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JCRC第9戦アートスポーツ杯100km in群馬CSC参戦日誌
2008/10/19 Cクラス 102km (6km×17周) レースは午後からなので、慈朗さんマキさんと一緒のクルマで10時頃CSC入り。よく晴れて寒くない。アート杯は大抵いい天気に恵まれる。 午前のレース状況が耳に入ってきた。なぬなぬなぬー、優勝候補の市川さんが切れている? 何が起こってるんだ??(今日いちばん驚いたこと) 昼休みのコース解放中を利用して珍しく実走アップ。1周目はそれなりに流して走り(11分47秒)2周目は先日の長柄練の追い込み度を再現してみた。11分6秒(ave32.4km/h)、思ったより良かった。レースでも切れるとこのくらいのタイムになるからね。 走ってみて、意外と寒いことに気づいたのでアームウォーマーをつけよう、それとCramp-stopを持とう、と決めていたものの、ゴール地点でのんびりしていたらいつの間にかスタートが迫っており、クルマに戻る暇がなくなってしまった。 最後のトイレに立ち寄り、一人遅れてスタートラインへ向かうと、そこには複数クラス400人くらいがひしめき合っている。Cクラスは70名以上、知り合いは・・・誰もいない・・・と思ったら唯一F誌編集長、先頭で構えていた。やる気に満ち溢れている。これは心強い。僕はと言うと妙に不安になってきて、この緊張感に気圧されそうだ。こないだの群馬戦での辛さがタイミング悪く記憶に蘇り、あのときのZよりも遥かに長い17周に耐えきれるのかまるで自信がなかった。 ![]() かなりの大人数。紅葉もなかなか美しい。Photo by JCRC 先導バイクが抑えているのかよく判らないが比較的温和なペースで進む。最後尾スタートだったので、さすがにこの位置はまずいだろうと前方への移動を試みるが、密集していて身動きが取りにくい。17周もあるから慌てずにいこう、安全第一だ(当然)。上り坂ではポジションを上げやすいのでスルスルと無理のない範囲で移動するが、心臓破りでは早速160bpmを超えて推移している。多分に緊張のせいだ。スタートを切ってもドキドキハラハラ感はおさまるどころか益々強まっていく。何がそんなに緊張させるんだろう? 希にみる大人数だから? 今回のアート杯は練習の一環と割り切っていた。ところが直前になって風邪気味となり、激しい練習やスイム練などを次々キャンセル。結果として程よいテーパリングを果した。当初の目論見に反して、レースにきっちり狙いをつけた形になってしまったのだ。アップもいつになくしっかりやれて、臨戦態勢はばっちりOK、不安材料が見当たらない。つまりこの緊張感は内なる闘争心から来ているのだった。ぐへー! 2周目は少しペースアップしたようだが、緊張によるストレスが重く圧し掛かってそれどころではない。本末転倒な状況だ。9分32秒は体感より断然速かった。 4周目頃からやっと気分が落ち着いてきて、ポジション移動も完了した。6分前にスタートしているSクラスの逃げ数名が追いついてきて、パラパラと右脇から抜いていく。ここでSに便乗して逃げる輩がいないか目を光らせていたのは、僕だけではなかっただろう。意外にも皆ジェントルで、少しの間でもぶら下がろうとするセコい奴も居なかった。 ![]() 少し前を走っただけでドッと疲れた。編集長の底知れぬスタミナには改めて驚かされたが、7周目ごろだったか、ヘアピン後の上りで編集長まさかのスローダウン。突然疲れたとも思えず、チェーンでも落としたか。それとも、本日は別件があるため、1時間ペースメーカーを務めると決めてここで終了? といった可能性まであれこれ考えつつ、すぐ復帰するだろうとさほど心配してなかった。ところが、その後ホームのギャラリーに混ざって編集長が。まさかパンクとは思いつかんかったー。 そんな災難などまるで無かったかのようにあらん限りの声援を送ってくれる。恐縮極まりないです。 ![]() 編集長が抜けてからは徐々にマッタリ度が増してきて、大サイクリング大会の様相を呈してきた。