第22回トライアスロン珠洲大会参戦日誌
2011/8/28
Type A (S2.5+B101.4+R23.3)

8月27日(土) レース前日
去年とは対照的に、滞りなく積み上げてきて準備がうまく行っている今年の珠洲。テーパリングもいい感じだ。ベストタイム更新への期待を膨らませながらクルマを走らせる。今年も早朝、というか夜中の3時10分に家を出て、一時強烈に眠くなって30分ほど仮眠したが、順調に高松SAまで。この時点ですでに暴力的な暑さに辟易した去年とは違い、さわやかで心地よい。Tさん恒例?の遅刻もなく、ニーマルチーム全員が一斉集合。今年はTさんがカズミさんという新メンバーを連れてきた。どうみてもトラ歴10数年といった風貌なのだが専門は競泳で、今回は応援。来年はきっと選手として注目を引くだろう。

選手受付・説明会のあと、スタート地点へ移動して結構まじめに試泳した。すでに設営済のコースロープ内を進み、最終コーナーブイから砂浜までの300mを本番ペースで泳いでみる。ほぼ5分。100mあたり1分40秒もかかっている。距離が合ってないとは考えにくい。海で泳ぐとどこで遅くなるのか、いずれ検証してみたいもんだ。

田崎荘の食事はなかなか豪華だ。近海の刺身や焼き魚、地元の海藻など、期待を裏切らない。珠洲は食べ処が大変少なく、昼食にいつも苦労するが、そこで気合い入れる必要はないな、という結論に至る。
夜は気温が下がり、すこし寒いくらいの中でぐっすり眠ることができた。

8月28日(日) レース当日
仲間内ではひとりだけBタイプのカントクは僕らに付き合わざるを得ないので早起きして朝飯も同時進行。ちょっと辛そうだ。
5時過ぎに現地入り。軽量化にやや時間をとられたが、順調に準備は完了。何事も上手く行き過ぎていて不気味だ。大きな落とし穴でもないだろうかと逆に緊張してくる。

かならず装着するチチバンド(ハートレートモニタ)を今回は取り付けてない。特に理由は無いのだが、面倒臭いからというのではなく、前向きにナシで行ってみたいと思ったのだ。装着による圧迫感なども特に感じてはおらず、ほとんど験担ぎみたいなノリで。

9時スタートのカントクにサンダルを託して、最終入水チェック通過。海はほぼ波が無く、潮の流れも確認できない。スイムは6月からの部活動効果で富みに上げてきたので積極的に行けそうな気がしている。先週の三浦遠泳4kmで自信もついた。だが基本は抑え気味で。
キバらない楽なペースで淡々とこなし、どのタイミングでギアをトップに入れるか、今回のレースではそこが一つの肝という気がしていた。
いつも、最前列から三歩くらい下がったあたりからスタートしていたが、今回は場所もたまたま空いていて最前列に並ぶ。バトルの洗礼は受けるだろうがそれよりトップ集団の形成をこの目で見届けたい、という好奇心が勝った。

7:00 a.m. スイム第1ウェーブスタート
その最前列スタートはすなわち前方に空きがあるため、全方位囲まれるバトルから逃れられる、という印象を持った。さほど混乱もなく最初の300mを逃げきる。いい位置につけたみたいだ。
ただ、普段は封印しているスタートダッシュで久しぶりに息の上がるスイムとなる。逆に言えば、最前列だからこそ思い通りのダッシュが可能だった。
最初のコーナーブイを曲がるとき、ゼッケンNo.1の招待選手と並んだ。優勝候補選手をマークできているとは悪くない。
400mのブイで6分。まあまあ・・・か。
500mで8分近い。あれ?

コースロープや先行者に頼った近視眼的な泳ぎではなく、前方遠くに見えるBタイプ(1.5km)の大きな折り返しブイを目印として方向を定める。それが過ぎたら、Aタイプ折り返しブイを目指す。ヘッドアップのロスは当然あるはずだが、確実性が高く無駄な方向修正がなくストレスも少ない。安心して泳ぎに集中でき、トータルでのメリットは高いという判断。新島で覚えた方法だ。

