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第28回つくばマラソン2008参戦日誌
2回目の出場となる同大会、去年は準備に追われてスタートに間に合わないという、夢でよく見る大失態を犯した。2008/11/30 フルマラソン 42.195km 今年はアクセスを約30分早め、さらにタクシー利用で迅速・安価・快適な方法を考案。同じ事を考える輩がゴマンといるかと思いきや、タクシー乗り場には寂しく1台ぽつんと居るだけだった。しかもエコカー「プリウス」タクシーでエコエクセレンス! いつものトラ仲間3名+マキさんが加わり4人で筑波大学へ到着。スタートまであと1時間半もある。余裕でしょう。 コンビニで買った朝飯を忘れていた。急いで食べ始める。フルは長いし、ペースは遅いし、スタート3時間前に食べなくても大丈夫と思っていたが、さすがに90分前はちと遅すぎたか。 まだまだ時間はある、と余裕ぶっこいていたのがマズかった。ふと時計を見るとスタートまであと40分。あれ? どうしていつもこうなってしまうんだろ? まあそれでも40分もあれば普通なら何ら問題ないはずだが、去年の経験からこれはヤバイと察知する。順を追って処理していこう。まずは軽量化を果すため、観念してトイレ待ちの長蛇の列に並ぶことにする。明らかにつくばのトイレは不足しているが効率的な列を探すことも大切だろう。 目星をつけた列に並ぶ前にまず、並び始めてどのくらい経ったかを一人に訊ねると、10分という答が返ってきた。列の長さから推測できるのは、彼がトイレに辿り着けるのはあと20分後ということであり、僕なら30分後であるということだ。トイレ処理に5分かかったとして、残りの5分で荷物を預け遠いスタート位置までダッシュするのは100%不可能。仮に間に合ったとして、スタートポジションは去年と同様ロクな位置じゃないだろう。 まずは着替えと荷物預けを先に済ませ、スタート間際にトイレが一斉に空くという可能性(理屈からしてよくあること)に賭けることにした。スタート十数分前にスタンバイOKとなったが、予想に反してトイレ行列は変化が無い。今並んでも、トイレに辿り着く前にスタート時刻になる。 ありえなーい。 すなわち軽量化は諦めるという選択肢しかない。いままさにコンニチハと言わんばかりなのだが仕方ない。あと3時間以上我慢できるかな・・・。 覚悟を決めたお陰で、ゼッケン番号で仕切られた区分通りの位置に忍び込むことができた。ふと見ると人垣の反対側にJYUさんの姿を発見した。僕より20mは後方に位置しており、今度ばかりは知らぬ間に先行されることもなさそうだ。スタート前JYUさんに確認したところ、今日は記録狙いはとても無理だという。三味線プレイヤーJYUさんの言葉を鵜呑みにするつもりはないが、ひとまずかっ飛ばしていくことはないだろう。
渋滞のためしばらくはキロ5分より遅いペースが続く。 ![]() 3時間30分のペースメーカーが、ジグザグに縫うように先を急ぐ姿が見えた。公認ペースメーカーがそんな乱暴な走り方で良いんだろうか? というより、目標より遅い人が前にいて自分は大丈夫か? 去年はジグザグに走ってかなり疲労したので、今年は無理な追い越しはしない。それでも追い越すほうがずっと多いが。 推定300gの軽量化をし損じたことと、昨夜のローラー練の影響も多少はあるだろう、身体が全体的にどんより重く、ホンバンならではの軽快感が無い。まあ、フルのスピードならあまり関係は無いだろうし、それは覚悟の上でのローラー練だから想定内ではある。 そんなことより早くも想定外の問題が生じた。横っ腹が痛い。きゅぇ〜〜〜。コンビニおにぎりやらサンドイッチやら菓子パンやらバクバク食ったツケが出てきたのは間違いない。つまり想定内か。しかし、道中飲んで食ってばかりのアイアンマンで横っ腹が痛くなったことなどないので、このジョグペースで痛くなるのは意外だ。痛みでこれ以上スピードを上げたくないので、渋滞状況はこれ幸いかもしれない。 背中にゼッケン番号が見える人は陸連登録選手の証であり、この付近を走る女性の8割方が該当する。日々鍛えられているせいか、脚がスラッとして大変スタイルもいいので見とれてしまう。僕のズングリムックリな脚と取り替えて欲しいと思う。 大学周回道路を一周し、5km地点を通過、グロスで25分以上かかっており、思いのほか遅いことにちょっとがっかりした。