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第1回Mt.富士ヒルクライム
2004/9/26 標高差1270m、25.5km ヒルクライム流行りである。 今年新生のこのレース、事前に送られてきた書類には二つの引っかかる点があった。 一つはどうでもいいこと。斡旋の宿が高すぎで、相部屋なのに最低7500円から最多価格帯13000円。このご時世に、企業努力の見られないところになんか頼みませんぜ。河口湖の民宿は口裏合わせている可能性大と考えたので山中湖で宿を探す。今回朝食なし6000円で泊まれた。 もう一つ、これは重要。レース当日の指定駐車場がメイン会場の富士北麓公園から4.6kmも離れている。黄色い駐車許可証が同封されていた。申し込みが遅い人ほど遠い駐車場に割り当てられているんだってさ。それにしても、離れすぎじゃないのか?? まあでも自転車があるからどおってことないじゃん? と思うがそれが違うのだ。 僕のカテゴリースタートは7時25分。それに対し、防寒着などの手荷物は、6時15分までに預けなければならない、とあっさり書いてある。 そんなバカな。では、4.6kmを何度も往復できない我々貧乏くじ班は、スタートまでの70分間、小雨降りしきる寒々しい天候の中、レースの格好で居なきゃならないってことなのか? 100%風邪ひくだろう? 先頭スタートの7:00までも45分もある。なぜそんなに早く締め切る必要があるのか、納得が行かない。選手のことよりも、問題が発生しないことを最優先している。失礼なこっちゃ。 レース前日は特にすることもなく午後9時に就寝。ところが、明日この未解決問題をどうしようか気になって寝られず、本でも読んで気分を変えようとしても、さっぱり読み進まない。結局、寝付いたのは日付が変わってからだった。こんなことで気をもませるのが更に腹立たしい。 翌朝、時折小雨もパラつき濃い霧が立ち込める中、5時20分に宿を出る。指定駐車場へは向かわずレース会場へ直行する。昨晩悩みぬいた挙句、手荷物だけをまず先に預けようというアイディアで固まっていた。それすらも許されず係の人に咎められたら、1時間10分の間どういう格好で居ろというのか、きちんと説明してもらおう! と強気の態度に出る考えだった。 鼻息も荒く現地に着いてみると、その特等席の「富士北麓公園駐車場」が、許可証の審査もなく誰でも入っていいぞ、という感じになっている。「手荷物を預けにだけ来ました」なんてわざわざ断わらなくても、ここに停めちゃってノープロブレムっぽいぞ!? しかし、こういうときの僕はとってもバカ正直というか、初心貫徹というか、予定通り手荷物だけうまく預けると、4.6km離れた「指定駐車場」へクルマを走らせるのである。実は、ここへ来るまでに大勢のタフな自走組を見かけ、「些細なことで悩んでいる俺ってヘタレだ」という気がしてきたのだった。 だが、わざわざ足を運んだ先は、雨でぬかるんだ土の駐車場であり、クルマも自転車も靴もたちまち泥まみれである。惨めさ倍増。なんかすごーく虐げられている。この差はなんだ! やっぱりオレはバカだ! 6時40分までクルマで時間を潰した後、いよいよ自転車で会場へ向かう。3.5kmほどは富士山に向かっての延々上りである。もうレースは始まっている!のか!? まあでもアップを兼ねてのことだから気にしてはいない。会場まで30分もかかって到着、既にアスリートとMTBのクラスがスタートした後だった。トイレで最後の水分を出し切り整列場へ向かう頃には、スタートまで残すところあと5分。7時30分スタートの「30代の部B」の整列集団の脇をすり抜けて、「30代の部A」のところまで行かなければならない。いつ何時もギリギリなおいら。 そのとき、僕の名を大声で叫ぶ声がした。Bスタートの中にいた知り合いが声をかけてくれたのだが、スンバラしく声が響き渡り、Bの人全員の注目を浴びた(ような気がした)。できれば人に見られたくないこの状況において、大変恥ずかしかったです。 なんか、どうでもいいことでレポートが埋まっていくけど、レース中は単調で殆ど記憶に残っていることが無いので、しょうがありません。 ところで、30歳代は参加者がダントツで多いためAとBの2グループに分かれている。その次に多いのが40歳代。つまり平均年齢が高い。僕はまさにその正規分布の真ん中辺だ。 7時25分、合図が聞こえスタートした(らしい)。400人くらい居るので先頭は全く見えない。この後スバルラインの料金所まで走って、そこから正式に計時が各自開始されるので、慌てずとも良いのである。 会場を出るとすぐに上り勾配が始まる。いまここで急いでも何一つ意味は無いと思うので、のんびり周囲のペースに合わせて行く。心拍数は120前後、アップとしてちょうどいいだろう。 8分ほどして料金所を通過。ここからが本当のスタートだ。一気にスピードを上げ、心拍数150前後となるようにペースを維持する。軽いギアを2、3枚残して軽快な調子で上っていける心地よい傾斜角だ。これ以上緩いと、風除けが欲しくなり1人で上るのは不利だろう。 3日前の練習ですっかり壊してしまった膝の調子は、絶対安静とエキストラアミノアシッドのダブル効果により、見事に治っているようで、負荷を上げても痛みは発生しない。こればかりは神に感謝だ。 かなり濃度の高い霧雨がさっきから降っている。メガネは視界の妨げでしかなく、早々にポケットにしまった。まだ気温はさほど低くないからいいけれど、このシトシト降りのままで高度を上げていくと大変なことになりそうだ、と少し気が重くなる。 5km地点を通過。ラップ計測のためにPolarの操作に気を取られていたら、いきなりボゴッ!とものすごい音がして衝撃が走る。