1000mで17分。おかしい。
1.25km地点折り返しブイは22分半。倍にして45分。去年と比べてもあまりに遅れている。これは間違いなく潮の影響によるものだから慌てるな、と言い聞かせる。
今年こそ折り返し後は右側コースロープに沿って進むつもりだった。それが出来ない理由がすこし判った気がした。徐々に左に逸れるのは、遥か先の最終左コーナーを意識するためと思っていたが、どうもそうではない。正しいとイメージする方向がすでに左寄りなのだ。海岸の景色が錯覚を起こさせるのか、方向音痴になっている自分にふと気づく。往きで目印にした遠くのブイを目指せばいいだろうと思うのだが、逆光のためか視野内に見当たらない。修正して右側沿いを目指しつつ、見えない力で引っぱられるように左に逸れていく。そうこうするうちとうとう左端まで来てしまった。ミステリーだ。
そこにいた誰かと一緒に泳ぐ。僕の後ろにも3、4人ついている。

復路は若干波を受けて泳ぎにくくなったものの、逆にタイムは読み通りいいようだ。
最後のコーナーで周囲がやや殺気立ってきたか、ちょっとした混乱があり、漁夫の利で僕の後ろの選手が先頭に出る。それを追う。ムキになって追う。
一瞬浅くなるポイントがあり、立ち上がって飛び込みスタイルで前へ進む。

40分台で浜へと上がった。復路はワープしたみたいに速かった。
そこにはNo.1の選手もいた。自分の泳ぎが決して間違ってなかったことの証明だ。
例によって、シャワーの下でウェットを脱ぐ。スイムのスプリットタイムが落ちるが、例年同じだからそれでいい。
森の中を駆け抜けバイクラックへと向う。カントクとカズミさんの声援を受けて気持ちも昂ぶった。気がつくと目の前にゼッケンNo.2、つまり女子招待選手のカナさんがいる。
去年はカナさんにバイク23km地点でやっと追いついたわけだから、今年のスイムは十分上手く行っている証拠だ。
トランジットではグリコのBCAAスティックを3本ポケットにつっこんだ。こんなチマチマしたもん絶対飲まんだろ、と心でつっこみながら。

SWIM 2.5km 41:10 (20位 スイムトップ差 5:16)
周囲の選手との記録差から、ウェットを脱ぐために停止した時間は19秒と判った。


7:43 a.m.バイクスタート
かすかに向かい風だ。いつもとは違う。
No.174の選手をしばらく追いかけたが徐々に見えなくなる。
やはり涼しい。エイドは素通りする。昨年同様、ユルユル作戦で行く。でもある程度スピードは維持できているはずだ。本当に遅かった昨年とは違うだろう。
三日前に新調したSchwarbeタイヤが25Cでいつもより太いのでスピードメーターは若干低い値を示しているはず。そのメーターは35km/h以下を示している。んー向かい風ならそんなもん。
DAiさんに借りたニーマルのパッドなしレーパンは、サドルが股間にぐいぐい食い込んで思いのほか気になる。パッドの有無というより、ケツ周りの生地の張り具合が足りてないような印象だ。水着のようにパンとした張りがあるとまた違った印象になるだろう。

1つ目の坂(↑50m)で女子トップを追い越す。総合2番手という速さでスイムフィニッシュした彼女は、このあとランラップ総合最下位という誰にも真似のできないレース展開をやってのけたらしい。
狼煙を過ぎると微かな上り坂が続く。いつもなら向かい風に切り替わるここは萎えるポイントだが、今日は追い風で気持ちよく走る。ということは大谷峠まで追い風基調だ。例年とは風向きが逆であることは疑いようがなくなった。
二つ目の坂(↑100m)も追い風で楽に上れる。木の浦はバイクコースで最も眺めのいいエリアだ。
ふと、この眺めをじっくり楽しもうという気分になる。
決して力まない、スピードを気にしない走りをここでも心がけ、観光気分で楽にクリアした。

そして三つ目の坂である大谷峠へとさしかかる。去年から変更されやや遠回りになった上り口はどうやらルート確定のようだ。
標高差250mはさすがに鼻歌気分で上りきれるほど甘くはない。同時に突入した3、4人から徐々に遅れながら、マイペースを貫く。
後半の15%ほどの坂がハイライトと言われるが、僕としては前半の上りの方が長くてきついという印象がある。ほぼダンシングオンリーで上る。
一旦広い道に出ると斜度が緩くなる。エイドで水をかぶり、後半の山場へ。
去年カントクが降りてしまったポイントを思い出す。おかげでだいぶコースを覚えた。この強みは大きい。余力を残して頂上を越えた。2周目もこの調子で上れるだろうか。

