JCRC第2戦in修善寺CSC参戦日誌
2010/3/21
Zクラス(2.5時間耐久)

四日前からあろうことか突然風邪を発症。先週の物練あたりからすでに伏在していたのかもしれない。シゴトがたまたま忙しくて休めず、土曜日におとなしく過ごして回復を狙う。
その夜から家じゅうがガタゴト喧しいほどの嵐に見舞われる。風と風邪の不安でよく眠れなかった。四時半、目覚ましのなる前に起きて準備を始めるが、暴風雨はまったくおさまっておらず、風邪はかさぶたが乗っかっているような感覚。どう考えてもレースどころではなく、二度寝を決め込んでも何らバチは当たらないと思われたが、自らの意志で休むと風ではなく風邪のせいでDNSした形になるので意地でも出かける。だが玄関を一歩出た途端、中庭の椰子の木がいつぽっきり折れて飛んでくるか気が気でならず、そんな日に遊びに出かけるのは危機意識のないバチ当たりなのではと思えてきた。クルマで慎重に走り出し、レインボーブリッジが通行止とされた首都高をビビリながら走る。こんな荒天の日に当たってしまった不運なかおりさんを四ッ谷駅でピックアップして修善寺へ向かう。

いつもなら小田厚経由で向かうところ、「昨今はどこまで走っても1000円だったべな」と思い沼津経由に変更。だが期待はずれの1700円もかかり、おまけに安全運転と馴れないルートのせいで予想以上に時間もかかって日本CSC着は8時を回っていた! 気がついてみれば雨はすっかり止んで晴れ間さえ出ており、中止のムードはどこにもない。あれ〜覚悟して走るしかないのか? DNSのつもりで来たんですけど?

せめてもの救いは、20℃近くはありそうな暖かさ。パンツは脚出し、上は半袖+アームウォーマーを迷う暇もなくチョイス。あわてて着替え、ようやくホームストレッチにたどり着いたのがスタート3分前。だが選手登録がまだだ! いつもの受付台が見あたらないけどどこ? なぬー今日は地下だって? 聞いてないよー(素通りしてきた)。急いで引き返す。出走サインの場で「あわてなくてもZなら大丈夫だよ」と言われたので、さすがにこの悪天候で「スタートを遅らせることになったのですか?」と返すと、「いつも通りで遅れてないよ。遅れてスタートするのは君」 なんですかその無情な一言はぁ〜。
Zクラスを意味するゼッケンプレートはもはや取り付ける暇がない。かおりさんに預け、センサーチップのみフォークにくくりつけ、スタートの列に並んだ。

8:30 a.m. Zクラススタート
なぜか定刻の1分後にスタート。ゼッケンつけられたかな・・・。
強烈なナナメ向かい風を受け、激しくハンドルを取られながらウェットな1号橋を慎重に下り、直後の上りに入ると追い風になった。集団を形成して静かにレースは始まった。苦しみが一気に全身に回り、ようやくレース中であることを実感し始める。
頂上を過ぎ下りへと向かうところで、早くも切れかけている。それすなわちここは大事な我慢どころだ。なのに見送っている自分がいる。下りに入って少しだけ我に返り、後を追った。強烈な向かい風のため下りのくせにペダリングを止めるとスピードが落ちる。
この風とウェット路面のために集団は細長く伸びており、ポジションを落とし続けてもまだ希望はあった。二号橋からもズブズブと後退しながら上る。原因は明白なのだがとにかく踏ん張りが効かない。気持ちが萎えて、限界の手前でふにゃふにゃとやる気が沈んでいく。喉は血の味がしてひりひり痛いし、肺はなんだかヤバいことになっている感じ。
パンクがどうのこうのと言いながら浅倉さんがパスしていった。え? 僕のタイヤ、パンクしてる? ちがうの? パンクしたみたいに遅いねとでも言いたかったんだろうと思っていたが、実はスペアタイヤと空気入れを持ったままだったことに気がついてない。
浅倉さんについていこうと試みるが、あっけなく切れる。まるで根性がない。

ホームストレートも強烈な向かい風。1周目は10分16秒、最速のはずがまさかの10分オーバーだ。1周10分20秒以内がトップ同一周回16周できるボーダーラインと考えていたので、初っ端から及第点ギリギリのスタートである。まあ、未だ実現していないトップと同一周回など当然望むべくもなく、とにかく風邪なのだから普段通りに走れなくても仕方がない。一段落したところでペースの合う人と一緒に走ればいい、と気楽に考えていた。
ところが、ターゲットに決めた人と一緒に次の上りに入るとずるずるずると遅れていく。だめだ、彼と一緒には走れない、とペースを下方修正して次なる協力者を探す。その繰り返しがこの後も続くことになろうとは。