高校生らしき若い二人がずっと並んでぺちゃくちゃ世間話をしながら走っている。余裕のあるところを自慢したいのなら、前を引いて示せよー。そうすりゃホントに敬服してやるから。後ろを振り返ると集団はまだまだ巨大な塊を維持しており全然リストラされていない。たまに前に出て、少しでもペースアップしようとじわじわスピードを上げていくと、速度制限装置つきトラックのようについてこない。それならいっそフツーに一人で走ってみるかと、半周ほど抜け出したが誰もついてこず、そのうちにドッと疲れてきて止めた。アイツは逃げる気なんてさらさらないと見抜かれているようだ。 前方固め常連の一人、法政大の選手がポンと抜け出したときも、よし、と思って付いていき二人逃げのフリをしてみる。ここでもし3,4人が追いついてきて、一緒に逃げる体制が作れれば単なる「フリ」からマジ逃げになるのだが、その様子はない。彼に「あと何周だっけ?」「たしか8周」「そんなにあるのか。二人で逃げるのは無理だね」などと話しておとなしく引っこみ、疲れを取るためにしばらく中盤まで下がる。 先頭のメンツはだいたい決まってきて、僕が見る限り一番引いていたのは緑色ジャージのエキッポ・モンテーンロス(?)。後で調べたら彼は前回の修善寺で編集長を抑え3位フィニッシュという急成長株だった。 ![]() 幻想的です。Photo by 遠藤さん CクラスがいつものZなどと違うのは、上りでガツンとペースアップすることがない点。100kmの長丁場という事情もあるだろう。非力な僕にこれは救いだった。 ヘアピン後の一列棒状、その後の上り、リフト下坂、心臓破りといった場面では、集中的に力を出し切らぬように注意した。テールトゥノーズ状態で追い込まれると、一定調子で脚を回し続け乳酸が一気に溜まることが多い。そうなる前に踏み方の意識を変えるか、ギアを上げてみるか、ダンシング(時にはスネークダンシング)に変えた。そうやって6割程の力加減を守り、遅れるようなら遅れてもいい(後で挽回する)と割り切った。いわゆる僕なりの省エネ走法だ。のぼりに限らず、ヘアピン手前と、上り手前の下りでスピードを殺さない走り方を徹底する。実際にはガツンと仕掛ける選手は皆無で、見るからに遅れるようなことはなかった。 ホームではギャラリー兼補給サポートで、周を重ねる毎に賑わいを見せるようになってきた。物ポンズのサポート体制はばっちりだったが、ボトルのおかわりは必要なさそうだ。みんなの声援が最大の補給になっている。 少々不安になってきたのがエネルギーだ。中盤からアミノバイタルゼリーを摂り始めたが、余計腑抜けになった気がした。力の強弱が一定でないロードレースのような競技は、カーボショッツなどの、もっとダイレクトなイメージの補給食が必要だという印象を持った。今さらだが! カーボショッツ下さい!とここで叫べば、きっと物ポンサポート隊はあれこれ工面して10分以内に用意してくれるに違いないと思いつつホームを過ぎる。 糖分が欲しいなあという気持ちから、徐々にハンガーノックの疑いが濃くなってきた。視界が霞みグルグル回りだして、目をシバシバさせて見開く場面が多くなる。ヘアピン後のS字カーブはちょうど前方に夕陽の木漏れ日がフラッシングし、視界が一瞬閉ざされるだけでなくトランス状態を引き起こしそうでデンジャラス。ハンガーノックは先週の定峰4回練習でも経験しており、このごろちょっと癖になっている感じで良くない。というか回避することを学習してない。3時間という長さを真剣に考えてなかった。 それと同時に脚の各所が攣り始める。「攣らない」が売り文句のMUSASHIのリプレニッシュに期待をかけすぎたようだ。攣るほど力を出し尽くした感はないのに、まるで磁石に吸い寄せられるかのようにハムストの根元がキュイっと縮こまってしまう。慌てて水を飲んだら少し回避できたものの、Cramp-Stopを携帯し忘れたことがここにきて大いに悔やまれることになるとは。この時点で脚が攣っていることを周りに悟られるのは、ウンコを我慢している小学生と同様、何としても阻止すべきという気がした。 ラスト3周あたり、マッタリ度は極まり、逃げを打つなら今しかないという時にきていた。