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第19回ツール・ド・おきなわ2007参戦日誌
2007/11/11 市民レース130kmの部 11/10(土) レース前日 朝の羽田はチャリダーでごった返し(ウソ、そうでもない)、みんな自転車持参なものだから詰め込みに時間がかかり離陸がかなーり遅れる。ま、ANA特別協賛の大会だし、元はといえばスカイポーター廃止でこういう結果を招いていると思われるので問題ないでしょう? 参加者は今後も増えそうだし、せめてこの大会用に臨時で配送サービスを提供して欲しいところだが。 TDOに関係ないお客様におかれましては、とんだとばっちりです。 今回の物ポンズツアーは全14名で、別組の松井さん山本さん両御一家も含めるとさらに増えて、かつて無い大盛況。 ハイエース3台でR58を北上し、宜野湾のイタリアンで昼食。猛烈にパスタが食べたい気分だったのに、何を慌てたかピザを注文してしまった。食べ放題なんだから何皿頼んでも良かったのにと後で聞いて大ショォーック。とはいえここで明らかに食べ過ぎたのが効いて、オクマでの夕食は軽いものになった。 ![]() ![]() なんか不満ばっかですか? そんなことはありません。 レース当日 5:30から朝食。もっと遅く食べたいのだが荷物預かりが6:30までなので急がざるを得ない。ロングのトラではないので一杯だけ食べて終わりにした。あれやこれやで結局荷物は7:00ごろ預ける。 今朝も昨日から風の強さは変わらない。試走してみると、向かい風では25km/hもやっとというところがある。経験上これは概ね追い風の恩恵を受けることが予想できる。奥までの向かい風区間を集団で走れば大きな問題は無いだろう。 スタートまでの間、寒いのでゴミ袋を着ていたが、あまり保温効果は無いことが判った。むしろ寒いのはむき出しの腕のほうであり、次は使い捨て腕まきを持参することにしよう。 スタート間際にトイレに駆け込み、戻ってきたらスタート位置への移動が始まっていた、という去年と同じミスをやらかす。でも今年は自転車を浅倉さんに見ていてもらったので事なきを得た。浅倉さんありがとうございます。国際ジュニアにつづき、ほぼ予定の時刻通りに我々市民130kmのスタートが切られた。 8:34 a.m. 市民130kmの部スタート 当然ながら、スタート後の6kmが超向かい風。これは幸いかもしれない。30km/h程度のスローペースで進む分には、仮に落車があっても致命的なダメージは被らないだろうから。とにかく、レベルごちゃ混ぜの300人が道幅一杯に進み全く生きた心地がしない。どうか無事に切り抜けてくれ、と祈るばかりだ。血の気が多く前に出たがる人は、どうぞ前に出て向かい風の盾になってくれ。でも去年のように最後尾をうろちょろしていてはまずい。あくまで先頭が見える位置をキープしなければ。そんなころ、左端でヨタ郎が落車。一斉に緊張が走る。ホソヌマさんはその直後あたりに居たはずだが大丈夫だろうか? ドキドキもんのトンネルをようやく超え、普久川ダムに向けて上りに入る。ガチガチの緊張が解けてホッとすると同時に、本日のハイライトに早くも突入だ。 さすがに集団速度は速い。これは去年居た場所とは違うスピードだ。すぐ後ろにホソヌマさんも現れ、落車の巻き添えは免れたようだ。35km/h前後を維持しており、濃密な集団でのコントロールと全力ペダリングを両立させるのは大変しんどい。先頭は見えにくくなっているがまだ集団は切れていないから問題ない。心拍を見ると160に迫る勢いであり、経験上オーバーペースを意味しているが、緊張からくる値上昇の可能性もあり、いずれにせよペースを落とすという選択肢は無い。 2kmほどでくっと傾斜がきつくなり、ここから集団が微妙にばらけ始める。降ってくる人をよけつつ前を追う。特徴的なペダリングの慈朗さんが見えてきた。今年の作戦はシンプルに「慈朗さんをマークする」であり、ひとまず準備は整った。浅倉さんはもう少し上のようだ。モリーは視界内になく、トップでペースを作っているに違いない。小湊さんは後ろのようだ。 臨界点の160bpmをオーバーし、もはやAT値どころの騒ぎではない。アップアップだ。グヘーだ。前乗りポジションももはやこれといった有効性を感じず、手は尽くしきった感じ。それでいて、トップは徐々に離れていく。とうとう心拍は171bpmと本日最高を記録。