やがて広い幹線道へと出る。しまった、ここはランナーは一車線規制で早くも道幅が狭くなるため、流れが再び詰まる。前段階でもっと積極的にポジションを上げておくべきだったかもしれない。やはり去年と同様、車線を若干はみ出してパイロンの右側を進む。 今日の関東地方はスッキリ晴れるがやや風が強いとの予報から、名物筑波下ろしを覚悟していたが、実際さほどの風ではないので助かる。時折、誰かの後ろに付きたいなと思う程度だ。空気は澄んで、まっすぐ続く道の先には雪化粧をした連山が見えるがあれは何の山だろうか? やがて前方にひときわ密度の高い塊が見えてきた。3時間半のペースメーカーを取り囲む集団らしいが完全過密ブロックでパイプ詰まりの役割を果している。それがペースメーカーの宿命と判っているのだから、迷惑にならないようスタートポジションをもう少し吟味する必要があったのではないだろうか? 固まりが横にもはみ出して、心無いドライバーがクラクションを鳴らす。一定ペースで徐々に追い越すのは無理なのでキロ4分10秒くらいまで上げて一気にパスした。 10km地点で49分、この5kmもまだ目標タイムで走れていないことを知り、体内速度計がやや狂ってきたことを感じる。身体が今やこのスピードに慣れつつあり、ここからギアを一段上げるには少々踏ん張りが必要になってきた。周りのペースに影響されないよう、狙ったペースをきちんと出すように努めると決めた。 長い幹線道区間を終え左折するとようやく道が広くなって選手もばらけ、ペース維持のストレスが消えた。同時に向かい風基調となり、右足の裏がじんわり熱く、マメが出来つつあることを感じていた。まだ10数キロなのに随分軟弱な話だなと思う。 記録がないので不正確だが、15kmまでの5kmは最もペースが速く約キロ4分20秒で走っている。その15km過ぎだったと思う、ふと後ろから名前を呼ばれた。元同僚のキリオ君だった。彼の目標タイムは僕と同程度と聞いていたので、そのうち遭遇するかもしれないとは思っていたが、どうやら僕が気づかずに追い越した瞬間だったようだ。調子を訊ねると只今絶好調との事で、気が緩むとすぐ減速する身としては羨ましい一言だ。しばらく彼と並走することにした。フルマラソンにおいてこういうシーンは前例がなく新鮮だ。 少し行くとさらに左折し、真正面に陽の光を浴びながら走る。キリオ君が「去年はたしかこの辺りでトップとすれ違った」と言った直後に先頭車両がやってきた。凄い記憶力だなと感心。ハーフ地点を二人揃って1時間40分で通過し、そのまま倍にしても3時間20分、序盤のスローペースの影響が大きく、目標タイムは厳しいかもなあと思い始めた。 対向車線のランナーの密度が徐々に上がってきた。見るともなく見ていると、突然見覚えのある派手なCSCジャージが・・・。あれーJYUさん速いなあ!いつの間に抜かされていたんだ?(後で知ったところでは、スタート直前までにポジションを上げて僕より前にきていたようだ・・・やられた)。 それにしてもJYUさんのかっ飛ばし姿はいつにも増して力強い。スタートで気づいてもついていくことは出来なかっただろう。 その直後、顔中汗をびっしょりかいたTさんが後ろから突如現れる。これは何かの手品を見ているようで驚いた。僕をずっとつけていたの?と訊ねる間もなく、再び後方に消えていってしまった。なんでだー? またしても気づかず追い越した直後だったらしく、つまりスタートからずっと先行されていたようだ。どうも今回はスタート時の貪欲さが低すぎたようだ。 沿道で応援するマイティのタッキーさんに遭遇(ここまで来てなぜ応援?)。僅かな間に色んな人に遭遇して賑やかな感じになってきたぞ。程なくして折り返し地点へ到達し、再びタッキーさんの立つ場所に戻ってきたので思わず欽ちゃん走りで応える(意味なし)。マヌケなことに、その時に靴紐に逆足を引っ掛けたらしく、ほどけてしまった。キリオ君に先行するよう伝え(当り前だが)、紐を締め直すこと25秒。再びじわじわと追い上げる。ちょっと止まっただけなのに、その差を縮めるのは大変なんだな。 対面に4時間のペースランナーが集団を形成して過ぎっていく。去年のこの瞬間はまさに彼らの後方を走っていたんだよな、としみじみ思い出していたころ、マキさんとすれ違った。