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第26回大田原マラソン参戦日誌
2013/11/23
マラソンの部 42.195km
一昨年同様、朝4時起きの4時45分自宅出発。大田原マラソンは毎年祝日23日開催と決まっているが、今年は土曜日にあたるためか高速は混んでおり、東北道では事故渋滞も発生、見通しのいい緩いカーブで小型トラックが横転していた。SAには寄る暇もなく走り続け、車内でおにぎり2個とお稲荷3個を平らげ、大会会場着は7時半。滑り込みセーフで近い駐車場に停められた。
サブアリーナで準備、前泊組のゆかっち&ショウジさんとも合流。スタートを待つ。
本大会の特色のひとつスペシャルドリンク預託は、19km地点と34km地点に預けることとした。本来は24km地点に置きたいのだが、上りの真っ最中で走りながらの補給がしんどい、と前回学習したため避ける。スクリューキャップのコーヒー缶にクエン酸スポドリを充填、ハニースティンガーを括り付けた。
スタート20分前、ぼちぼちスタート地点へ移動。さほど待たずにトイレで軽量化も無事済ませ、不安材料はなくなった。
雲一つない日本晴れ。気温も暑すぎず寒すぎずちょうどいい。風は少なめ、これ以上ないくらいのコンディション。言い訳の材料は何一つない。
スタートの陸上トラックに入るところでまめきち。に遭遇。先週横浜国際女子で勝負レースを走ったばかりだというのに、なんという回復力だろう。横浜が余裕ありすぎたか。どっちにしてもありえーん。
レース数日前に決めた今回の狙いどころ、キロ4:18イーブンペース(21:30/5km)で行ってみよう。
最後までタレずに走り通せるのがキロ4分18と踏んだわけだ。はたしてその見通しが正しかったのかを確かめるというモチベーションでレースに臨む。
スタートゾーンにひしめく人の列を見て驚いたのが、陸連登録ランナーの多さ。名簿によると1800人以上。女子は登録のほうが多い。一般はその次に並ぶので、かなり後ろになる。こりゃ参った。登録者が速いとは限らないのが困った問題で、前がつっかえてロスが大きい。記録狙うなら登録しないとヤバい。
「一般3時間以内」のプラカードの先頭に並ぶが、意外とここは空いている。なるべく前でスタートしたい貪欲な人はそもそも登録するからでしょう。
10:00 a.m. マラソンの部スタート
スタートライン通過は47秒、一昨年は一般の先頭に並んでなかったが、それでも14秒で通過できた。カテゴリー構成比が2年間で大きく変わった。
その後もトラック内で渋滞し、一般道へ出てからは歩道を使って追い越しを図る。2km通過は10分12秒。予定ペースからは1分36秒の遅れ。
まあでもサブ3は狙ってない(狙えない)ので遅れを回収するつもりはなく、生きた心地がしないほど焦る例年に対し、心穏やかにペース作りに集中できるのが大きな違いだ。
4分18ペースは本番ではスローに感じるはず、と見込み過ぎて本当にただ遅いだけになってないかPolarをチェックしつつ、4:19、4:17、と最初から誤差のないペースを刻めていることに気をよくする。頑張るという感覚が全く要らない。今日のストライドセンサーはキロ4分3あたりを示し続けており、シューズをTakumi-Renにしてからキャリブレーション値を何度か見直したが、今日はまた大きくずれている。レースは走り方が異なるのだろうか。
途中の交差点でカントク発見。警官となにやら話しているのが見えた。
カントクはこのところ脚の痛みに悩まされておりジョグすらままならない程なので出走を断念、Anchor号で応援ライドをすることになった。今朝二人で綿密に確認し合った予定ルートを外れた交差点で立ち往生。あーあ、さっそく道まちがえてるよ…。
5km 23:03 P4:36 HR137/147
今年からなのか、1km毎の距離表示ができたのはありがたい。設置も分かり易く、見逃すことはほとんどない。ただ、電柱に括り付けられていたりとか、もしかすると正確性に疑いが持たれたので、1km毎のラップタイムでスピード調整しないほうがいいかもしれないと思った。
スタート直後は緊張感からか心拍が想定以上に高まっていたが、7kmあたりで130台に落ち着き、淡々と走る準備が整った。昨日も今朝も脚の怠さを感じ、調整ミスを予感していたが、今は極めて快調に動き、杞憂だったようだ。このイージーな状態が最後まで続くとしたら、レース負荷の走りをしたことにならないな。
カントクが現れる予定の交差点にその姿はない。今頃どこをさ迷っているのだろう。
10km 44:32 (21:29 P4:18) HR139/144
時計のように正確なペースを刻み、楽な走りが続く。それもそのはず、ゆるやかな下り基調なのだ。後で思えば、それをうっかり忘れていたかもしれない。自分の実力ではないということを。
箒川周辺は特に景色もいい。川を都合二度渡るが、その前後は短い急なアップダウンとなり、その一つ目が来る。下りがあまりありがたくないことに気づく。少なからず脚に来ている証拠だが、にわかに受け入れがたい。そして、川を渡ると急な上り。ここでイーブン貫くのは結構きつく、心拍数が一気に上がった。
15kmのエイド手前で一つ目のハニースティンガーを摂る。
15km 1:06:03 (21:31 P4:18) HR141/153
7、800mほど対面通行区間があり、先行選手を見られる。別段大したことなさそうな選手がぞろぞろとくる。自分より速いんだよな。サブ3ペーサー集団は見つけられなかった。見落としただろうか?
