JCRC第6戦in群馬CSC参戦日誌
2008/7/20
Zクラス(個人エンデューロ)

4時に家を出て、浅倉さん、小湊さんを途中で拾いながらほぼ順調に7時10分頃群馬CSC着。最近猛暑日続きで、標高の高いここCSCでも暑くなりそうだ。ボトルは二つスポドリと水で満たし、ローラーに軽く10分乗ってからスタート位置へと向かう。常連のryuさんと和やかにしゃべりながらスタートを待つ。

7時58分、Zクラススタート
メンバー表で予測がついていたとおり、完全にナルシマ勢のコントロールだ。ボスのケーマン(仮名)からはポルシェのように正確かつクイックな指示が休みなくアシストへ下る。指示というより怒鳴り声なので次の展開が周囲へ予言されているようで、レースとはかくや走らんとの啓蒙の意もあるのだろう。10分7秒で1周目は大人しく入り、ゼロアタックはしないの心。その後徐々にペースアップ。
なぜか今日は集団走行が恐くて尻込みしてしまい、後方寄りで千切れながら走る。おどおど走っているのは全然楽しくないなと思いつつ、気持ちを跳ね除ける自信がまるでない。ヘアピン通過後は集団からかなり離れ、どうせあとで追いつくという公算に頼り切っている。3周目で9分23秒とキツくなり、ここで約半数がリストラされた。沿道にいた慈朗さんが「余裕ありすぎ」と声をかけてきたが、ん? それはどういう意味? もっと前々でアクチブに走れってことなのか、千切れては追いつくを繰り返す僕の走り方を見て警鐘を鳴らしていたのか。いずれにせよ余裕なんて全然ありまへん。4周目はさらに速く、またしても千切れかけながら走っている頃にナルシマ含む4名ほどが抜け出した。こうなることは判っていたが当然逃げを追うポジションには居ない。パイン秋郷さんでさえも乗ってないのだからこれはナルシマ軍勢にやられたと観念して然るべきでしょう。

さて一段落、かと思った4周目終盤、路面凹凸の衝撃でフロントフォークに付いているPolarのスピードセンサーがズレた(群馬CSCの路面はこのごろ傷みが目立つ)。スポークのマグネットと接触し始めカンカンカンと鳴り出す。ヤバイ、昨日苦労して手に入れたばかりのマグネットが早速ぶっ飛んでしまうではないか! 屈み込んでセンサーをスポークから離そうと試みるが、その前に事態はさらに悪化。センサーが一気にスポークに巻き込みバコーンと威勢のいい音と共に180度逆を向いてしまった(僕のPolarは普通と逆向きにつけているため巻き込んだらヤバイ構造になっている。危ノーマルなので真似しないで下さい)。それよりスポークが折れずに済んだのでホッとしたけど、緩んだセンサーが相変わらずスポークとリズミカルな16ビートを奏でている。
心境としてはレースどころではないが、集団から取り残されていることに気付き慌てて追う。一人遅れながら5周目に入った。
乗りながら手を伸ばしてセンサーがスポークに接触しない位置へと移動を試みるが、路面の振動でまたスポークに絡んでトンデモナイ状態になる。うーこれは困った。あと10周、この状況で走りつづけるのはまずい。

集団はナルシマ勢の完璧な抑えが効いていて、1周10分を安定して刻むので客観的に言って平和だ。普通ならこの段階での逃げは捕まるケースが多いと思うが、このペースが続けば4人でも難なく逃げ切れることだろう。僕はと言うと唯一のチームメイト丹羽さんとやっと話をする余裕も出てきたが、3.4周目の上げが効いてかなりダメージを受けている。それに、抑えのナルシマが心臓破りでクッとペースアップし、バックストレートまでの追い上げが大変だ。つまり抑えつつもなるべく休ませない戦法ってことだろうか。いや、単にそう感じただけかもしれない。2、3人が抜け出すとすかさずケーマンズチェックが入り、距離を開けずに後ろへ張り付くように指令が飛ぶ。人数が減ったのでおっかなびっくり走は免れているが、その頃僕はもっと別の次元で苦しんでいた。時折スポークに絡みつくセンサーに冷や汗をかき、集中力が切れたのはもちろんだが、それ以上に激しい疲労感に襲われており、腹の底から力が出ない状態。もう止めたい、という気持ちが頭を埋め尽くしており、頼むからゆっくり行ってくれと祈っている。前向きな発想はまるでなく、義務感から前を引くなんてことも一切頭になく、ほぼ最後尾をフラフラしていた。同時に、なぜこんなに腑抜けなのか冷静に自己分析していた。昨日のナルシマ往復か、木曜の長柄練の疲れが取れないのか。完璧な逃げと完璧な抑えで、全く望みのないレースを続ける意義を見出せないからか? それらも一要素ではあろうが、もっと根本的に、時折全力走行が織り交ざるこのロードレースという競技に逃げ場のない窒息感を覚えた、という気がしてならない。この感覚は前回の群馬でも感じた覚えがある・・・。やはり自分には向いてないんだろうか。