年間を通しても滅多に出ない値だ。しばらくして一瞬緩斜面になったが、ここで一息つくほどの回復は得られず、再びしんどい作業が。この坂をもう一度上るのかと思うと急にげんなりしてきた。とてもじゃないけど1回だけで勘弁して欲しい。 ![]() 下りでも徐々に集団を吸収し、やがて2-30人前後のまとまった集団となった。浅倉さんが居るがモリーは見えず、これは第2集団以下という推測が成り立つ。ベストとは言えないが、まあ目論見通りの展開でメンバーも居るし安心できる。ただ、筋肉は7割方蘇生不可能な状態まで追い込んでしまったようで、残り3割の筋肉で騙し騙し走るのがお家芸!とは言うものの、まだ全工程の10%しかクリアしておらず、この先が思いやられる。 しばらく行くと、奇跡的なことに第1集団が居た。記憶では十数名と、結構少な目 [後日追記:実際は3-40人は居たらしい]。モリーも居たので、間違いなく第1集団だ(実はこの時点ですでに一人逃げており、結局逃げ切って優勝してしまった)。お陰で一気に4-50人くらいの大集団になり、皮肉にも去年予想した展開(第1集団は少なく、いずれ大規模な第2に吸収されるはず)通りとなった。また振り出しに戻ったな、などと考える。 3割パワーで振り出しも何もないのだが。 安心感で気が緩んだか、振り向くと誰もおらず、いつしか最後尾を走っていた。ちょうど奥の上りにさしかかろうとしており、ヤベーと直感して慌てて前へ移動するが、同時にトップ集団は活力を取り戻してきて、かなり脚を使う羽目になった。案の定のぼりスピードは速く、後続はやや引き離され気味だ。ここが我慢のしどころその2、と言い聞かせて粘って前へ出る。僕の後ろでごそっと切れた感じがするので、間一髪だったと胸をなでおろす。2度目の170bpm超えとなった。 だが、その後の下りでまた粗方追いついたみたいだけど。 辺戸岬からの海岸線は、追い風の超爆走ゾーン。密集した暗いトンネル内で60km/h以上出ている。恐え〜〜〜。普通に走ったってかなり速いのに、なぜそんなに飛ばすのか?と聞きたいほど、スピードは緩まず、一列棒状でトップは100m先だ。ひたちなかで思ったけど、要するに集団の恩恵の割合が下がる追い風は絶好のリストラ区間なのかもしれない。混じっているジュニア国際が中切れを起こし、前へ出ろサインを出している。頼むよ〜。 ![]() 海岸線半ば、約52km地点 ![]() 1回目はハッキリ言ってオーバーペースで、決して効率的な走り方ではなかったと痛感していたので、今度は慎重に行くことにする。貯めて貯めて貯めて貯めて・・・・と緩斜面を念仏を唱えるように走る。一つの筋肉に集中せず、脚全体を使って一定トルクで回すイメージ。なかなかいい感じだ。これを1回目でやればよかったかなと思う。多分ペース的に無理だったんだろうけど。 だが、傾斜がきつくなったところでやっぱり徐々にトップから離されていく。脚の芯が痺れた感じで、このあと270mを上るには絶望的なパワー残量だ。慈朗さんは相変わらず背後に居るので、これでも及第点、と割り切る。シルベストの人をマークして走っていたが、あまりのきつさに「アタシ、アベしちゃおうかしら」なんて思っていたら(んなこと誰が言うかゴルァ!!)中盤の乱暴な操作でチェーンを落としてしまった。ガチャガチャとディレイラー操作で復活を図るが無駄だった。 トップの存在をまだ感じ取れる範囲にいるなかで、このミスは致命的なものとなったが、正直なところ「これで楽になれる」という悪魔の囁きがあったことは否めない。数メートル差で来ていた慈朗さんにすれ違い際「落ち着いて」と声をかけられ、同時に浅倉さんがパスして行く。15秒で再スタート、やがて二人を再びパスし、ピタリとついてきた慈朗さんと二人で上る。 2回目の上りも159bpmの高心拍を維持してクリア。ダム湖過ぎの初エイドで水だけを取り、残っていた濃厚メダリストは捨てずに持参することにした。 安波の麓への下りで本日最高の74.7km/hを記録。3人列車を拾うなどして、5,6人の小集団が結成された。少ないけどこの人数で頑張っていこう。 ![]() 上りでは自ずと自分が前に出て、ふと振り向くと放置されている。これはお見合いなのか? 暫らくノンビリ走って待つが、そんなことを繰り返すうちに、このグループにいても仕方がないと思い始める。でもあと50kmはあるし、どうしたらいいのか。