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JCRC埼玉県TT参戦日誌
2007/8/19 未登録の部 個人タイムトライアル20km 未登録の部 チームタイムトライアル20km 個人とチームのダブルエントリーは物見山から僕と河野さんだけ。連れ立ってクルマで現地入り。8:30前に駐車場に入ること、という掟を忠実に守るため、結構焦ったが、実際はカンケーなかったみたい? 埼玉県加須市の利根川沿いにある、加須未来館という奇妙なハコモノ施設の正面が、今日のメイン会場。コースは河川敷だ。むー、我々の駐車場からかなり遠いのが難である。陽を遮るものは、この未来館以外には無く、館の一般来場者からは多分不思議な目線を浴びつつ、館とは全く関係のない我々は建物の周りにたむろして、中にはローラーをウンウン回している者もいる。ま、今日ばかりは派手なTTバイクや宇宙人のようなエアロヘルメットも僅かながら散見できたりして、一般客様におかれましては、どことなく未来っぽくてよろしかったでしょうか? ![]() レースを終え、未来館を取り囲みダベる人々。(photo by 松井さん奥様) そう、TTレースなのでTTバイク花盛りかと思いきや、案外少ないという印象。TTを専門に強化しているパインヒルズや、一部のトップエリートなどを除けば、多くの人はドロップハンドルにDHバー付といったいでたち(me too)、ディープリムやディスクなども少ない。DHバー無しという人も結構いる。だが今日の無風ド平坦ひたすら真っ直ぐコースはTT仕様が圧倒的に有利だ。人間工学無視の極細ブルホンバー、フロントウルトラディープにリアディスク、エアロヘルメットにエアロワンピース。僕のZIPP808はかなり有利かと思うが、やはりディスクが一番だろう。 TTバイクを真剣に用意してやる気満々の、ファンライドチーム金城さんに出会う。僕の顔を覚えているかな? と不安ながらも挨拶すると、僕のアイアンマンレースの話題が速攻で返ってきてぶったまげた。うひょーさすがは鷹の目編集長! 今年はTDOで130kmを狙うとかで、一緒に頑張りましょう!と健闘を誓い合う。 このレースはJCRCと埼玉車連の合同大会である。埼玉車連としてエントリーしたダンホさんが20kmITTをスタートしていくのが見えた。かなり気合の入ったバイクに、ディスクのゴワゴワ音まで聞こえてきそうな気合の入ったダンシング加速。いかにも速そうだ。 9時からのレースは10kmITTの部を皮切りに始まっていて、遠目で見る限りはほのぼの〜んとした雰囲気を漂わせていた。速報を見るとトップでもアベレージ38km/hほどで、あれれ? 意外とスピード出ないもんなのかな? と感じていたが、埼玉車連の20kmの部が始まるとさすがにスピードが上がってきて、いよいよ緊張度も高まってきていた。 レンタカーで応援?に来た奈良さんが「あぢー」とクルマの中で涼む横で、約20分、ローラーでアップする。気温は31℃と見た目よりは低めであるが、陽が容赦なく照りつけ、汗はぼたぼた落ちてくる。しかし、30分で終わるこのTTはアップが何より重要と考え、息苦しさが消えるまでしっかりアップした(つもり)。 召集がかかり、数番先を走る河野さんと話をしていると、「アップで土手上を走ったけど、意外と40km/hなんて出ない」とあの河野さんが言う。なぬー! そんなもんかい? さらには、最初の3kmが若干向かい風らしい。ふむふむ、と。 このコースは、まず上流に向けて3km走り、折り返してスタートポイントを通過しつつ下流に向けて10km走り、再び折り返して7kmでゴール、という設定。上流・下流とは言っても、傾斜は無い。 スタートライン近くに居たホソヌマさんが、なんでそんな格好なんだー? と声をかけてきた。 ホソヌマさんのようなエアロワンピースは(当然)持ってないので、空気抵抗を色々考えた末、トライアスロンウェアを選択した。ハワイではスイムウェアとしても着られるキツ目でぴちっとした奴だ。アームウォーマーをつけたほうがいいかもしれないが、見た目のインパクトほどの効果は薄いだろうという判断と、色がウェアと合わないし、妙にエロいので止めた。