案の定、下りに入ると向かい風に変わり、ペダリングしないと60km/h台まで出ない。
平地になった後の向かい風に泣くかと思ったが、意外と気にならなかった。わずかに下り基調のおかげだろうか、35km/h前後を維持する。
突然、あまり応援スポットではない場所で新島でのお知り合いSご夫人から声援を受ける。よく僕って気がついたなあ。まだまだ元気で応えられる。

1周は1時間37分。ほぼ期待通りだ。今日の風向きがプラスに作用しているかもしれない。
2周目は1周目の感触を覚えているので、自分が垂れてないかがよくわかる。たとえば、この坂はアウターのまま上ったよな、とか。
エイドは大方パスする。大したものは置いてないし、まだ自分のボトルが空になってないうちはスピードを殺してまで立ち寄る意味はないだろう。上り区間にある狼煙と大谷峠のエイドだけはしっかり寄っていこうと思う。
狼煙エイドに合わせて、ポケットにあったBCAAスティックを採る。全くの気まぐれ行動だったが、ランで飲むより手間取らないので具合がいい。意外な発見。持ってきてよかった。

二度目の大谷峠は一筋縄ではいかないことがこれまでの経験で判っている。きつい坂は少しジグザグに走って慎重に負荷を抑える。同時に坂に入った数人はやはり先へ行ってしまうが、逆にタレる人もいて、明暗が分かれた。
毎年ベンチマークにしているK選手に追いつかれた。軽快に上っていく、スピード差はかなりある。
前方の選手が途中の緩斜面のエイドでじっくり補給している。結構堪えているのか? こちらはそうでもない。スピード差はあるが、余裕度でアドバンテージがあると感じた。
バイクで同時スタートし、それっきりだったNo.174にいつの間にか追いついていた。ペース配分の勝利だ、と思った。軽々とパスする。
思ったよりもダメージなく大谷峠をクリアできた。

ボトルの水を飲み干し、バイクフィニッシュ。

BIKE 101.4km 前後のトランジット含む 3:17:31(23位 バイクトップ差 17:23)
実質タイム(Fホイールが動き続けた時間)3:13:50 ave 31.4km/h 獲得標高1157m
Swim+bike 3:58:41(18位通過 総合トップ差17:42)

10:58 a.m.ランスタート
スタートゲートの計時板がギリギリ3時間台を示している。ほぼ目標通りだ。
通り沿いのギャラリーの前でカズミさんの声援をうけ、おもわず欣ちゃん走り。われながら余裕がある。気持ちも前向きのようだ。
グリコのBCAAジェル、ワンセコンドを早速チュルチュルっと仕込んでおく。炎天下でホットジェルになっていた。
そけい部痛なし、極めて順調。この気温なら、キロ4分半以内を通せるだろう、と考える。

珠洲ランコースの不満点は距離表示板が少なく、その上不正確だということ。2km毎の表示は信用ならないことが判っているし、後半はそれすらも途絶える。なのでペース配分を正しく知る上でも、SuuntoのFootPodに全面的に依存するつもりだった。それが今、動いてない。Suuntoの速度表示は0、リトライしてもFootPodの信号を一向に拾ってくれない。どういうわけだ?肝心なときに不調とは。
2kmほどでリズムが安定してくると、徐々にペースアップ。体感的にはキロ4分20は切れている。速く走ると、エイドが近い。そんなに無くてもいいのに、などと、去年とは逆のことを思ったくらいだ。
順調に飛ばしていてもそれより速いのはいる。No.174に抜かれた。バイクで垂れた人はランに入っても限界のはず、と思っていたが彼にはその法則が通用しないらしい。

No.174を視野内に納めながら走る。
大谷峠でパスされたK選手が遠い先に見える。その姿がいつまでも消えないどころか、僅かに近づいてきたのを感じた。
もしかして、トップ常連の彼に追いつくということがありうるだろうか、奇跡は起きるのだろうか、と思い始める。
徐々に確実に距離を縮めている。キロ4分10くらいまで上げているはずだ。この調子でいくと間違いなく追いつくはずだから、焦らずに集中しろ、と言い聞かせる。
この間にもまた一桁ゼッケンの選手を抜く。

海が見え、唯一のアップダウン区間に来る。単調なコースの中で、最も特徴あるエリアと言えるだろう。ここから見附島(軍艦島)がちらりと見え、折り返しが近いことを示している。
トップが折り返してやってきた。シナリオに狂いは無く、ゼッケン1番の選手だ。
その後2番手、3番手と続いた後、ごっそり3人くらいパックでやってきた。上位でこんな接戦を繰り広げているとは。今年のレベルは高いな、と感じた。
下りの勢いでまた一人パスする。もはや怖いものは無い、というノリノリな気分になってきた。

