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第28回三浦遠泳大会
つい先日まで今年一番の暑さだったのに、一昨日から一気に涼しくなって、今朝は寒いくらい。長袖で出かけようか本気で悩んでしまった。小雨降る中、朝7時過ぎに家を出る。2011/8/21 オープンウォータースイム 4km 三浦海岸までは鉄道で1時間半、京急快特があるのでアクセスは快適だ。駅に降り立った人の多くは大会参加者のようだ。ぞろぞろと歩く人の群に着いていく。 受付でキャップやアンクルバンド等を渡され、海の家の一つを指定される。ここで着替えや荷物預けをするシステムになっている。職場の水泳部と合流し、のんびりとウェットを着て準備。この寒さならウェット必須だな。あれ、T監督もウェットを着ているぞ。「オレ着ないって言ったっけ?」言った気がするんだけど。 スタート20分前。今日一日中雨予報がはずれて、曇り空に変わっている。アップがてら少しだけ海に入る。千倉の海より塩分が濃くて、生臭さとか磯臭さがより強い気がするのは、海が茶色く濁っているからだろうか。やっぱ千倉は良かったなあ。 10時に第一ウェーブがスタートしていく。事前説明と違って正面の樽型ブイを無視して斜めに泳いでいく人たち。ルール崩壊なのか、と思ったがどうやらそれが新ルールのようだ。直角の第一コーナーブイに選手が集中しすぎる点を直前になって省みたのだろうか。 10:00 a.m. 第2ウェーブ(40歳代男性)スタート 数歩で深くなり、泳ぎ出す。いくらか混雑もあったがまあほとんど想定内だ。先頭で泳ぎだして揉みくちゃにされているのがいる。身の程を弁えたスタートを考えよう。 徐々にバラけてきて安定してくると、ふと前方を泳ぐ選手に目がいく。T監督ではないか? 支給キャップの下に会社のキャップを重ねて被っているのですぐ判った。T監督は今シーズン実業団全国大会を目指し日々尋常ならざる距離を泳ぎ込んできた。県大会の400mフリーでも大きく水をあけられ、ハンパなく僕より速い。ここで見つけたのはラッキー。なんとしても見失わないよう、できる限り着いていくことにしよう。 T監督のスリップストリームを利用すべく、背後への接近を試みる。ところがこれが一向にうまく行かない。やはり速い人に追いつくのは簡単ではない、と思ったがどうもそれだけの理由ではないようだ。キックを激しく打つため見失うことはないのだが、水泡が派手に広範囲に発生し、その泡を辿っていったその先にT監督の姿がない、ということが多い。気泡を煙に見立てた忍法火遁の術、という感じだ。つまりT監督は小刻みに蛇行しながら泳いでいるんじゃないかということが次第に判ってきた。 キックの水しぶきで水を飲み込むこともしばしば。かなり塩辛く、ゲホゲホとむせた後二三度オェ〜っとなりスタート前に飲んだ甘いジェルが逆流して中和される。 T監督への小判鮫作戦は一向にうまくいかないが、蛇行する分プラマイゼロで引き離されずに着いていけている感じ。それでもたまに効率よく7、8mくらい一気に離され、慌ててダッシュする。この調子で最後までT監督に着いていくのは厳しいかもな、と弱気になりかける。 その僕にくっついている人がしばらくいたのだが(足の裏を触るので判る)、1kmの直線路を真剣に泳いでいるうちに居なくなった。T監督が結果的にいいペースを作っているのは間違いない。 浜から見た三浦海岸は穏やかな表情だったが、実際泳いでみると案外うねりがある(これでも例年よりは穏やかなほうだったらしい)。ブイは見えにくいし、呼吸がうまく出来ないこともある。水は濁っていて透明度は2mほど、うっすらと単調な海底が見えるだけだ。すなわちあまり泳ぎやすいとは言えない。 二つ目のUターンブイで少々手こずり、前ウェーブの遅い選手をかわすのにちょっと手間取っていたら、T監督を見失ってしまった。よく観察するといつの間にやら遙か先。やはりいずれは差をつけられる運命だったか。 この調子で泳いでいても一向に追いつくことはないだろうという気がしてきて、ふと思いついたのがキックだ。いつも通り僕はまったくキックを打ってなかったが、いつもの2種目目はないのだから下半身を温存しても意味がない。 ウェットでかなり浮くので、動作の大きい2ビートだと波の上を叩いてしまう。小刻みに6ビートで行く。