ペースを合わせるのが面倒になって自分なりに走ることにした。慈朗さんが着いてきてくれたが、さらに2,3ののぼりを過ぎたら消えてしまった! ちょうど高江の関門を過ぎたところで、もはやこれは自分ひとりで行かなければならない、とようやく決意し(慈朗さんすみません)、ペダルを強く踏み始める。トライアスロンと思えば何でもねーべ。 追い風に乗せて気分よくハイスピードを維持できている。市民200kmのトップが一人やってきたのはたしかこの辺り。極限まで鍛え抜かれた筋肉のみで構成されたオイリーな脚が強烈な存在感を呈している。僕と同じTimeにZIPPの組み合わせ、高岡選手だった。秘かに彼の優勝を予想していたがまったくその通りの図柄を目の当たりにして興奮する。すこし離れて4,5人の集団が追っているが、なんだか彼から千切れたみたいで必至の追走に見える。残念ながら奈良さんが含まれていない! 刺激を受けてすこしペースアップするが、その速度差にはまったく呆れるばかりだ。 ポツポツと見える85kmの選手をパスして行く。 今年から85kmの部は130kmのトップ通過よりもずっと前にスタートが切られており、つまりこの時点で遭遇する85kmクラスは相当後ろよりのタレまくっている人たちだ。お陰でクラス混成集団が作られにくく、フェアプレーが徹底されてなかなかいい按配である。と思ったら一人の85kmがコバンザメしてきた。ショーもない奴であるが、一切気にせず突っ走ることにした。振り切ってやろう、くらいの感覚でとにかく飛ばす。逆にモチベーションアップに一役買っていたかもしれない。彼は意外と脚が残っているようで、上り区間でも遅れずに着いてくる。 彼以外では、マトモなスピードの小集団も乗ってくることはなかった。それが正しい。そして、期待している130kmの選手は一向に見えてこない。ある意味当然かもしれないが。今年から85kmになった国際女子もやがて見かけるようになる。過去自分のおきなわ戦で女性に逢うことは条件的にありえなかったのでちょっと新鮮だ。先行するエリートの部を追い越して走る佐渡みたいな感覚だ。 平良の平地区間に入って暫らく行くと、ようやく一人130kmのシルベストの選手を見つける。別クラス数人を従えて走っていたが、ふと気付くとその列車が僕の後ろに連結されていた。そして、平地区間後半でその人が前に出てきて、「ちょっとだけ交代します」と礼儀正しく言って引いてくれた。だがありがちなこととして、彼は少しばかり速すぎたようだ。いままで39km/h前後で来たところ、43km/hくらいに上がった。ここで後続はずんばらりんと切られてしまった。まあ、別に問題はない。意図したことかもしれない。 ![]() ここからは源河三段坂。一つ目は短いので坂というイメージがなかった。慶佐次のエイドで水をもらい、身体にかける。シルベストの人はきっちり着いてくる。 やがて僕は「シルベストといえば一人知ってる人がいます」と話し掛けていた。 そのうちにどうやら彼は初おきなわらしいと知ったので、「ここは源河三段坂といって坂が3つ連続するんですよ。だんだん長くなるんです」と教えてあげた。そういう呼称が一般的かどうかはさておき。 しかし肝心の、今この坂が何段目なのかは自信がない。情報として意味ねぇー! 彼と争うつもりではないが、チバポンズ伝説のエース、ノヅさんの教え通りここでトップテンを半分飲み、カツを入れる。んー、マズい。 「さっきこれ二つ目の坂って言いましたけど三つ目かもしれません」「ああそうですか、それならなおさらいいですねえ(笑)」などといった会話が続く。 どうもこの風景は見覚えがある。明らかに三つ目の「これぞ源河坂」だ(注:源河とは、峠を超えて下りきったところの関門所を言うので、本来ならばこの坂は有銘坂と言うべきだろう)。長い・・・。去年はいともあっさりクリアした記憶があるが、トップテン効果も空しく、極めてしんどまっている状況になってきた。「間違いなく三つ目の坂です」と念を押して、最後の一踏ん張りであることを伝える。シルベスト氏はぴたりと着いてきて集中して走っている模様。 あそこまで行けば頂上が見えるはず、と思って目指したコーナーで、まだまだ上りが続いているのが見えたとき、ブッチ来てしまった。脚が止まる。完全に精神力で負けた。黙々と走っていたシルベスト氏に先行を明け渡し、徐々に離されていく。んー25Tが欲しい(今日は39-23T)。かなり潰れてしまった。