10kmを約43分で通過。無理は感じない。単純計算で23.3kmを1時間40分強。結果的にはこれはトップ選手に比肩するレベルのハイペースだった。だがそんなに速いという意識は無かった。キロペース4分15はさほど無理な速さではない。
だが、結果的にはトップの平均キロペースがそのくらいであり、暑さなども勘案するとそれが限度だったのだ。あきらかに僕はオーバーペースだった。

田崎荘の前を通過する。今年も女将さんは宿の前に座っていて、そして僕が手を振って通ってもムスっとノーリアクションだった。いつになったら宿の客と気づいてくれるのだろう。
折り返しのエイドを目前にして、初めて異変を感じた。ちょっとくたびれたな、という印象。
これまでエイドはほぼ減速せずに通過したが、初めて立ち止まってじっくり補給を取った。
再び走り出しても、疲れた感じはとれなかった。少し飛ばしすぎたかな、とここでようやく思いつき、落ち着くまでペースを落とそうと考えた。
キロ5分くらいまで落としてみた。一気に楽になり、希望が見えてきた。そうだ、これでいいんだ。

ところが、状況は好転するどころかますます苦しくなり、早くも2kmくらいで再び限界状況になってきた。
ほとんど気にならなかったはずの暑さがいつのまにか堪えている。急に気温が上がったのか、それともヘタレてきたせいか。
対向に女子トップのカナさんの姿を認めた。差は十分ある。ランで大潰れした去年は15kmあたりで追い越されたが、さすがに今回その可能性はない・・・いや、本当にないと言い切れるだろうか。
見覚えのあるウェアに目が止まったが早いか、A吉さんが明るく声をかけてきた。「皆生のリベンジするよ」と昨日A吉さんには自信ありげに宣言していたが、またしてもだらしなくヘロった場面で遭遇してしまった。続いてあまり間をあけずにシンさん@吹田、そしてDAiさんとすれ違う。DAiさんには「疲れた!」と八つ当たるかのように叫ぶ。なんて奴だ。

エイドで長居するようになった。今頃になって、エネルギーが枯渇しているのかもしれないなどと思いつく。そういえばPowerJel系の摂取をまったく考えてなかった。テーブルの上を見渡すと、腹を満たしたいものが見当たらない。イチゴジャムの挟まったサンドイッチでもあれば良かったか? 
しまったな、と思っても後の祭り。とりあえずオレンジを一つつまんで終わる。氷をポケットとパンツの中へ仕込む。皆生のランで潰れたシーンと重なってきた。
往きで追い越した選手にポツリ、ポツリと抜き返される。その度にハイペースの愚かさを思い知らされるが、なにくそと思って付いていく気力は全く生まれない。抜かれることに平気になっている。もう少し危機感がないとダメだなあ、などと思いながら何も出来ない。

距離感がすっかりなくなっている。
距離表示がしばらく見当たらず、頼みのFootPodは復活しない。タレまくってペース感覚は完全に狂い、エイドで好きなだけ休んでいるため、どのくらい走ってきたかさっぱり判らなくなってしまった。
単調で似たようなこの景色は珠洲5回目でもなかなか覚えられないでいる。次回はキッチリと下調べして、目印となるものを独自に決めておくのがいいかもしれないな。

「ゴールまであと4km」と毎年肩透かし情報をささやくオヤジが決まって出没するのはたしかこの辺りだったか・・・。頼む、姿を現し、コースの記憶が正しい事を示してくれ。そして本当は「あと6km」と安心させてくれ。遠くに見え始めた「残りあと○km」の看板の数字が8なのか6なのか、今はそこが非常に気がかりなのだ。まあ得てして望まない方の値が正しいと決まっているもんだが。ゆっくりと看板は近づき、6の文字を確信。ほっと胸をなでおろし、もしこれが8だったら失望から足が止まったかも、と思った。

