CSC5時間耐久チームサイクルロードレース参戦日誌
2008/7/26
男子3人部門(チーム名:ユーロスポーツ物見山B)

二週続けてのレース。先週の群馬戦はやけに腑甲斐なさを強調されたので、今回はレース前にしっかり疲れを取って、万全の体制で挑めるように前日は午後から仕事を休んだ。というと聞こえがいいが、本音としてはどうもこのところヤルキナシオが蔓延っていてモチベーション停滞中ってとこか。レースでもないと重い腰を上げようとしないから困ったもんだ。体重もドンと増え、修善寺のような坂の多いコースでこれは痛手だなと思うが今更遅い。

去年モリモリとペアを組んで出たが、今年はチーム物見山から10人が修善寺に集合し、いつものレースとは違って遠足前日のようなちょっとしたウキウキ気分。
ありがたくも慈朗さんに迎えに来てもらい、朝8時頃修善寺入り。じわじわと暑くなってきて早速日陰に退避したくなる。
そこへ岡部さんのクルマが登場。屋根にはLOOKが4台、うち3台が595。そしてナンバープレートは・・・。何気に凄すぎます。
今年からピットの位置が従来とは反対の観戦スタンド側になり、脇の木陰に休憩場所を設けることができた。これはナイスな配慮だと思うが、水場が遠くなったことと自転車の出し入れが手間取る。とに角無茶苦茶暑いので浴びるように水を必要とするが、炎天下を木陰で涼めるのはこの上なく有難い。

中央シートの方は存じ上げません・・・。

物見山からの参加は全4チーム。
 ・チーム物見山 ソロ二郎さん(ペアを組む予定だった大浜さんがやんごとなき事情によりDNS)
 ・ユーロスポーツ物見山A(志村さん、岡部さん、市川さん)誰もがLOOK!
 ・ユーロスポーツ物見山B(浅倉さん、僕、小湊さん)誰もLOOKじゃなーい
 ・物ポンズ混合班(慈朗さん、恒川さん、真紀恵さん)何気に古参チーム

 それに恒川さんの奥様には休みなくサポートして頂き頭が下がるばかり。

日頃練習でとても強い市川さん、レースと言えるものは今日が初めてだと聞いて驚いた。こんなに強くなるまでいままで一体何を目標に走ってきたんでしょうか? かなわないなと思うタイプの一人である。
11時頃になって試走に出かけた。軽く走るつもりだったが、というか軽く走っているつもりだったが、途中からかなりしんどくなっている。アップでこんなに負荷を上げちゃダメじゃないかー、と思いつつ、1周戻ってくると11分半を過ぎているのをみてゾッとした。別段速くない。なのにこのしんどさってどうよ?
2周目はもう少し真面目に、抑えつつも無駄なく走ってみた。やはり11分半。
今日のコンディションは去年とはまるで違うことを察する。ペア出走だった去年と比べ予定周回数が減って少々物足りないかも、との思いがいかに見当外れか、この頃から予感し始めた。3人居るから10分ちょうどくらいで回すのが順当だろうという目論見は、早くも修正する必要があると感じた。

正午、レーススタート
最初の30分はピットイン禁止のため、4周を余儀なくされる(そう決め付けていた)。長丁場となる一番手は当然Sクラスの浅倉さんにお願いする。他のチームもまずはエース級を一番手に起用。
5時間走ることも忘れて皆素っ頓狂に飛ばすけど、惑わされず自分のペースを守ってチョーダイ、と念を押していたのだが、やはり多少は影響されてか9分を切るタイムで浅倉さんが戻ってきた。それでもトップから1分遅れた集団のちょっと後ろよりで、気持ちの葛藤がかなりあったことを匂わせた。とりあえずいいポジションで悪い気はせず、楽観視していたが、2周目でドーンと一気に10分をオーバーし、予想を越えた減速の早さに不安が高まる。しかもあの冷静な志村さんのタレが酷く、これはひょっとするとピット閉鎖中の30分以内には戻ってこないかもしれないという想定外の事態を初めて案ずるようになった。10分前倒しで準備を始め、ピットへと立つ。

どこの実業団の選手だか知らないが、トップは呆れるほどの差をつけ独走状態でぶっ飛ばし、暑さの影響を微塵も感じさせない。
朝にCSC駐車場で常連出場の篠崎君を見かけた時は、「今年も優勝と活動資金ゲットが目標です」と威勢のいい返事をもらっていたが、去年のラバネロチームのようにあんな速い奴が居たんじゃ篠崎君のチームも早々に優勝の可能性は立ち消えて、やる気を削がれているに違いない、なんて思っていた。まさかあの単独トップが篠崎君だとは失礼ながら露にも思わなかったよ。まったくぶったまげた。