集団にすっぽり埋もれながらの走りは調子がよさそうに見えたが、残りあと半分、同じ調子でつぶれずに走れるかな? なんせ今月の練習量30km(しかもそのうちの13kmはつい先日の皇居練だ)は随分走ったほうだとか言ってたし、どんな速度で走るにせよフルをイーブンで走り通すのは無理だろう。 先ほどまで調子が良かったキリオ君は、どうやらそのミラクルな浮遊感が消えてややしんどくなってきた様子。彼の目標ペースであるキロ4分40秒は明らかに維持できていないように感じていたが、後で聞いたところによれば明確なペースダウンはまだ発生しておらず、その時なぜ遅いと感じたのか謎。この頃、耳栓ケースに詰めたBCAA粉末をエイドの水で飲み込む。 便意は既に抑えられていたものの、尿意がマックスになってきた。ゴールまで持たせる覚悟がないのなら、我慢し続けるのは何も意味がない。ということで、キリオ君に先行するよう伝え(当り前だが)、雑木林の茂みへGo。彼が分身となりロスタイムの指標になってくれる。 下腹部が空洞化したために却ってぎこちなくなった走りでキリオ君を追う。約1分=200m程度の差のはずだが人に埋もれてなかなか見えない。すぐ右折して、追い風区間に入った。アームウォーマーをようやく取り外したのも確かこのあたりだったか。30km地点を通過し、名物?のおしるこのあるエイドに来たが、只今取り込み中につきおしるこギブミーの気分ではないので素通りする。再び右折して国道に入り、しばらく走ってようやくキリオ君を発見。追いつくまでに3kmくらいかかってしまった。 彼とは15kmほど並んで走っていたことになるが、あっという間だった気がする。3時間18分の目標に少しだけ未練があったのでキリオ君にはここで別れを告げ先を急ぐ。ペースアップというよりこれまでの追い上げペースを維持した格好だ。35kmを過ぎた頃から徐々にしんどくなってきた。今日の我慢どころはここからだなと思う。ポケットのZAVAS濃縮ジェルを摂った。肉離れの不安はもう殆ど無いと言ってよく、その点では去年と大きく違う。この先の2箇所の急な上りさえ気をつければ大丈夫だろう。 残り5kmの看板を見つけて、タイムを見るとキロ4分40秒ペースでは3時間20分さえも切れないことに気づいた。去年に続き、ちょうど微妙な目標を見つけてしまって楽になれない。残り3km、残り2kmと減っていく過程で予想タイムを算出するがかなり芳しくない状況なので、40kmを過ぎたあたりでラストスパートに入る。ゴール地点を示す半円状のアーチが見えて俄然やる気が出てきたが、最後のトラック一周分は頭になかったのでガックリ落ちる。電光表示を見るとどうやらギリギリ3時間20分を切ってフィニッシュ。念のため計測ポイントも走りきって通過した。
ネットタイム:3時間18分33秒(キロ4分42秒) グロスタイム:3時間19分58秒 男子総合1088位 気温15℃ 区間タイムはPolar不調のため無し。 ネットタイムで見ればほぼ当初の目標タイムを達成できたが、最後の5kmで無理をして一気に脚が棒になってしまった。いずれはIRONMANのランでこのくらいのタイムを出したいと思っているのだが、かなり厳しいものがあるなと思う。マメも強烈に痛くて歩くのが大変。そろそろキリオ君がトラックに入ってくるころだろうか?とふと後ろを見やると、すでにゴールしていた。あれ?殆ど差がなかったよ。これなら最後まで一緒に競りながら走ったほうが精神的に楽だったかなあ。 暖かい太陽光を浴びながらしばしゴールでウダウダ。荷物を受け取って着替えて出てくるころはまだ3時間台後半で、マキさんは今ごろどの辺りを走っているだろうと想像しつつ、ビールを買ってJYUさんと合流すると、なんとそこにマキさんが居るではないか。あれ? 途中リタイヤ? と半ば本気で思ってしまった。あのあと4時間ペースランナーを追い越して、3時間48分だっけ? 信じられません。やはり看護士として日々忙しく走り回るトレーニングが効いているんだろう。 帰りがけ、近くの中華食堂にフラッと入って反省会。何気にお手頃な店だったです。日も傾き、感じのいい遊歩道をつくば駅までリハビリウォークする中、ゴール直後の生ビール二杯が全然抜けておらず、クダ巻きながらしゃっくりが煩くてスミマセンでした。 |
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