地元のRyuさんが今年も応援してくれる。まだ余裕はあったのだが、なぜか口から出た言葉は「ヤバい!」。このころから、怪しげな兆候を感じていたのかもしれない。
19km地点のスペシャルエイドが現れた。自分が何番テーブルかを未確認だったので、これまでの2回のスペシャル通過で11番テーブルと学習。カウントダウンように自分のテーブルが近づくと、見つけられるか不安で緊張してきた。預けた物が小さくて地味なので目立たないかと思ったが、それゆえ気を効かせてくれたのか、先頭の角に置いてあり難なくゲット。
何を思ったか、直前に選択した缶コーヒーの容器。口が広いのが飲みやすい、珍しさから却って目立つかも?などの期待があったが、結論としては、全てにおいてダメ。まず口が広いのは上下動で容易に溢れ、鼻に入ってむせる。冷静に考えれば判りきったことだった。そして、アルミ缶は容器を潰しながら中身を押し出して飲むことができない。さらに、コーヒー缶の柄はやっぱり地味だ。
口が細長いドレッシング容器のようなものが多く使われていたが、納得。
ジェルをガムテープで留めていたが、粘着力強すぎて剥がすのに難儀した。これも考え直すべき。
スペシャルに続いてジェネラルテーブルがあるので、その間に落ち着いて飲み終え、容器ゴミはジェネラルで捨てるとよい。
20km 1:27:29 (21:26 P4:17) HR144/151
黄色信号ではないが最初の頃の楽な走りとはちょっと違う。単に、少し疲れてきたって感じ。4分18ペースは楽すぎるのでもっと上げちゃえ、との葛藤はなくなり、無理に目標を釣り上げる必要はない、の気分になってきた。少しずつ余裕がなくなっている。
中間地点通過は1:32:10、あと半分って思っても別段無理な感じはしないのが一昨年とは異なる。1時間半を切っていた時と比べてるんだから当然だ。概ね周囲を追い越す展開が続いているが、一人追い越されたので何となくついていく。ペースが上がったかも、と思ったがそうでもない。このまま着いていくことに決める。
24km手前からいよいよ長い上りが始まるが、最初が結構急坂。4分18維持はかなり大変。ほぼ全力のイメージだが、やっと走り甲斐が出てきたぞって感じで割とポジティブだった。
25km 1:49:04 (21:33 P4:19) HR146/153

やがてマークしていた人が遅くなってきた。タレたのではなく、上りで無理をしないタイプらしく、今日の僕とはコンセプトが違うと考えパスする。
この5kmすべてがハッキリとした上り区間。4分18は何としても維持したい。これまでが楽だったし、サブ3狙いの時はもっと速い必要があるのだから、この程度のことはクリアできないでどうする、という気持ちで。
その考えは間違っていたかもしれない。
「ミネラルはありますか?」とスペシャルテーブルに頼み込んでいるオッサンがいた。ここはナンデモ屋ではないぞ。要求すれば何でも都合してくれると思ってるのか? と訝しく思っていたら、おばちゃんが、「ジェネラルはこの先だよ」とさらりと流す。
ジェネラルをミネラルと言い間違えるほど脳が疲れていたのか、ジェネラルはミネラルが摂れる場所と思っているのか、たぶん両方だ。
30km 2:10:35 (21:31 P4:18) HR151/155
いったん上りが緩くなった気がした(勾配グラフによればそれは錯覚)。が、4分18ペース維持は相変わらずきつく、心肺はフル稼働中。Takumi Renのミラクルな走りが消えている。まるでパンクしたタイヤのように、ソールの厚みがゼロになっちゃったんじゃないの?って感じ。バネが効かない。そのうち足首固定筋が無くなり、ドタバタ走りになってきた。こうなるともうダメなサイン。
33km前後で再び上りが目立ってきつくなり、さすがにキロ4分18を維持できない。しかし、35kmまではとにかく目標を貫け、という意地があり、フォアフットに切り替えて上りを頑張る。心肺の限界状況が続く。
これまでは給水は喉を湿らせる程度で来たが、ここにきて喉の渇きを覚えたので、34kmの2つ目のスペシャルエイドでは、クエン酸を飲みきる。ハニースティンガーを飲む気持ちの余裕がない(結局最後まで飲まず)。
35km 2:32:43(22:08 P4:26) HR154/159