ただしシューズカバーは着用。この辺が変? 肩を出したくて着ているわけじゃなく、生地に少しでも余裕のあるバイクジャージよりは断然有利だろうとの判断からだ。トラウェアが無ければ、例えば女性ならフツーの水着でもいいと思っている。が、見回す限りそういうウェアを着ている人は皆無で、いつものジャージだ。誰一人として手持ちが無いのか、それとも僕の判断がトンチンカンなのか・・・? 緊張は高まり、Polarは70bpmと高くなっている。11時23分、笛の合図と共にスタート。 穏やかにダンシングで加速。メーターはすぐ43km/hあたりを示し、シッティングに移行してスピードを落ち着かせる。やはりホンバンとなると火事馬鹿力が出るのか、41km/h巡航でも無茶な印象はない。だが感じてないだけで相当な負荷がかかっているのはPolarが示していた。自転車としてはAT値を超えた155bpm辺りを推移し、緊張感で喉がすぐに干乾びてきた。アップが効き、急激な負荷上昇にもなんとか対応できている。スムーズにしんどさとの勝負に突入できた。 今回の密かな目標は30分を切ること、つまりアベレージ40km/h超えである。TT走りはある意味で本職とも言えるわけで(とは言え、平地勝負となるとトライアスリートとして凡人以下)、アベ40km/hは一つの境界として意識している。しかし、今までどの練習やレースでも記録したことはない。条件が揃った20km程度なら40km/hで走れるかどうか、かなり微妙な線だなと思っていた。今日それが試される。今のところ、向かい風を41km/hで走れている。30分切りの可能性が早くも見えてきた。 やがて、6分ほど先行スタートの河野さんとすれ違い、結構余裕のある顔は意味深である。3kmというとチョイ先で折り返し、という気がしていたが、なかなか折り返しが来なくていらいらしてきた。道も若干登り基調な気がする。早いとこ、折り返して楽になりたい。 パイロンをターンして、さてここから10kmの長丁場、と思いつつダンシングで加速していくと、あれーっ! 向かい風じゃん。 さらに言うと、下り基調にもならないじゃん。 グヘー辛い。河野さん話が違うよー。もしかすると、土手上とココは風向きが逆になるのか。それとも、河野さんにハメられたか。あのすれ違いざまのニヤリとした顔は、まさにそういうことか〜〜〜(考えすぎです)。 しかし、納得したのも事実。さっきの41km/hは向かい風の割には妙に楽な気がしたんだよな。 これはもう、黙々とタレずに省エネで走るしかないか。スタートラインを再通過時は、誰か身内が見ているかもしれないなと思って踏めたけど、そこからまだ7kmもあるのかよーと思うとめげて来た。ただひたすら雑草に囲まれた単調な風景が続くだけなのだから。ふと見ると38km/h台に落ちている。ヤバイ。タレまくっている。同じ走り方を続けているとダメだ、と思い、後ろ乗りにして蹴りつけるようなペダリングにしたり、超前乗りになってハンドルをひきつけて走ったりと、色々な筋肉を総動員して積極的に行く。ちょっとでも気を抜くとまた38km/hに落ちる。いかーん! 先行スタートの人を3人ほど抜いたが、いずれもかなりの速度差で、ペース配分をミスってヘロヘロって感じの人か、DHバー無しで同情しますって人で、追い越し甲斐が無い。4人目のターゲットはまだ遥か先にぽつんと見えるだけで、モチベーションを高めるには遠すぎた。 ああもうかなり走った気がするが折り返しまだかいな〜と思ったら河野さんが来た。よし、もうすぐ、と思ったんだけど、さっきよりも折り返しが遠くね? つうことは、河野さんに離されている!? ようやく折り返して、ラスト7km。少しは追い風になったか、42km/hくらいは出るようになった。しかし、集中力を欠くとすぐにでも落ちる。一つの橋をくぐると、遠くに次の橋が見えた。んー、アレがスタートラインに近いところの埼玉大橋か?あそこまで走れば終わりだ。よっしゃ岩盤ベー! 一向に、橋は近づいてこない。そのうちに時計が気になりだした。26分台。んー、あと4分、やばいかも〜。 焦りから自ずとラストスパート体制になってきた。43-4km/hが出ていてわれながら驚く。おやおや頑張れば頑張れるもんだねー。