ここまでたとえ第1集団で来れたとしても、あっという間に瞬殺されていただろう。 ようやく、頂上の「これより名護市」の看板を過ぎたときは、彼はすでに見えなかった。 この辺で奈良さんを先頭に3人の市民200km第2集団が追い越していく。 踏まずに下っていると、ZIPP効果か彼が見えてきた。最後の上り返しにそなえてダンシング加速し、同時に彼をパスする。が、彼はここで明らかにトーンダウンしたように見えた。 もしかすると彼はこの上り返しを見て「なんだよやっぱり結局三つ目の坂はこれかよ!」と勘違いし、ブッチ来てしまったんだろうか? 僕の巧妙な陽動作戦にすっかり騙された!と怒り心頭な状況? などとあれこれ気をもむ。 それにしてもこの坂も長いなー。去年はほとんど記憶に残って無いんだが。 源河の関門まで降りてきた。金属探知機のゲートをくぐる気分で関門を通過。オッケー次は平地を爆走だ。 ![]() Cramp-stop片手に。200km軍団が迫っていることに気付いてない。 頻繁に脚がつり始め、Cramp-stopが手放せない。そんな折、市民200kmの第3集団6名ほどにパスされる。 その背後に隠れるようにコバンザメしている130kmのギャー人発見。おいこら! そこのグレッグ・ウェルチ(仮名)! どう見ても純200km集団への無賃乗車犯だろ? ウェアを引っ張ってやろうかと思ったが、ギャー人なので諦めた。近くにいたジュニア国際も乗っかる。まったく・・・。 シルベスト氏を待ったほうが良かったかなと思いつつ、一人黙々と走る。前後に誰も見えないこの状況で、頑張ったってしょうがないのかもなーとは思うが、ほかにすることも無いので一応全力で。だが後で思えば甘かった。明らかに油断していた。 5km手前の上り坂で、先ほどのジュニア国際に追いつく。乗った意味が無かったな。セオリー通りトップテンの残りを飲み干す。やがて右手にはAUの店が見え、前方には左へゆるやかに曲がるコーナーが見え、ゴールも間近に迫った頃、「マツシタさあん!」と呼ぶ声がする。後ろを向くと・・・ なぬー! 慈朗さん、何故ここに? 突然のことで事態が飲み込めない。あっという間に4人ほどの列車にパスされて、加速するのもままならない。どうやら粋のいいオーベストの一人が加わって、僕が見捨てた集団が活性化して追いついてきたらしいのだ。すっかり後続の存在を忘れていた。すでにロングスパートに入っている二人を追ってはみるが、心も身体も準備不足。全く歯がたたず、かろうじて慈朗さんをかわしたものの最後は逆に煽られつつ、情けをかけてもらって僕が0.2秒差で先着フィニッシュ。
3:54:26.343 37位(トップから0:10:51遅れ) 平均/最大心拍数147/171bpm 平均速度33.27km/h 獲得高度1990m 23℃ 中風 3173kcal スタートから持参し摂取した物:水700mlにメダリスト500ml用×2 水500ml ゼリー系飲料130g パワージェル1個 トップテン1個 Cramp-Stop その他、カーボショッツ2袋持参したが使わず。 エイドで摂ったもの:水ボトル×3 あまり飲んでない。 んー、最後の最後で間抜けな思いをしてしまったが、気が抜けていたのは事実だから仕方ない。 ま、こんな後ろのほうで着争いしていること自体、まったく意味が無く下らないと見る向きもあろうかと思うが。 その後は、珍しくアワードパーティにも参加することにした。とろとろに煮込まれた豚肉が美味い。 夜は恒例打ち上げ大会。一昨年と同じ海物語で、ハシケンさんが音頭をとっての大騒ぎ。
かなり疲労していたせいか(当り前)、ぐっすり朝まで寝ていた模様。予想していた筋肉痛は起きず、やや張りを感じる程度だ。 ![]() おきなわワールドの鍾乳洞は結構長かった(爆)。ここは、土産物屋のオンパレードといった趣の施設で、意外と誰も何も買ってない! ケチなグループだったのでした。それにしても少々お値段張るんだけどさ。でも雰囲気はなかなかいいのでノンビリするにはもってこい。ガラス工芸、果樹園、ビール工場、多岐に渡って気合が入っている。 国際通りの市場で魚料理を堪能し、急ぎ足でお土産を物色。浅倉さんが案内してくれた焼き物通りはなかなか風情ある興味深いところだったが、時間が無くて残念、引き返す。次の機会にぜひじっくり見てみたいものだ。 |
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