35km手前のおそらくハイライトであろう急坂をようやくクリア、道はひとまず平らになった。スローダウンは坂による一時的なものであったことを証明したいのだが、すっかり力を使い果たしてしまった。4分18に戻せないばかりか、どんどん遅くなるシナリオは避けられないことを悟る。それと、先ほど一気に摂った水分のせいで横っ腹が痛い。脚の痛みと腹の痛みで二重苦、ぐへーかんべんしてくれ〜。
無難なペースを守って走ってきたのに、なんでこうなっちまったかな〜? と惨めな自分を振り返る。スタミナが全然足りない。それに、水分不足か脚が攣りそうだ。
37km付近でカントクとようやく遭遇。ゴールまで見守られながら走る。
カントクからのカツも空しく、みるみるペースが落ちる。これまで楽をしてきた分、神は倍のしんどさをお与えなすったという感じ。ボトルネックが脚にあり心肺は遊び始めた。こうなるともうホントにダメだ。
ずっと周囲を追い越すばかりの展開できたが、ぽつぽつと追い越され始める。その度にフォアフットからヒールストライクに戻して追走を試み、一瞬だけスピードが上がる。だが消耗も激しい。淡々と走った方がトータルでは速いかもしれない。
やっと目印のTOBUの看板が見える。しかし100mとて走りたくない今は全く救われた気がしない。
40km 2:55:45 (23:02 P4:36) HR152/158
41kmまではキロ5以内を死守。あと1kmってところで気が緩んだ覚えはないのだが、大タレしたようだ。
ラストスパートどころか、トラックでは歩きたい気持ちを振り切ることで精いっぱい。レースがあと2,3km長かったら辿り着けなかったかも、というくらい垂れた。途中からタイムを気にしないで走っていたが、ゴールゲート脇の計時板にまさかの6分台を確認し、うなだれ打ちひしがれながらゴール。
42.2km 3:06:52 (11:07 P5:04) HR148/152 nettime 3:06:04
42.195km 3:06:52(grosstime) P4:26 3:06:04(nettime) P4:24
HRave/max=145/159bpm 2468kcal
獲得標高133m(2010年値) 気温15℃
33km以降をキロ4:18ペースで予定通り行けた場合のゴールタイムは3:03:02。つまり3分50秒遅れた。イーブン走を目論んだ今回はこの差は大きい。40km以降のわずか2.2kmで1分40秒も遅れを作っており、垂れることの影響の大きさを示している。
出迎えたゆるキャラと朦朧状態でハイタッチというかロータッチしてとぼとぼと歩いていると、ショウジさんと遭遇。50分切りを宣言していたはずが、ぎりぎりサブ3だったみたいで、25km付近では歩いたという。そんな途中であっさり走るのを止めてしまう大胆さが逆に新鮮だ。
意外と暑かったのではという話だが、少なくともこの気温で暑さを言い訳にはできないな。
とは言え敗因の一つに給水不足はありそう。立ち寄り湯の体重計から推測するに、ゴール時の体重はスタート時と比べ4kgほども減っていた。これは体感をはるかに超える値だ。
寒いと汗をかかないし寒くて飲みたくないってのもあり、給水少なめでもOKかと思っていたが、実は全然足りてないのかもしれない。
4人でいつもの立ち寄り湯にクルマで行く。コース上にまだ人が走っている時間帯だったために交通規制にひっかかった。出走者は僕とショウジさんだけなので移動開始が例年よりずっと早かったのだ。その分、温泉は一番乗り!のはずだったが、ランナー客なぞ居なくたってここはいつも混んでいるようだ。ぬるぬるのヌルい上質な温泉に長々つかってホゲタイム。
二人を那須塩原駅で下ろした後、帰りは、初回に寄ったR4号沿いのイタリアンの店にしつこく行ってみる。残念ながら完全に廃業していた。ガソリンスタンドの如く廃業した店舗をほかにもいくつか見た。趣向を変え安定品質モスバーガーへ。国道は酷く混んでいるというのに店内は僕ら二人だけ。外食産業危うし?
帰りも東北道は混み、19kmの渋滞通過に200分などとふざけた値が出たので、栃木ICで下り真っ暗な渡良瀬遊水地脇をさ迷った。日本の道路ってまだまだ判りづらいなあ。
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