後で思えば多分このあたり、追い風なんだろう。ようやく埼玉大橋を潜った。あとゴールまでは僅かだ。28分台だからなんとか30分は切れるね。 と思ったが、なかなか「未来館」は見えてこない。おーい!どうなっとるんじゃ〜。意外と遠いなぁクソーっ。タイムはいつしか29分30・・・40・・・50秒。万事休す。やっとゴールの人だかりが見えた。沿道の一人が「ラストだーっ!もがけー」というようなことを言った気がする。しかーし! 無常にもタイムは30分を越えてしまった。間に合わない? 24時間テレビの欣ちゃんじゃねーかよー(当日夜のネタです)。ちくしょー、出ないもんは出ない。DHポジションのままゴールラインを走り抜けた。 くうー! むちゃくちゃしんどい。しんどまっている。最高166bpmまで行った。しばらく何も出来ず、惰性で新幹線の制動距離くらいは走った(うそ)。30分を約9秒過ぎてしまったのは残念だが、かなり出し切った感があったので満足だった。 ![]() 30分を僅かに切れなかったよー、と無念をいろんな人にぶちまけていたら、しばらくたって速報を見てきた河野さんが、「アベ40km/h超えてましたね」と言う。おいおいそんな見間違えでぬか喜びさせないでくれよ、僕はゴール時に時計とにらめっこだったんだからさ、1秒だって狂いはないよ。 と反論しつつ、ふと思いついた。そうだ、僕が見ていた時計って、オートスタートに設定されたCateyeのメーターであり、リセットしたのは確か、出走列に並んでいる途中・・・。 ということで、正式タイムは29分36秒。晴れて30分切りが確定した。やた! 29:36:604(トップ差03:05.918) 40.53km/h 12位/73名中 平均/最大心拍数 157/166bpm 420kcal 31℃ ![]() TTTスタートの様子。photo by JCRC ITTで満足感を得たので、無責任ながらチームTTはかなりお気楽。アップもせずにダンホさんたちとダベって過ごす。 チームの結束が最も大事と考えたので、トラウェアは脱いで、上下物見山ジャージに着替える。でも自分だけノースリーブだけど。 昨日のチームTT練で決めたことは、辛いと思ったら「sage」、余裕が出てきたら「age」と叫ぶことにした。合図に従い、そのときの走行速度をそれぞれ1km/h上げ下げする、というシンプルな作戦。まあとにかく、3人の中で一番余裕がないと思った人が自ら声を出していこう、ということに。大抵、遅れそうな人は遠慮して指示を出しにくいものだが、最も大事なのは、なるべく長い距離を3人で走りきること。トータルのアベレージを上げるにはそれが一番であるとの信念に基づいている。 13時53分、物見山Aがスタート。 ![]() 折り返してくる3分先行のBチームとすれ違う。3人まとまっている。続いてHIDEのチームが見えた。ここはなんと、最初の3kmにしてすでに一人脱落している。マジかよ! 実はこのチーム、優勝している。個人TTでも45km/hオーバーでダントツトップ(登録の有名選手より速かったらしい)だったチームのボスが鬼引きしているんだろう。もう一人は、あれぇ武藤さん? 45km/hでツキイチするだけでも厳しいのに、凄い。 といったことはこのとき当然知る由も無く、折り返し点を迎える。 やはり下流方面は微妙に向かい風。40km/hを若干下回るペースで走る。スタートラインでは松井さんの奥様がカメラを構えておられるはずなので、タイミングを見計らって松井さんを先頭に。上手く撮れました? ここからは向かい風も幾分強まり、スピードはさらに下がって37-8km/h。松井さんの引きが予想より早い段階で短めになっている。様子を伺うと、「このペースで行って」とリクエストが入った。見た目より恐らくイッパイイッパイであり、ここで無理をすると一気にタレる。スタート10km付近が時間的に一つの山でもあるから、回復を待つくらいのつもりで抑えて行くことにしよう。 個人TTよりもスピードが下がってしまっては、正直なところ上位争いに絡むのはほぼ無理。だが、目標を失いかけてきたかと言えば、実はそうではなかった。