この酷暑の中5時間ノンストップという想像を絶するチャレンジを続ける、ソロの二郎さんが堅実な走りで最初に4周目に入る。あとの物見山3名はなかなか来ない。30分を過ぎてピット封印が解かれ、これは作戦的にもメンバーチェンジしたほうがいいと思われたが、「我がチームは4周目で交代」とあまりに明確に告げてあったので、予想通り律儀な浅倉さんは慈朗さんとつるんで4周目に入っていった。2人で走るなら何とか頑張れるだろうと一安心して見送り、志村さんが倒れるようにピットに入ってきた。
4周目、慈朗さんより遅れ、11分以上かかって浅倉さんがピットイン。熱中症気味で疲労困憊した姿を見て、初っ端に大きな体力消耗を生んでしまったかもしれないと見通しの甘さを悔やみつつスタート。仕事で少々お疲れ気味に見える小湊さんは3番手とさせていただいた。

第1ヒート(0:42-1:14) 「やはりレースはアドレナリンが出てきて、試走とは違うな」と感じつつ、最初の急坂をホイホイホイと上る。下りでは踏まずスピードを殺さないようにして省エネで走る。去年は豪快にスッ転んだしね。2号橋からの上りも抑えて抑えてと念じ、これは明らかに物練や通常の集団レースの一場面より楽であり、十分抑えられていると何度も念を押す。暑さは当然否めないが、甚大なダメージと表現するには大げさだし、トライアスロンで頭から水をかぶりたい状況と比べたらまだ涼しげですらある。との判断だったが、状況はあっという間に限界に達していることに気付いた。なぬー!
忍び寄る暑さというものがここまでパフォーマンス低下をもたらすのかと今更ながら痛感する。さらにスピードを落とし、ゴール前も淡々と走る。1周目は10分17秒、スタート時のロスタイムはせいぜい15秒ってところだから、アドレナリンが感覚を麻痺させることなく予定通りのペースを刻んでいることが証明され、それでいてこのしんどさには落胆させられた。2周目以降は抑えて走るどころか、目標スピードに達していないと感じられたので逆に限界走行を強いられた。つまり目標を下方修正しなければならないことは明らかなのに、さすがに第1ヒートでこの体たらくでは立つ瀬がないとのある種の見栄がペースを狂わせる。しかし虚しくラップタイムは落ちていき、2周目10分18秒、3周目10分40秒となった(自己計測で不正確)。
公式ラップタイム(秒以下四捨五入):10:23 10:15 10:27

本日のレースはもうこれで終わったかのような疲労感とともにピットへ入り、第3走の小湊さんに「抑えても抑えすぎることはない」との主旨を告げる。センサーベルトを付け替える役のはずの浅倉さんが、木陰で死んでいた。あの暑さの中の4周がそうとう効いたようだ。
水を飲むよりもとにかく身体にかけて冷やすことを最優先すべきと、トイレで水を存分に浴びる。そこですれ違うはオーベストのマスケンさん。あれ?ソロの方がなぜ今ここに? 気分が悪くなって休憩中とのこと。ソロ常連のベテランでさえもペースを狂わされてしまったのだ。この暑さ、心してかからねばなるまいと再度言い聞かせる。
次の出走は1時間後だからじっくり休めるはずだが、何かと慌ただしく20分くらいしか休んだ気がしないのはなぜだろう?

浅倉さんが第2ヒート中、小湊さんと木陰で涼んでいると、「チーム物見山、落車の情報が入ってきました」とのアナウンス。なぬー! こないだ落車して擦過傷もまだ癒えないうちに、またまた浅倉さん落車ですか。今日は路面コンディションも良く、理由もなく落車するのは考えにくい。熱中症で朦朧とした中での自爆だろうか、それとも巻き込まれ落車か。後続を走っていた他チームの一人から「ハスったようだ」との目撃情報もあり、これは大変心配。2周目の途中であるがこれはすぐピットインを予想して準備を始める。予定より少し遅れて自走で戻ってきたのでまずは一安心。手を思いっきり擦ってハンドルをまともに持てなかったらしい。

第2ヒート(2:11-2:42) 10分早まった第2ヒートは、目標を10分半に下方修正し、とにかく抑え気味に。暑さも少しだけ和らぎ、水をかけながら走ったので全体でペースを一定で走れた。そうでなくとも今後は小湊さんとペアで走り通す必要があるため、力を出し切ってはいけない。
一気に休憩時間が半分に減ったので、小湊さんゆっくり走ってきてクダサイ、と念じながら送り出す。
公式ラップタイム:10:26 10:35 10:15

ここでトラブル発生。いつの間にか、サングラスを無くしてしまった。3年半前に買った500円のサングラスなど無くしてもどうだっていいのだが、コンタクトレンズをはめているので今ここに無いと困る。特に、秀峰亭手前の左コーナーではなぜか毎回必ずコンタクトが乾いて視界不良を来たしていたので、サングラスがないとそれこそ至る所のコーナーで眼が乾き切って恐い。
ギリギリまで探したが見当たらず、浅倉さんの血と汗の滲むOakleyを借りて出走。その浅倉さんはようやくエンジンがかかってきてさあこれからという時に自爆落車だったとかで、盛り返すチャンスも無くかなり落ち込んでいる。浅倉さんの無念を引き継いで頑張りまっしょう(言うのは簡単)。