時折襲ってくるウンコサインを、ではなく痙攣を何食わぬ顔で我慢するのに必死で、お見合い状態のこの超スローなペースをありがたく感じるという体たらくだった。ここでもし抜け出したら、今度こそトップ常連組の何人かは付いてきたに違いない。そしてその一瞬のアタックに要するパワーもまだ残っているという実感はあった。後で思えば、この勝機をヌルくやり過ごしたのは惜しまれるのだが、このピクピク状態での過激なアタックは当分無理なのは明らかだった。 それよりも、心臓破りなどで周りのペースを見ていると、自分と同様にみな限界状況であることが窺え、新鮮な感覚だった。これまでの経験では、この期に及んでもアタックになれば倍のスピードを出せるほど力を溜めている奴というのは必ず居たものだ。ところが今回のCクラスは見事に脚が揃っており、数少ない突出した選手たちは愚直なまでに前を引きつづけてパワーを使い果たし、皆と同レベルまで落ちてきたようだ。だから、自分が辛いと思った場面は、自分だけでなく隣の奴も同じように辛いのだ、きっと。そう思えたらなんだかホッとした。ラスト周回はガツンと上がるはずだが、決して追えないスピードではないだろう。 ファイナルラップに突入し、スピードも上がった。ヘアピン後の収束した感じを見ると、まだ様子見感が残っているようだ。慌てずにポジションを上げて行き、いよいよ心臓破りへと来る。ここは最大のアタックポイントだが4番手あたりでクリア、まだ周りは限界ではないようだ。そのままバックストレートを過ぎ、森の中へ入り込んだあたりで、自分でもまだ妙に余裕があることを自覚したその直後、左から特急列車が来た。過密状態でポジションを上げられない。このエリアは意外と落車が多いんだよなーと憂慮したが、あれよあれよと言う間に四方を挟まれ肩が接触し、予感は的中。まさにションベンちびりそうな瞬間、何とか踏ん張って事なきを得る。こんなところで落車したらノーダメージで済むわけがない。 ホームストレートを目前にして、左から前に出る。目の前は開けており、もう邪魔者はいないのであとはゴールを思う存分目指すだけ。だがここまでの踏ん張りでとうとう両脚がバツーンと攣った。ギャーダメだ脚が動かない。一応下ハン持ってもがいている体勢を作るが、力はサッパリ入らず攣りとの格闘をしていた。 だが同時に、これでいいと思った。僕は今日このレースで、どれだけ引いただろうか? お役目を果しただろうか? 最後だけちょい刺しして仮に勝てたとして、心から喜べるだろうか??? 多分、素直に喜んだだろう・・・・。 そんなわけでいつぞやの茂木100kmマラソンと同じような心境に陥り、これでいいのだと妙に納得しつつ、ゴールまではスローモーションだった。左手にホソヌマさんのアチャーと苦笑する姿が見えた。 やっちまったの7位だったが、ゴールスプリントに本格的に加われたのはこれが初めてに近い経験なので実は満足。ゴールラインで自転車を放り投げ忘れたのが唯一の心残りだ。 ![]() 攣りまくりゴールスプリントぉ。遠藤さん渾身の流し撮り。 ![]() Polarのボタン不調につき7周以降はラップタイムが不正確。 10周目はプチ一人逃げをして平均心拍が高め。 大勢のギャラリーのなかで走れて、とても楽しいレースだったが、傍から見たCクラスはレース展開の全くない最もつまらない内容だったと思う。Sは前半から何人か飛び出して出入りが激しく、見ごたえもあったようだ。Cにはまだそこまでする力が無い。それでも、編集長がDNFでなければきっと面白いことが起きていたに違いない。その点でもパンクは実に惜しかったなとつくづく思った。 * * * * *
帰りはまたまんてん★の湯に立ち寄った。ここは風情ある露天風呂に見合わぬ安さが魅力。一見地味なレストランもなかなかリーズナブルで悪くないと思う。農協ファミマでのお買い物も楽しみの一つ。巨大ししとうが劇辛で感激した。 6km×17周 7位/73人中 2:51:11.736 ave=35.75km/h トップ差0:01.416
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