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JCRC第6戦in群馬CSC参戦日誌
2007/7/15 Zクラス(個人エンデューロ) タイフーン4号が日本列島の太平洋側をぺろんと舐めるように縦断中。レース日の15時には関東直撃の可能性もあると予報では言っている。絶望的状況の中、しとしとと雨の降る午前4時に江國さんのクルマで群馬CSCへ向かう。赤城を過ぎた頃から雨脚が弱まり、CSCに着いた頃はほぼ上がっていた。風も全く無く、これは普段どおりできそうだ。台風? それでも、選手の受付率が悪いせいか開催時刻が30分後ろへシフトし、ほとんどのクラスで週回数が1-2周減らされることとなった。Zクラスは通常2時間のところ、1時間50分程度となる見込み。1周10分なら11周だ。結果的にはこの天候の為に各クラス3-5割の選手がDNSとなった。Zクラスも半数近くの23名に減ってしまった。 スタートまで余裕ができたので、物見山の遠藤さんと、珍しく試走なんぞに出かける。雨のテクニカルコーナーを慎重に走っていると、ヘアピンで落車している学生がいた。カブトムシのように、仰向け状態ですぐには立ち上がれないらしい。んー、若いね。 8時28分、Zクラススタート。 30分ずらしたために、しっかり降り出した雨の中スタートとなった。このところ、物ポンズメンバーでは不運にも落車が多く、そろそろ厄が自分に回ってくる頃か?などと思わずにはいられなかったので、かなりビビリながら1周目を走る。だが僕以上に周囲は慎重派が多いのか、ローリングスタートとは関係なく10分45秒とかなり遅い。にもかかわらず楽な感じがしないのは、本来リラックスできる区間も体全体がガチガチになっているせいだろう。 この雨で最も恐いのは、スリップ落車そのものよりも、ためらった制動のために前走者に突っ込んでハスりそうになることだ。コーナーを抜けるスピードはその直前にだいたい決めてあるものだが、前走者が予想以上に遅かったり、意に反した進路をとった場合、雨でタイムラグのある頼りないブレーキではコーナー途中の方針転換が難しく、そのまま突っ込む以外に道はない、という事態に陥ることがある。 つまりコーナー手前での十分なマージン確保が必要だ。結果として、集団密度は下がり、大したスピードでもないのに一列棒状。速度の上げ下げも案外大きくなる。ストレスが溜まり、本来なら回復用の区間も思うように回復できない。 それでも、10分以上のペースというのは本来楽であり、上位選手の力は有り余っている。なので時おり上りで普段以上にペースが上がることがある。キツイのとユルイのが繰り返され、インターバルのように効いて、ちっとも楽になれない。10分4秒と結果的に最速ラップだった5周目では、心臓破りのヘアピンあたりで筋肉がすっかり売り切れて、着いていけなくなってしまった。このペースとこの時点で切れるのは問題だ。 ただ、今日の感じだとその後のバックストレートまでに追いつけるであろうと判断し、千切れても慌てずに追う。 落ち着いた判断というより、実は相当投げやりな気分からだった。二日前から台風だ中止だなどと騒いで緊張感もすっかり消沈していたからかもしれない。前日のランなどコンスタントな練習の影響もあるのだろうか、要所要所で乳酸は期待はずれの素早さで一気に溜まり、際立ってしんどさを感じた。ブザマな言い訳をあれこれ考えつつ、6周目くらいで既にかなりクサっていて、心拍も最高で161bpmとさっぱり上がらず、どういうわけかDNFすら考え始めた。雨だから止めたー、なんて誰もが言いそうじゃない? などとかなり本気で考えてしまった。 ![]() 江國さんと。 photo by JCRC