加えて、自分は進んでいるんだというポジティブイメージで。 1周目が終わり、右正面にゴールゲートが見えた時点でのタイムは約33分。倍にして66分。目標をすでに下回っており、少々がっかりだ。2周目は何か工夫が要るだろうかと思う。 心なしかT監督に近づいてきたように見えたので、気をよくしてさらにキックを強く打つ。徐々にT監督を捕らえ、このままだと抜けそうに思った。右から追い越しにかかると、T監督はまるでブロックするように右へ逸れてきたので、いったん引き下がって左からパス。おそらく僕と判ったのだろう、T監督のギアが明らかに切り替わる。そして、ジョーズのごとくこちらに迫ってきた。左のコースロープと右のT監督に挟まれて逃げ場がない! T監督は左ブレスで、僕の右ブレスとぴったり息が合った。T監督が目の前に迫る。ギャーこんなところでやめてくっさい。おかしすぎて吹き出してまうわ!! 一旦後ろに下がって作戦練り直し。僕の存在を明かすだけの中途半端な追い上げに終わったのは失策ではなかったか。 一つ目のターンブイに来た。T監督はブイを曲がったあとで背泳ぎをしている。何のおまじないだろう? ここから1kmの長い直線。実はセンターロープは直線ではなく弓なりに反っているのではないかと1周目の頃から疑っていた。陸側を泳いだ感触からそれは明らかに思えた。そこで、T監督の後を追わず、最短距離となる直線に泳ぐことを試みる。つまり若干センターロープから離れて泳ぐことになる。キックを強く打ち、プルも思いのほかヘタレてない。 半分ほど来て、T監督が果たして前なのか後ろなのかもよく判らなくなった。周回遅れの選手が増えてきた。交わし方がまずいと意外なロスにつながることを感じていたので慎重にコース取りを考える。 2つ目のブイをターンして残り500m、前方の状況から、T監督より前に出ていることを確信していたが、真後ろにぴたっと着かれていることをイメージしてフルスピードで泳ぐ。なりふり構わずなフォームになってきた。あいつ実は溺れてるんじゃないか、とライフセーバーに思われてないか気になるくらいヘンテコな泳ぎだ。 やがて最後のコーナーブイである緑色の樽型ブイを発見、そこへ向けて一直線に泳ぐ。レースはT監督との二人旅かと思えるほど、前後に同じ部門の選手を見なかったが、ぐいぐいと加速したおかげか、新しく先行者を捕らえた。樽型ブイを曲がり、ゴールゲートを真正面に見据えながら、全力でもがく。トラではここまで出し切ることはない。彼も同じようにラストスパートしている。 いよいよ海面の砂地が目の前に迫ってきた。満を持して立ち上がり、陸の上なら任せろ!と言わんばかりにダッシュ。僕の挑戦状にいつから気づいていたのか判らないが、彼も「うおおおおぉ!」と叫んで走り出し、そして、砂地に足を取られてものの見事にずっこけた! 「あーくそーっ!!」と豪快に悔しがる彼を少々申し訳なく思いながらゴール。 1:06:56 男子40歳代(C部門)12位/154人 総合45位/638(完泳者) T監督は2分半遅れてゴール。あれから結構タレたみたいだ。まあでもおかげでいい泳ぎができた。 1時間5分という目標からは2分も遅れてしまった。100mあたり1分40秒のペースは相当遅い。感触としては、そこまで落ちた区間はほとんどなかったと思う。ましてや、スタート直後のペースはもっと速いはずだ。何が足を引っ張ったのか、もっと短縮できる余地はあるのか、いろいろ考えさせられる。 湘南OWSとは異なり、ゴール後気分が悪くならなかったのはひとえにこの天候のおかげだろう。ゴール地点ではお汁粉が振る舞われ、塩水でしょっぱい口の中がうまい具合に中和されただけでなく、冷えきった身体を温めてくれた。 仲間内ではH田君が58分で部門3位に入り、M島さんが野菜賞に当たり、そこそこ収穫も大きかった。 全体トップは46分台という化け物のような速さだった。レベル高いなあ。 トラの中込氏も出てたよ。1:00:08というタイムはショートのプロとしてどうなんだろ? 海の家でお昼を食べ(まあこれが参加賞かな)、全然物足りなかったのでみんなでマックに寄って帰った。食欲旺盛なおっさん達だなあ。今日のレースはそこまでカロリー使ってないと思うけど? |
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