タイプBのラン折り返しコーンが見えてきた。つまり残り約5kmってことだ。人口密度がぐっと上がり、周囲の活気に包まれて奮起できるかと思ったが、タイプBの選手に追い越されても喰らいつこうという気が起きない。速度差がありすぎてハナから諦めている。
そろそろカントクが来る頃かも、との予想通りに向かいから元気な顔のカントクが手を振りながらやってきた。羨ましいくらい余裕ありそう。あの大谷峠も怖い高速下りも無事乗り越えてきたからここに居るんだよな、よう頑張ったなあと思うと感慨深かった。著しく精彩に欠ける欣ちゃん走りで応え、なぜ僕は特に好きでもない欣ちゃん走りがお約束なんだっけ? とふと我に返り、少し自己嫌悪に陥る。
折り返し地点からそう遠くないってことは、このペースで行くとゴールまでにカントクに追いつかれる可能性が十分出てきた。まあそれはそれで悪くはないんだけど、その場合の問題は、たぶん着いていけないこと。つまりゴールテープを二人で切ることができない。それはまずい。

残り4km、残り3km。普段の練習ならどってことない距離が途方もなく感じる。距離表示がアテにできないこともマイナス思考に拍車をかける。調子を盛り返すことはなく、スピードはますます鈍り、恐らくキロ6分をオーバー、エイドでのロスを加算した平均速度はさらに落ちている。

残り1kmを過ぎ、ようやく野球場方向へ左折。ここまでくればもうゴールしたも同然で、ラストスパートなんぞしてもいいくらいの場面だが、「残り500m」の看板を見て、まだそんなにあるのか! と突然走るのをやめてしまった。ヘタレここに極めり! 歩かずに走り通すという基本的信念など簡単に吹っ飛んじまったようだ。そしておもむろに後ろを振り返る。ぼちぼちカントクがやってくる頃かもしれないから確認しておこう、などと言い訳にならない言い訳を思いついてしまったのもある。だが本当の理由は、射程距離内に同じAタイプの選手が居ないかどうかを見極めて安心したかったのだ、たぶん。射程距離内というのはもちろん相手にとっての、だ。200m以内にカントクの姿も赤いゼッケンの選手も見あたらないことを確認し、再びゆっくり走り出す。そしてまぶしい芝生で覆われた野球場へと入る。この場面をどんなに待ちわびたことか。 スパートもできずにフィニッシュ。

RUN 10km 1:55:49(56位 ラントップ差 16:42) キロペース4:58 
TOTAL 5:54:30 (19位/653人 トップ差 34:24)

限界ギリギリと思われたランも、終わってしまえば気持ちに余裕が出て、すぐ来るかもしれないカントクと同伴ゴールするために入り口付近へ移動。10分ほどでカントクは元気よくやってきた。並んで走れるだけの体力が残っていてよかった。
だが、ゴールした途端にカントクの具合が悪くなってしまい、救護テントで1時間以上氷枕を抱いて寝る羽目になった。熱中症で気持ち悪くなったようだ。ゴールするまでは気が張っていたのだろう、よくぞ持ちこたえた。
カナさんの姿を確認した。今回意外にもランで潰れたようで、僕と似たようなタイム。でも女子1位は守ったようだ。
ホゲーっと完全に脱力しながらニーマル仲間のゴールを待ちうけるひとときが心地よい。シンさんが最初に入ってきた。皆生の時とは逆に、途中でA吉さんを抜かしたようだ。二人からあまり離れずにDAiさんもゴール。ずいぶん間を置いてからTさんがやってきた。待ちくたびれたよ〜。

例年通りよく晴れ、芝生でまったりする気持ちのいい時間を過ごせてよかった。この大会はピーカンが実によく似合う。
速報で順位を知る。19位、あわよくば一桁順位を狙いたかったが、まったくもってかけ離れていることを知った。ランで潰れたことは大きいが、敗因はそれだけではないようだ。バイクまでは上出来のつもりだったが、ランスタート時点で18位であり、そもそものポジションが低い。一桁順位を得るためにはランをキロペース4分25で走り通す必要があり、バランス的にはバイクの底上げがまだまだ足りてないようだ。
ランで後先考えず飛ばしたことは、不思議と悔やまれない。最近の自分には滅多になかったパターンだったし、一瞬であれ気分爽快だった。そういう意味では今回の結果に不満はない。

今年は田崎荘にもう一泊。このパターンはやはり楽だし仲間と話ができていい。賑やかな一日が終わり、静けさが戻った夜はTさんカズミさんとしみじみ穏やかに打ち上げ。ここの主人は何気にこだわりの一品を出してくれたり、ビールサーバーなどもあって満足度は高い。しんみり夜空の星を仰いだり、翌日はプライベートビーチと化した見附島の海で泳いだ。皆さま来年は是非日曜も泊まろうね。


RESULT
Total 5:54:30 (Place 19/653 年代別2位)
Swim 41:10 (20) Bike 3:17:31 (23) Run 1:55:49 (56)