2010村上・笹川流れ国際トライアスロン大会参戦日誌
2010/9/26
Short Distance

9月25日(土)レース前日
今年は千葉国体開催の都合上、例年参加している銚子マリーナトライアスロンはお休み。シーズン最後のレースとして、以前から気になっていた村上トライアスロンへの参戦を決めた。宮島、館山、珠洲に引き続き一緒に参加するのは成田のTさん。土曜日朝9時過ぎ、常磐道〜会津経由で向かうTさんとは別々に、関越道経由で村上へ向かう。環八で1時間以上渋滞した他はほぼ順調に新潟まで。Tさんとどんぴしゃで合流し、海岸沿いの無料高速を北上する。Googleマップの調べよりも高速道路の終点が一つ延びていた。おそらく来年は村上市内まで届いているだろう。
夕方に選手受付の市役所へ到着。ここが明日のゴール地点となる。出席義務ではない選手説明会では、20年以上の歴史を有するとは思えないほど説明が不慣れで戸惑う人が続出。例えば当日選手の車はどこに停めるのかとか、ごもっともな質問がたくさん飛び出した。僕も「フローティングスタートですか」などと、たぶんそうではない答えを予想して訊いてみると、何言ってんだ、そうだよ、という顔をして短く返答があったのみだった。スイムが2周回なのもこの時点で知った(資料にはどこにも記されてない)。大丈夫かなあこの大会、とちょっと不安になる。
Tさんが数日前にとってくれたこぢんまりとした宿は、僕らのほかにお客は3名の1グループのみで、スイムスタート地点にも近くアタリだった。豪勢で食べきれないほどの家庭料理が出て嬉しい悲鳴。小料理屋も経営しているだけあって美味しい。なんでも、電話予約したTさんの声が若く聞こえたためたくさん用意したのだという。おもしろい女将さんだった。
関東から参加の3名のグループは筋金入りのリピーターらしく、一頃は20人くらいの大所帯だったらしい。この大会が愛されていることがわかって期待が出てきた。

9月26日(日)レース当日
スタート時刻がゆっくり目なので、非日常的時間に起きずに済むのはありがたい。例によって朝食もなかなか結構な充実ぶりであるが、昨晩食べ過ぎて残念ながら半分以上残してしまった。焼き魚は二人で分けて食べた。
Tさんの様子がおかしい。何でもない拍子に骨盤がずれたらしく、いわゆる一種のぎっくり腰をやってしまったらしい。万事休すだ。ウェアも一人で着ることができない。でもレースには出るようだ。大丈夫かなあ。
宿から歩いてスイム会場へ向かう。この上なく気持ちのいい秋晴れに恵まれている。
開会式もきちんと行われ、行儀のいい選手たち。
まずはエリート部門男子が9時半に、女子がその3分後にスタート。浜に平行に泳ぐコースなので一人一人の泳ぎがよくわかり、速さを見せつけられて士気が高まる。一度浜に上がってくる頃にはだいぶばらけており、自分だったらどのポジションだろうかと思いながら選手に声援をおくる。再び海へ飛び込んでいく様は、ペンギンのダイブように愛嬌があった。13分程度で上がってくる選手はすでにトップからは絶望的に遅れており哀れに見える。最低でもこの辺りよりは早く上がりたい、などと考える。

エイジ部門は9時47分から第1ウェーブがスタート、僕とTさんは第2ウェーブで、3分間隔で第4ウェーブまで続く。例年村上の参加者はエイジの部で概ね300人以下だが、今年は一気に440人ほどに増え、リレー部門も合わせると出走者は600人ほどになった。ローカルレースとしては規模が大きく、毎年出ている人から見たらその盛況ぶりは顕著だっただろう。