7周目だったか、江國さんが飛び出す。いままでも二人ほど、ソロで飛び出していたが、暫らくして吸収するの繰り返しだった。1周にこれだけ時間がかかっているならば、アタックをかけて逃げ切る手段も十分ありうるだろう、との考えは誰しももっていたに違いない。最初のテクニカル左コーナーなど、試走の時にチェックしたスピードよりもはるかに遅いのだ。ソロ走行でメリットのある区間は幾つかありそうだと感じていた。 だが、判っていてそれをやらないってことは、ほとんどの人にはやはり勝算無しと見たからだろう、自分だけが可能なんて事はあり得ない、と納得して走っていた。まあ今日のやる気の程度から言っても実現不可能だと思うが。 ところが江國さんは出て行った。男だ。 自滅アタックでもいいから、アピールする走りを一度でもしてみればよかった、とは後で思ったこと。 200m先に江國さんを見据えながら、集団の一部ではなにやらこそこそ話が進行している(ようにみえた)。チーム間で共同作戦でも練っているのか。 やがてその江國さんも次の周であえなく吸収。暫らく牽制しあう走行が続く。これは次にドカンと来る前兆に違いないとの予感は当った。東屋を過ぎて、心臓破りへと入る左コーナーで、示し合わせたかのような二人連れがアウトからドカンと飛び出す。まさに死角から不意打ち狙いのアタックだ。なんせ1周9分台になったことがないんだから、余裕のある人はかなり余裕だ。自分にとっては、たとえサラ脚だろうと付いていけないスピードがかかる。2,3人が反応してピタリと付くが、他は心臓破りでじりじり遅れていく。上りきった所で、すでに第2小集団からも遅れた僕は、ここが勝負所と言い聞かせて頑張る。記憶では確か8周目の出来事のはずだが、後にPolarデータを見ても際立ってHRが高くなっている箇所はなく、ホントに危機感持って走ったのだろうか? と疑いたくなる。 やがて第2小集団に追いつき、スタート地点を通過後のヘアピンまでの下りは、いつになく快適に速かった。なんだよ普段からこのくらいのスピードで走ろうよ、なんて身勝手に思ったのだが、自分からそれを試してみればよかった、とは後で思ったこと。 やがてリフト下あたりで意外にも第1集団に追いつく。トップの誰かが「下りコーナー遅いんだもんなあ」「はーい、それ僕ですねー」などと和やかに会話している。そっかあ松村さんありがとう。 すっかり仕切りなおしなのか、以降の集団にも追いつかれて、振り出しに戻ってしまった。 次の周もマッタリモードで(ただし二度三度売り切れた僕にはもうマッタリではない)。 このまま終わるはずも無く、10周目の、またしても先ほどと全く同じ場所、同じメンツが同じ方法でアタック。僕が一向に学習してなかった証拠として、その直前まで僕はまったく別の人をマークして追っており、ここから補助ロケットを発射する余裕はまったくなかったことだ。松村さんが再び反応して追っていくのが見え、勝負はここで決まる、と悟りと諦めの境地に沈みつつ、何とか自分なりに出し尽くす走りを模索する。第2集団に江國さんがいて、目標にしたがじりじりと離れるばかりで、バックストレートでももう疲れ果てていた。せめて、次の下りでなんとか挽回しようと思ったが、他のクラスが入り混じって思い通りのライン取りが出来ず、左テクニカルコーナーを一か八かで初めてインベタで走って失敗した。こういう雨の日は、最短で走れるインをつくよりも、高速を維持できるアウト寄りを走り、加減速を減らすべきだと自分の中でセオリーが固まっていたのに、最後に無視してしまった。まあでもそんなミスは些細なことに過ぎず、どんどん垂れていって後続に2,3人抜かれても着いていくことが出来ず、全くダメダメになってしまった。 前にも後ろにも誰もいない状態の、なんとも苦い顔でフィニッシュ。 1:53:42.550 (トップ差00:38.767) 34.83km/h 12位/23人中 平均/最大心拍数 139/161bpm 1390kcal ↑1120m 21℃ ![]() さて、終わってみれば12位と、いつものポジションで実力通りではあるが、気持ち的に腑甲斐ない走りであった。 第2集団を征した江國さんは6位に入賞した。 同じ雨の中走った別クラスの遠藤さんは4位。やっとイメージに近い走りが出来ましたね? その後も相変わらず風は吹かず、雨も弱まり、時おり全く止んだりして、走りやすくなってきた。台風はどこへ? 惜しくも2位の奈良さんは別格として、盛永さん、浅倉さん、物ポンメンバー出場者は僕以外皆入賞というすばらしい結果を残した。特にAクラスの盛永さんのラスト1周大逃げ優勝は、大浜さん、屋代さんに続く3人目の歴史に残る連続快挙。んー、凄すぎ。 後になって益々、自分のレースが悔やまれたのであった。 |
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