2周目の心臓破りでSクラスのトップ集団がぞろぞろと追い越していった。異次元の速さという程ではなく、その気になれば着いていけそうな気がした。やや遅れて○見○吾選手が必死の形相で集団を追走していた。ここは一つブリッジをかけるポジションを維持し、ゲーノー人に大接近してみよーう。
ふと振り向くと、消えてる!早くも降りた?
2周目は10分47秒。むむー、1周10分50秒以内はトップと1ラップ差の15周できる目安と考えており、毎回このZでの目標タイムとしてきたので、早くもそのボーダーラインまで落ちてしまうとは。

3周目に入っても腑抜け状態はますます酷くなるばかり。
2号橋からの上りで後ろからきた小湊さんに声をかけられた。「何スペアタイヤ持ってんのー?」 あーっ!しまった、とやっと気づく。まあでもいい連れが現れてよかった。モチベーションもこれで復活。それでは一緒に参りましょう。
が、しかーし。またしても切れる。うそだろー。
3周目は12分12秒。まじかよ! デッドラインの11分台を通り越しちゃったよ。

秀峰亭ではかおりさんが精一杯応援してくれているのだが、申し訳ないことに・・・何周したら降りようか、などと考えている。とっても不謹慎。
2号橋への下りの途中、ふと見下ろすと志村みさんが上ってきているのが見えた。さきほども同じポイントで見えていたから、志村さんを連れにするのがいいかもしれない。そこで妙な考えが浮かんだ。秀峰亭のかおりさんのところで自転車を降り、スペアタイヤと空気入れを外した後、Zのナンバープレートを受け取って針金で取り付ける。その間に志村さんが追いつくだろう。まあ要するに体のいい「ひとやすみ」であーる。
との目算は、あっさり崩れた。下車して数秒と経たぬ間に志村さんは通り過ぎて行ってしまったのだ。がーん。
ロスタイムは1分5秒、この周は13分27秒まで落ちる。まだ4周目でこのタイムはいくらなんでも有り得んだろ?

5周目だったろうか、早くもトップ集団にラップされた。この調子でいくと2ラップされそうだ。物ポンズでは二郎さんが含まれている。余裕である。「トップ取ってくださいよ」と言って別れた。
7周目の終わり頃、Sクラスの千切れ集団に飲み込まれた。シャングリラ飛田さんがいたので上りで追いついて声をかける。その後2号橋への下りで少なからず集団の恩恵を受けたために、続く上りの入りで一気に志村みさんに追いついてしまった。えへ。

志村さんを連結して上っていたら、小湊さんに追いついた。
おや! それなりに身体が動くようになってきたか、周りが少し疲れてきたか。
だが、小湊さんは我々を確認するなりダッシュで逃げていく。なぜだ。今日のこの突風の下、一緒に走ろうという発想は無いんですかね? なにか知られたくないやましいことでもあるんでしょーか?

志村さんをエスコートする意識で走っていたら大分集中力が出てきた。1周したのち小湊さんを追っていたら志村さんが切れてしまい、その小湊さんとは上りと下りのペースがまるでかみ合わず、いつしかはぐれてしまった。

さて、その後はよく覚えていない。遅いなりに徐々にペースがつかめてきて、途中で降りようという気持ちもなくなった。とにかく大変なのがホームストレッチの強烈な向かい風と、続く1号橋直前の恐怖のナナメ向かい風。ここをソロで走るか数人で走るかで1周のタイムが大きく変わった。
上りはどこも都合よく追い風で、徐々にくたびれてきた脚でもなんとか騙し騙し上ることができている。その点で今日の風向きは、タイムは悪いながらも長く一人で走るには向いていたのかもしれない。

そんな感じで淡々とラップを刻み、レポートは無茶苦茶端折って一気に14周が終了。そしてタイムアップ。いつもより1周少なかったが、トップも15周だったので、いつも通り1ラップ差に留まった。

ふたを開けてみると物ポンズのほかのメンバーもほとんど14周で、なあんだ、悪いのは自分だけじゃなかったのかとちょっと安心。余裕そうに見えた二郎さんだったがラスト2周の心臓やぶりでちぎれて4位に終わったらしい。

TIME VXRS+WH8701C
5km×14周=70km 2:40:37.984 26.15km/h) トップ差1Lap 19位(出走49人、DNS21人)
HRave/max=139/156bpm 1610kcal TE=3.8 EPOC=126ml/kg
補給はボトル1本。100%オレンジジュース+MD。平均17℃ 獲得高度1853m


走り終わったら、肺から尋常ならざるシグナルが伝わってきて不気味だ。このツケはいつどんな形で襲ってくるのだろう、と気が気でなかったが、一つのことを終えた安堵感からか、意外にも気分はスッキリしてさえいる。風邪を吹っ飛ばしてくれたようだ。
かおりさんには腑甲斐なく退屈なレースを晒し、申し訳ないことをしたが、コースを逆に辿ったりしてちょっと面白かったかも?(無理ありすぎ)

ゆーサロンでじっくり汗を流した後、麓の豆腐専門店でそば定食を食べた。観光客の足下を見たやり方に不満が絶えない伊豆半島であるが、この店は良心的な印象があり、ゆったり落ち着けてよかった。