なんだ!どうした!? センターラインに置いてある赤いパイロンを前輪が蹴飛ばしたのだった。よく転ばなかったなあ、パイロンを1mほど平行移動しただけで済んだ。 しかしこのパイロン、センターラインのオレンジ色と同化して案外目立たないのである。僕以外にも激突している人を何人か見つけた、というか聞こえた。どうせなら、20cmくらい外側に置いた方が安全じゃないのかね。 美ヶ原と同様、スタート直後からひたすら追い越すばかりのレースである。スバルラインは舗装状態が良く走りやすいが、完全封鎖なのに原則左側しか走らせてもらえない。美ヶ原よりも人口密度はずっと高く、追い越すのは少しストレスが溜まる。 5分差でスタートする30代Bの4人ほどの先頭集団にパスされる。速いねー。あれよという間に居なくなった。 この頃から同じペースの選手が徐々に見えてきた。殆ど記憶に残ってないので書けないけど、その中の一人はアイアンマンのボトルを所持していたので気になった。多分今年のボトルだ。しばらく同じペースだったが、後ろから追い上げてきた速い選手に乗っかって、先に行ってしまった。うーん、これ以上のペースアップは危険だから着いていこうなどとは考えない。 8kmほど行ったあたりで、早くも脚が攣りそうになってきた。こんな早く、暑くもないのになぜ攣るかね? 慌ててボトルの水を飲む。暑いどころか、体はずっと冷えたままだ。 高度を上げていくと、徐々に雨が上がり所々路面も乾いてきた。もし全工程で雨だったら益々冷えて辛いレースになっていただろう。10kmの関門を通過、やれやれ、やっと10kmですかい。ゴールまであと15kmか、厳しいねえ。 初回大会のため、このコースの目標タイムは考えていない。1時間10分を切れる者がアスリートクラスに出ることになっているが、次第にそんなタイムは出せそうにないことが判ってきた。ざっと見積もって平均20km/hオーバーで走らないと無理だが、そのスピードを維持することはできない(正確には計測区間は23.8kmだから、平均20.4km/h以上となる)。 ![]() 水分補給のためボトルを取り出して脇へそれ、あからさまにペースを落とす。すると僕のほうを少し窺った後、渋々?追い越していく4,5人の後続集団。そんなに着いていたのか? びっくりだぜ。よく見ると5分遅れ組が多い。しまった、結構絶妙なペースメーカーだったかもしれないのに、のんびり給水している間にみすみす逃してしまった。 前半で千切られたアイアンマンボトルマンがタレて来た。やっぱ、オーバーペースだったんじゃないですかい? 心拍数は相変わらず150bpm前後を維持している。このあたりが、自転車レースで最速で巡航可能な心拍数らしい。後半になっても値が落ちず維持できている。まあ1時間とちょっとの間ならこんなものだろう。 20kmから1kmの間は山岳賞区間として設けられ、コース中最もキツイ勾配がここに含まれている。キツイと言っても8%ほどで、大したことはない。それより、どれほどの人がこの区間で勝負に出るのだろうか? 少なくとも僕の周囲でペースが変わった人は窺えない。と思ったら、アイアンマンボトルマンが追い越していった。まさか、貯めていたんじゃ? と思うような活きのいい走り。最終的にこの人は僕より後ろでフィニッシュしたようだが。 ゴールまで残り3kmほどになり、躊躇なく全力で行こうと決める。すでに標高はかなり高いはずだが、意外にも空気が薄いことによる息苦しさなどは全く判らない。200mほど直線のキツイ上りが続いたあと、フッと平らな道にでた。いや、決して平らではないのだが、いままでの道から見たら平らも同然だ。久々にフロントをアウターに入れて、空気DHポジションで飛ばす飛ばす。今までの鬱憤を晴らすかのように、ここで最高41km/hを出している(追い風だったか?)。しかしお陰でフィニッシュ手前の坂は辛かった。もうスッカラカンで、しかも結構な坂なのだ。完全にオールアウトしたと思う。心拍数は残念ながら大したことなく、フィニッシュライン通過時の162bpmが本日最高。 ![]() 意外とスピードが一定してない。ラップ1が計測開始地点。 正式タイムは1時間14分41秒。結構多くの選手を追い越したのでいいタイムかと思ったのだが、大会記録を見ると美ヶ原の成績よりは相対的に悪いようで、自分にとって可もなく不可もなしのタイム。もう少し短縮できただろうかと色々考えてしまうが、思い起こせばペース配分は申し分なく、おそらく自分の出しうるベストタイムだったと言えるだろう。 部門別順位 [30代男子] 67位/685人中 総合順位 [ロードレース男子] 147位/1616人中 *以下計測区間のデータ(Polar値) 平均-最大心拍数 151-162bpm 気温 17℃→14℃ 微風(追い風か?) 獲得高度=1170m 平均-最大速度19.1km/h-41.1km/h 寒いし景色は見えないし、さっさと降りてねとしきりにアナウンスされるので、すぐさま下山した。おしゃべりもなく黙々と上ってきて、そしてさっさと帰る。皆さん、ホントに楽しんでますか? 穴を掘っては埋めるナチの拷問とどこが違うのか? と問われたら、紙一重だ、とふと思う。 下山はかなりしんどかった。しょうがないことだけど、自由な速度で降りられないのが非常に辛いし面白くも何ともない。普段の下りはあっという間だけど、今回の25kmってなげーよ。下界に近づくとやはり雨が降っていて最悪だ。凍え死ぬぅ〜。下山はバスがいいな(言ってろ?)。 ヒルクライムの良し悪しは、天候でかなり左右されるなと思った次第。 下山後もすることもないし、さっさと帰りました。 |
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