9:47 第1ウェーブスタート
9:50 a.m. 第2ウェーブスタート
前述した通り本格的なフローティングスタート。ただ、浜からはすぐなので慌てる必要はない。つまり、この海岸は急に深くなる。あまり緊張感もなくスタートする。
浜に平行に350mほどすすみ、右回りで戻るコース。外側、つまり浜に近い側を進むが、結構バトルが収まらない。自分と似たペースの選手がいつもより多い気がした。台風の影響か海水は濁っており、透明度はほとんどない。さらに、傍で見た印象より波があって手こずっている。
復路はさらに波を受け、たまらんなと思った。コースがよくわからず外れてしまう。目標にする選手がいたがなかなか追いつかず、むしろ油断すると見失い離され気味。ようやく二つ目のブイを曲がり、すぐそこに見える砂浜がなかなか近づかない。
1周目を終えて時計を見ると、「このタイムでは上がりたくない」と思っていた13分13秒。
再び海へと入っていくと、落とし穴のように不意に深くなって足を踏み外し、顔から海面に叩きつけられた。ペンギンの入水のように見えたのはこのせいか。
2周目もやはり波に翻弄され、学習効果はなく復路で大きくコースアウトした。それでも、スイムはさほど悪くないと思っていた。まさか27分以上もかかっているとは。

SWIM1.5km 27:37(38位/439 トップ差7:05)
短い競技の割に、トップ差があまりに大きい。ここでの差が後々大きく響く結果に。

股が痒いのではありまへん
10:19 a.m. バイクスタート
スタート直後に急なスロープがあるのでバイクシューズは履いてから乗る。
バイクはほぼフラットの完全往復コースで、序盤にこぶ程度の上りが1カ所、往復して2カ所あるのみ。風もわずかしかなく、とりあえず36-7km/hを維持しているがもう少しペースアップすべきところ。案の定、ポツポツとTTバイクに抜かれる。唯一の上りでは前走者をパス、したかと思えばすぐに抜き返されて逆に離された。トラにおいて上りは比較的優勢との幻想はいい加減捨てなければなるまい。
のどかな海岸沿いを山形方面に向けてひた走る。ここが「笹川流れ」と言われるあたりかと思うが何を意味しているのかは調べてない。徐々に向かい風を感じるようになってきて、巡航速度は34km/hほどに落ちてきた。反対車線にはドラフティングOKのエリート部門が固まりになって弾丸のような速さですれ違っていく。

大したドラマもなく折り返し地点に来て、追っ手を確認しながら復路を走っていると、でっかい固まりがやってきた。30人は優にいる巨大集団だ。やはり村上もドラえもんの国であった。差は4、5分程度とあまりないので、飲み込まれる可能性は十分ある。そうなったらレースへの集中力など吹っ飛んでしまうので意地でも逃げ切らなければ。大規模な集団3つほどとすれ違う。ウェーブスタートなのでトップにまで影響していないのがせめてもの救いだ。というか、後発ウェーブ組にとってはむしろど真ん中なのか。女子も混じっている。
30kmあたりで早くも脚に違和感が出てきた。先日気まぐれにもサドルを3mmほど上げており、その効果で今までとは異なる筋肉の動員を実感していたが、それ故に疲れ方も違ってきているようだ。
幸い集団に追いつかれることはなくバイクを終える。「大きな集団がきました」とのMCが聞こえたので、ぎりぎりだったのかもしれない。
バイクでの心拍数、EPOC、スピードのグラフ
風向きの影響で折り返し後のスピードが上がっているが、EPOCは下がり始めHRはショートにあるまじきレベルまで落ちており、即ちタレが見られる。前半のペースに問題は見られないので、単にバイクの練習不足が結果に現れている。

BIKE 40km 前後トランジット含む 1:08:57(39位/439 トップ差5:46) HRave/max=144/159
トランジット除く実質Ave=36.5km/h
スプリットタイム 1:36:34(35位通過 総合トップ差11:55)


