴール。調子を上げていくことはできなかった。それどころか、去年の不甲斐ないタイムよりさらに悪いと知って唖然とする。ZIPPの効果は体感できず終わったか。バイクシューズを履く時も脱ぐ時も今回は大失敗。10秒はタイムをロスした。 去年はキロ4分以下という不可解なペースで飛ばしたラン最初の2kmポイントを、極めて平凡なタイムで通過した。ミラクルパワーは期待できないようだ。ただ、登り坂の脅威は今年はさほど感じなかった。暑さと急坂という条件下にありながら、ケイレンや関節痛の兆候が見られないのはラッキーだ。ためらいなく追い込んだ走りができるのだぞと言い聞かせながらも、その限界に挑む気力が磨り減っていた。ポケットにはカーボロードが入っていたが、全く口にする気になれない。このまま封を開けずにゴールまで持ち運ぶつもりか。足りないのは、エネルギーではなく気力か。 去年大差で負けた50歳台の名物選手Y氏と、折り返しをしばらく過ぎてすれ違った。つまり自分が先行しているのだ。幾分表情に余裕がない。だがランに強い選手なら十分追いつかれる距離だ。気を引き締め焦らずペースを落とさずに走ることに専念した。コースの頂上となる二つ目の折り返しポイントを過ぎて、Y氏とはほとんど差を詰められていないことを確認。だが不調を感じさせるY氏の険しい表情を見ると、決して評価できる内容ではない。 重力にまかせてストライドを大きく駆け下りたかったが、それだけの脚の筋力は残っていない。極めて穏やかに下っていく。 前にも後ろにも選手は見えず、追い立てられることもなく目標もなくゴールテープを切った。それでも、呼吸が落ち着くまでかなりかかった。 順位はぐっと向上し、オリンピックの西内選手のオヤジさんに勝つという密かな目標もクリアしたが、総合タイムは結局2分半しか短縮できなかった。だが、そう悲観するほどでもないのは、上位40位以内で去年も参加した選手を見ると、平均で約6分もタイムを落としており、明らかにレースコンディションが異なるのが分かったのだ。まずスイムだ。波は去年ほどではなかったから、潮の流れが影響したと思われる(ただそれでも目標より遅すぎた)。次に、去年とはコースが変更されたバイク。大会側は「更なるスピードコース」と謳っていたが、実際のところアップダウンが増えて、誰もがタイムを確実に落としていた。ランは全く同じコースなので、差があるとすればやはりこの暑さだ。もちろんバイクにも言える。今思えば、バイクを不調に感じたのは暑さのせいだったのだ。だが全く暑さ知らずのままこの日を迎え、暑さによる必然的なパワー低下をすっかり勘定に入れ忘れていたのだろう。水のボトルを携帯して走行中身体にかけて走れば効果があったかもしれないと、あとになって思った。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |