JCRC第9戦アートスポーツ杯100km in群馬CSC参戦日誌
2010/10/17
Zクラス100km(耐久レース)

4時50分自宅発。車中で朝飯を食べながら、群馬CSCには7時15分に着いた。スタートまであまり余裕がない。あと少し早く出るべきだった。それと環八は空いていてもうまく流れない。駐車場で早速準備を開始すると、後タイヤに金属片が詰まっているのを発見する。いつ拾ったものだろう、この状態で一昨日はローラーに乗っていた。地雷が埋め込まれたままレースに出るわけにはいかないので取り除いたら、微かにシューっと空気が抜け始める。畜生まじかよ! スペアタイヤを取り出して空気を入れリムセメントを探すが、ない! 忘れてきた。ZIPPも持ってきてない。万事休す。ここまできて、帰るのか。どうする?
為すすべもなく空気を再び8気圧まで入れて、抜けるまで走ることにした。Zクラスは耐久レースカテゴリなので周回遅れによる失格はない。適宜停止して空気を入れればいいか、と思ってポンプ装着のまま会場へ。
受付には物チームが集合していたので事情を話すと、石川さんがリムテープを持っているとのこと。しかも石川さんはBクラスで午後スタートなので時間がある。何てラッキーな。リムテープは異様に高いものという認識でいたためずっとリムセメント派だったが、ご厚意に甘えてリムテープを分けてもらうことにした。急いで下の駐車場へ引き返してリムテープ初体験。確かにこりゃ便利ですね。1500円の練習タイヤをセットし、再び会場に戻ってきたのはスタート10分前。ひぇ〜また今回もギリギリパターン。

毎年アート杯は各カテゴリーが100kmという長丁場のため、お役御免ということでZクラスの設定が無かった。各カテゴリに出ればいいのだし、D以下の100kmに満たないカテゴリの選手が100kmを走りたければチャレンジ100というカテゴリがある。なのでなぜ今年Zクラスが新設されたのかイマイチよく判らないが、現級のCクラスが早々に満員御礼となってしまったため、今年の新設が救いとなった。

午前中のレースは、我々Zの8時スタートを皮切りに、2分おきにチャレンジ100、D、E、Xクラスがスタートし、同じコースを走ることになる。

8:00 a.m. Zクラススタート
慌てていた割には心拍ベルトもちゃんとつけたし、ボトルはオレンジジュースで満たしたし、抜かりはないぞ、と思っていたが、走り出してみてサングラスとアームウォーマーとジェルとBCAAを忘れ、ポンプは付きっぱなし、身体の軽量化も忘れた。
一年前と比べて明らかに脚力が落ち、体重は増えているので集団についていける見込みが全くない。そのうえMTB全日本代表をはじめ超有力アマも出ていて、脚が違いすぎるので抜け出すとは思うがそれまでハイペースを余儀なくされるだろう、と思われた。とにかく最初の2、3周は後先考えず全力で堪えてみよう、それが仇となって後で大タレしても仕方がない、という構えで。
1周目はきびきび始まったが、恐れていた急な上げはなく、心臓破りの坂以外は比較的無理なく着いていけた。平地や下りで効率よく走れている。要するに揺さぶりがなく、イーブンペースだ。後で聞いた話ではスタート後いきなり一人飛び出していたらしい。グルペットの見本のような走りはそのお陰だったかもしれない。
9分半弱のラップを刻みながら3周を消化、過去のZクラスより幾分速いペースだ。とりあえずまだ着いていけるが、今の僕には微妙にオーバーペース。この勢いで17周は持たないだろう。
ふと気づくと自分が最高尾。ぎりぎりエコな走りを実践していたらこのポジションになった。でも前方に小湊さんは居ない。というか今日僕の前に一度も出てきてない。ってことは、また切れちまったのかあああ! 最近の小湊さんの走りにはキレがあり、ときに短い登りなどで他のメンバーを寄せ付けないレベルに仕上がっていたので、いくら苦手な下りで瞬間的に遅れてもリカバリは朝飯前と見ていたが、なぜ切れるかな。んー、脚力などでは測れない、心理的な何かが根底にあるような感じだ。

沿道からは「25秒」などと声がかかる。慈朗さんから3人逃げていると教わった。結果的には予想通りであり、逃げを容認して今後落ち着くかと思ったが、このZをレースというよりたぶん格好の練習機会と捉えている人が多いせいだろう、パインやオベスト他多くの元気な方々の積極的な走りにより、コンスタントに快走ペースが続く。今年は別人と化した慈朗さんもほぼ先頭で引っ張っていたが、しばらくして降りてきた。物見山期待のルーキー小村君はスタート整列時に「慈朗さんについて走れますかね?」などと訊いてきたのでもちろんそうすべきだと答えていたが、目標をきっちり実践している。しかも抑制が利いた冷静な走りだ。百戦錬磨の慈朗'sテクニックを修得する絶好の機会となっているだろう。
この快走ペースはおそらく天候も影響している。やや曇り空のなか気温は12ー3℃で、ひんやりとしているが、風はなくアームウォーマー無しで結果的にぎりぎり正解だ。水分補給は最低限で済んでおりボトル1本という判断もベストであろう。
逃げた3名との差は30秒前後で安定している。思ったほど速くないのでこのままいけばいつかは追いつくだろうか、とも思ったが、コントロール自在なのはむしろ彼らの方であり、必要以上にペースを上げたりはしないのかもしれない。

6周目あたりだったか、Xクラスのトップに追いついたが、それなりに脚があり、特に先頭がそのままZにくっついてしまったためXの後続も追わざるを得ない。まずい展開になってきた。引き離すように集団のペースを上げても執拗にXが食らいつき、逆に勢いづいたかやがてXが抜き返した。8周で終わりとなる彼らはゴールが近づいてペースアップしたのかもしれない。ZはXを先に行かせるためにペースを落とさざるを得なくなる。
9周目の心臓破りでいきなり炸裂音。びっくりするなーもう!と思っていたら丹羽さんの後輪だった。状況次第では僕もああなっていたかもしれない。
集団ペースがまったりしてきた。上りでスピードが上がらないのがわかる。そういう僕もやばい状況で、まだ6、7周残っているかと思うとぞっとする。トップ差は一気に1分、1分10秒と広がっていった。ギャラリーからは「やる気出せー」とかハッパをかけてくるが、こっちの気も知らずに言いたいことを言いやがって、とムカついている。
今回はまだ一度も先頭を引いてない。いつもなら義務的に最低3回程度は引くことにしているが、今回はそんな気を回す必要がないほど自分がギリギリの位置にいた。下りのカーブでは毎回ほぼ最後尾、心臓破りの後は微妙にちぎれながらバックストレート頂上で再連結、の繰り返しだ。先頭付近まで行く機会が殆どないので誰が引いているのかとかさっぱり覚えていない。慈朗さんと小村くんはまだ動きを見せず、様子身の走りだ。このあとが楽しみでもあり、それを見届けられるか微妙なところでもある。
12周目にはがくっと落ちてとうとう10分台に入ってしまった。さすがにこれは遅すぎると思ったのでそろそろむち打って活性化に協力しないとまずいなと思い始めた矢先、13周を終えて戻ってくると、ゴールラインでなにやら落車の様子。ヘアピンでも2度落車を見たし、文句無いコンディションなのになぜこけるかなあ? と訝しく思いながらゴールラインを通過すると、役員の人から「はい、坂の上で止まって」という。なぬー? 確かに今止まれって言ったよね? 集団全員、何を言われたか咄嗟に理解できずにずるずると200mほど進んでしまったが、どうやらストップせよとのお達しらしい、という解釈でレース停止。


グラフに変動がない。また、昨年よりは楽して走っているのが分かる。7周目から徐々にラップが落ちる。
HRave/max=141/161bpm TE=4.2 EPOC=177ml/kg(6周目終わり) 1407kcal ↑1012m

結局、他クラスの落車で重度の負傷者が出てドクターヘリが来るとのことで、継続中だったZとチャレンジ100が途中中止という事態になってしまった。
いわゆるゴールスプリント中の落車とのことだが、話を聞けばトップ集団では無いらしい。んー、なんだかなーとも思うが、トップ集団であってもあっちゃいけない事故だけどね。一つ気になるのは、ゴールライン付近は路面に溝が走っていて、今日も一度タイヤがはまって流されヒヤっとした経験があり、もしかしてそれが原因かなとも思ったけどそのようなアナウンスは今のところ聞いてない。
やがてジェットエンジンのドクターヘリがやってきて、群馬CSCの敷地内に降りた。これは前代未聞の事態か!?
そんなわけで、13周で突然終わりになってしまった今回のZクラス(公式記録は最後の1周が含まれず、12周通過時点のタイムで順位付けされている)。レースもレポートも尻すぼまりな結果に。だが午後のレースは無事予定通り進められることになった。よかったよかった。

午後はSABCOGWクラスが走る。特にSクラスの奈良さん含む数名がスタートからいきなり逃げを打ち、10周あたりで4人から3人になり、ラスト周回で奈良さんがロングスパート、余裕のフィニッシュ。いやーカッコよかった。Bクラスの石川さんも終始トップで展開して期待も大きかったが、途中でまさかの降車。原因不明の股関節痛が出てきて走れなくなったらしい。優勝も狙える人だっただけに残念。

そんな感じで午後のレースを見ていろいろと考えさせられ、またやる気が出てきた次第。おきなわには出ないけど、冬もがんばって走ろう、と心に誓ったのであった。

6km×12周 21位/57人中 1:56:06.411 ave=37.21km/h トップ差01:44.088