走っているうちに次第に感じてきたことは、このチームTTの目的は速くゴールすること以上に、チームプレイとしていかに美しく走り、ベストを尽くせたかという所にある、という気がしてきた。そのときの心境をうまく説明できないが、ミッション遂行に意識を集中する感覚というか、とにかく何か別のモチベーションが芽生えてきたのは事実。ひたすら限界との単純一本勝負だった個人TTとはまた別の毛色を強く感じていた。 余裕がある分、少々長めに引くのはセオリーだが、先ほどの個人TTの影響は少なからず残っており、その余裕は案外持続が効かないことを感じた。引きの途中から急激に限界領域に入る。あまり限界域で長く走ると、センサーがバカになって出力を客観視できなくなり、要するに限界なのか向かい風がきつくなったのか判らなくなるので、ホドホドにして交代する。150bpm以下で心拍に余裕がある割には脚のグリゴーゲンがすぐ欠乏してくる感じ。その分、後ろに回ると回復も確実に行われる。 向かいから物見山Bがやってきた。大浜さんが一人で飛ばして、15m後ろを二人が必死に追っている、アチャーな状況。なんだよあれほど言ったのになぜこうなるんだ? 後ろを頑なに見ないのか、ひょっとすると理屈が未だ判ってないのか、大浜さんの行動は依然として謎が多いが、後続も離されそうになる段階で「ゴルァ速すぎんぞどこ見て走っとんじゃこのヴォケがあぁぁ!」くらい大声で言わなきゃ。 それが効果ないようだったら、無理に追わずに逆放置プレーに撤することだ。後先考えずペース無視で追うからその後も益々着いていけないし、いずれ弱って自滅する。残った二人でベストを尽くすペースに頭を切り替えなければならない。それがこのチームTTの使命なんだから。無理に間を詰めようとするのは、事態の悪化をひた隠すことにしかならず、悪循環を生んでしまう。 構わずどんどん、空けときゃいい。問題を問題として認識させることだ。いずれどうすべきかは気付くだろう。 と思うんですが? 折り返しポイント通過。あと7kmだ。追い風に代わり、41km/hくらいのペースを小湊さんが作った。松井さんからは「sage」コールは無い。代わりに、「橋まで連れてって」というリクエストが入った。了解です。 「多分小湊さんが一番余裕」と、暗に長く引いてください願いを出す。小湊さんが先頭のときは、松井さんが3番手となり、松井さんにとっては最も風圧的に有利ではと考えたためでもある。ところが、この辺から時折先頭交代パスなどもあり順序が入れ替わってしまい、関係なくなった。 やがて橋が見えてきた。これは埼玉大橋ではなくその手前の橋である。「この橋ですか?」と問うと、「ごめん、この先の橋」との答え。まだ粘る気ですね。よっしゃそう来なくちゃ。正直なところ、自分もきつくなってきたので、ここで二人になって小湊さんにスパートされると困るのだった。 ぎりぎりのペースを狙って走ってきたが、埼玉大橋が目の前に見えてきたところで松井さんがガクンと落ちた。確認して連結を切り離し、小湊さんに一声かけて、残り約1kmを二人で行くことにする。44-5km/hまで上がり、個人TTの時より速くなってきた。二人でゴールスプリントをするような感覚で、しかし千切らない絶妙なスピードで、ゴールラインを通過した。 松井さんも20秒後に無事ゴール。 ![]() 30分41秒、途中一瞬36km/hまで落ちたこともあったが、後半の粘りが効いたか、アベ39.11km/hとなかなかのタイムが出たように思う。順位も10位と悪くなかった。ファンライドチームにも4秒勝った! 走り終えて、初めて暑いことに気づいた。午前より気温が上がって、レース中は35℃だったようだ。よく走ったなあ。 2着小湊さんのタイムがチームタイム 30:41:080(トップ差04:18.515) 39.11km/h 10位/30チーム中 平均/最大心拍数 148/163bpm 400kcal 35℃ 物見山Bチームはアベレージ41.66km/hで4位。んー、課題は多いが、成績は良かった。つうか、本来もっと上を狙えたはずなんだが・・・・。 ![]() ぶっちぎりゴ〜〜〜〜ル! (photo by ダンホさん) |
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