トランジットでは自分のバイク位置が分からず、勘違いに気づくのが遅れて右往左往、ここで1分以上無駄にしてしまった。あわててランスタート。

11:26 a.m. ランスタート
走り出してすぐ実感したのは、どこからともなく自信が漲る感覚。ホームコースの本門寺ランと比べたらほとんど平坦なんだから何も躊躇うことなく限界まで飛ばせるじゃないか、となぜかイケイケモードだ。そして実際、その通りになった。
序盤で二人の俊足ランナーにパスされたが、ゼッケンから第1ウェーブ組と分かる。彼らに3分差を付けられずに走れば、あんなにランが速い選手にも勝てるのか、と思うと期待が膨らんだ。あまり離されずに視野内に留めている。この調子で行こう。
JRをまたぐ陸橋をグイグイ走って越える。省エネ走りというキーワードは今日は現れない。村上駅近くではお祭りのような催しも行われていた。にぎやかな市街地に入ってきた。
5kmからは周回ルートへと入り、ここを2周半する。古い家屋が建ち並んだ風情ある町並みを占有して走れるのは爽快だ。1km毎の距離表示から、キロ3分台は余裕で出ていることが分かる。久しぶりのハイペース維持が自分でも信じられなかったが、それゆえ気分が良かった。なぜこんなにも脚がよく回るんだろうと不思議だった。9月も半ばを越えても猛暑から抜け出せず、最近まで酷暑ランしか記憶になかったので、今日のこの涼しさは新鮮であり、調子良さを生み出す素となっているのは間違いない。
さすがに周回ルートに入った頃からバテ始めたが、沿道の応援も多く、励まされる要因がたくさんあったため何とかペースをキープできた。ラストスパートでは本当に苦しかった。
ランの心拍数、EPOCグラフ
ランラップの記録は体感よりもペースが一定せず、距離表示板の正確さに疑問有りなのでグラフは省略。
後半は160bpmを超えており追い込めている。EPOCも右肩上がりでタレがない。最後の急な上昇を見ると、もう少しロングスパートであっても良かったかなと思う。


RUN10km 38:49 (21位/439 ラントップ差 4:34) キロペース3:53 HRave/max=158/166

TOTAL 2:15:23 (24位/439 トップ差15:13)
BIKE+RUN HRave/max=149/166 TE=5.0 EPOC=362ml/kg 1361kcal


10m前を行く選手を刺し切れずにフィニッシュしたのが唯一残念だったが(別ウェーブの人だった)ランできっちり追い込めて満足したレースとなった。
前回のアクアスロンと同様に、ゴール後のダメージはほぼなく、まだ再スタートも可能なほど元気がある。よほどバイオリズムがうまく合致したようだ。
周回ルート上は大勢の選手が走っているので応援も楽しい。ここでTさんが来るのを待ったが、一向に現れない。まさかな〜とは思ったが、やはり腰痛が悪化してDNFだったようだ、残念。

腰はその後大丈夫ですか?

ゴール地点の市役所の隣には体育館があり、その2階で食べ物の提供があるのでどぞ、としきりにアナウンスしているので、まだ走っている人がたくさんいるんだけど行ってみる。渡される料理待ちの列が長く続いていた。一通り食べ終えて、体育館を出る頃にはとてつもない長さの行列になっており、レース終わった人から早く行って食え、と言っていた意味が判った。正直なところ、そうまでして並ぶよりは食べないと決めた方がシアワセだよ、と言ってあげたかったが。
こんな感じのところで・・・
これを食べる
スタート地点にシャトルバスで戻り、片づけた後に村上のおみやげを買っていく。ここは温泉饅頭が名物らしく、専門店がいくつか軒を並べていた。いろんな種類の温泉饅頭を化粧箱に好きに詰めていく売り方がおもしろい。ありそうでなかったな。
秋晴れの気持ちのいいレースだったが、帰りの関越道は途中から本格的に降られた。

RESULT
Total 2:15:23 (Place 24/439)
Swim 27:37 (38) Bike 1:08:57 (39) Run 38:49 (21)