センサーとスポークの何度目かの絡み合いで、とうとうタイラップが1本千切れ、エンドをタランとぶら下がるようになり、幸いにも絡みつかなくなった。やっと不安材料が消えてレースに専念できると思ったのだが、それも2周ほどして第2の異変が起きる。11周目の下り、左テクニカルコーナーの最中で突然、今度はフライトデッキのセンサーがフォークから緩んで落ち、スポークに絡みついた。おまえもか!
一体どうなっとるんだ。こんなことは過去に例がない。Polarセンサーの不具合は自業自得なんだけどさ。
フライトデッキのセンサーはPolarより大仰な形なので、これが今後もスポークに絡みながら走るとシマノのこの強靭なステンレススポークでもポッキン折れてしまうかもしれん。その弾みで大事故に繋がることも考えられる。リスクを背負ってこのショモナイレースを続行するよりも、カーボンホイールを壊さない方が遥かに大事、ということで緊急停止。とりあえずセンサーをフォークの根元まで持ち上げて走り出す。
だが、さすがにこのメカトラで観念の臍を固めることができたので、急いで再スタートを切るような意志はこれっぽっちもなく(あったとしてもこの高速下りで止まったら終わりかな)、本日のレースはこれにて終了! あとはセンサーがずり落ちないよう慎重にゴールまで行くのみだ。とんだ顛末だな〜まったく。
走りながらリタイヤする言い訳を考えているうちに、そういえばZクラスは自由気ままに走るエンデューロであって、センサーを完全に外してまた走り出せば何もここでリタイヤする理由などないことに気づいた。
んーーーでも別に止めるのに正当な理由がなくたっていいじゃん。その気がなくなったので止めた、でいいじゃん?ともう一人の自分が言う。それもそうだね。

ということで、11周を終えたところのホームストレートで停止し、ホイールを外して二つのプラプラセンサーを抜き取り、さてヘルメットを脱ぐか。
と思ったのだが、再び走り出していた。練習と割り切って走ればいい、折角来たんだし貴重なサーキットを走れるだけ走っておこうという気持ちに変わる。残り周回数は2と掲示されているので、そのくらいなら勢いで走りきれるだろうという読みもあった。
1周して戻ってくるとジャンが鳴ったので最後の力を振り絞ってラスト1周を頑張った。トップは14周だから1周足りないな、と思いつつゴールへ戻ってくると、またジャンが鳴ってる。まだあと1周ですか。また?(永ちゃん風)
もう力が残ってない。ここで僕は十分悟った。もしトラブルがなくて集団に付いていったとしても、順位は変わらなかったなと。

2:25:24.680 (トップ差07:55.975) 34.66km/h 19位/52人中
平均/最大心拍数 141/163bpm 1758kcal ↑1310m 25℃


Zメイン集団のゴールスプリント。その頃僕は・・・・。


11周目途中と12周目頭で降車

本日の収穫は、真紀恵さんWで5位、慈朗さんAで3位。こうして「S以外」がチームからまた一人減っていく。寂しいです。
先週富士のゴールスプリントで大落車した浅倉さん、怪我も治らずモチも下がりっぱなしの様子だがその割にSで淡々と走っている。
ちょうどそのころ、真紀恵さんが一人コソ練(ラン)に出かけようとしていたので、引き止めて一緒に走ることにした。走るといってもこのあたりは激坂ばかりで、どうしたもんかなと思ったけど、CSCを出てからも重力に任せて下り続け、ひょっとするとこれは帰れなくなると焦るくらい下ってしまい、帰りは当然厳しい上り続きでこれはしんどい。真紀恵さん大丈夫かなと心配するより自分が辛くなってきた。やっと坂を上りきったときは「よく頑張ったなあ」と自分を誉めてあげました。
7km弱走って元のところに戻って終了したのだけど、ひょっとしたら真紀恵さん物足りなかった?

毎度の如くレースは腑甲斐ないけれど、知り合いとじっくり話ができるのはまた一つの楽しみだね。森川さんにはいつも励まされる。風さん、え? 以前僕が書いたレポが何ですって?
時折カーっと暑くなり、カキ氷やアイスなど水物をとりまくる。午後はOクラスで米谷さんが出走、レースでお会いするのは初めてですね。
参加賞のまんてん★の湯(猿ヶ京)にとっぷり浸かった後、そこで食事して帰った。公的施設故かリーズナブル。上りの関越道は長い区間ノロノロだったがおしゃべりしながらだったので気にならなかった。うっかり間違えて本庄児玉ICで降りてしまった。ETC割引は東松山下車が正解。よく憶えておくよーに。