第3ヒート(3:16-3:48) 第3ヒートスタートは午後3時過ぎで、一頃の暑さはかなりひいていた。30-31℃付近だったと思う。10分半の目標はややオーバーしつつあったが、今度は暑さよりも蓄積疲労のほうが壁となっている感じだ。それと風が結構気になった。2号橋からの上りやゴール前のダラダラ上りはいずれも向かい風で、疲れた身体には僅かな逆風がかなり堪える。
最初の頂上で二郎さんに追いついたので、下りでせめて引きましょうと、一切ペダリングせずに重力だけで下ったのだが着いてこなかった。耐久レースというのは単に筋力だけでなくコーナリングやライン取りに関する集中力も同時に疲弊していくものだ、とは以前自分でも感じたことがある。まあそれよりペースを乱したくないという心理かもしれない。
3周目でチームポテトのジャージが見えたので何気なく目標にした。チームポテトはまとまり感があり順調にレベルを上げて最近はとても強い。後ろに張り付いて鋭気を分けてもらおう。最初の左テクニカルコーナーからの立ち上がりで、間に入った遅い選手をかわしながらダンシングでポテトを追うと、ZIPP808の反響音で背後を察知したのか道を譲るために彼が振り向いた。
失敬、彼女だった。なぬー。男と見紛う力強い走り。んー、速い。ポテチ恐るべし。

長いようであっという間の5時間、そろそろ終盤をどう走るか考えなくては。残りは70分強、となれば推定7周。小湊さんに、次は2周でOKと告げる。続いて僕が2周、最後に小湊さんが3周してちょうどいいだろう。最後に3周はきついけどラスト1周はカウントされないから2周頑張ればいい。なんとかなるでしょう。走りながらそんな計算が閃くとは我ながら上出来。
公式ラップタイム:10:55 10:32 10:30

休憩時にトイレ(大)に行きたくなったが、思いのほか2周分の時間は早く過ぎた。慌ててピットへ向かう。
第4ヒート(4:12-4:33) 僕にとって最後となる2周は全力を出し切って走ったつもりだが、挽回どころかいずれも10分30秒を完全オーバーし、パッとしないタイムで終わった。ラスト3周、小湊さん頑張ってください。
公式ラップタイム:10:55 10:46

夕陽がタイミングよく沈みつつある中、今年も某フォーク歌手のライブな歌声でレースは幕を閉じようとしている。午後5時になったところでフィニッシュゲートに人垣ができ、ラストランの選手を迎え入れた。はっきり言って、クサい場面ではあります。JCRCレースではありえない雰囲気。最後のこの印象深いゴールを見届けて、また来年も出てみようという気にさせるのだろうか。上手いね。
5時間走りきった二郎さん、お疲れ様でした。ちょっと感動しましたです。
最終周に向け、しんどさを全身で表現
最終周渾身のフィニッシュ

浅倉さん無念の6周、僕が11周、小湊さん10周+1周で、公式記録としては27周。去年のペアの部での29周と比べたら少ないが、それだけ暑かったとも言える。総合トップの篠崎君のチームは、よく見るとトラのナショナルチームメンバーで構成されていておいおいおいって気もするが、トップエリート4名で回して32周と昨年の3名33周より減り、やはりコンディションの厳しさを物語っている。
僕の11周のタイムはピット作業含めて1周平均10分32秒。下方修正した目標ラップ通りで、まあ頑張ったかなあ。

公式記録 ユーロスポーツ物見山B 27周 4:55:41.056 総合20位(172チーム出走)
浅倉さんコケなければAとBはいい勝負だったかも。

ユーロスポーツ物見山A 27周 4:53:22.943 総合17位
物ポンズ混合班 26周 4:57:34.021 総合32位(混合の部3人 1位(混合総合優勝を除く))
チーム物見山(山本二郎さん) 25周 4:53:42.955 総合41位(ソロの部 2位)
ソロ1位は二郎さんと僅か1分差。惜しい。


表彰式を何気なく見ていると、JCRCあたりでは見たこともないチームがたくさんあることに気付く。今日のためにシャレで作ったとしか思えないようなデザインのチームジャージに、呑んだ勢いで決めたようなわけわからんチーム名が入っている(この点ではチバポンズも似たようなもん?)。親戚一同のような羨ましいほどの結束力の強さを感じ、人数も多く、お楽しみサークル系かと思いきや皆キッチリ強くてにわか結成チームとは思えない。一体どういう集まりなんだろう? 世の中にはまだまだ強い人が各方面にたくさん居るんだなということを改めて知ると共に、自分の非力さをしみじみ感じた。