JCRC第3戦in群馬CSC参戦日誌
2007/4/22
Zクラス(個人エンデューロ)

今月はかすみがうらでテンパっていて自転車にはまだ174kmしか乗ってない。慌てるように前日ローラーに乗ったが、多分逆効果でしかなかっただろう。そんなお粗末な状況に加え、修善寺のZの速さにはかなりビビりが入っていたので、今回のZはやや憂鬱ですらあった。雨でも降ればスピードが落ちて着いていけるかもしれない、などとよからぬことを考えたりもしている。天気予報は数日前から芳しくなかった。

小湊さんを5時にピックして、関越ではセオリー通り駒寄PAで下車して高速代1600円を浮かす。月夜野IC下車後、補給水を買うためなんとなくの気分でファミマに寄ったら、見事にスポーツドリンクがない(DAKARAとかアミノサプリはスポーツドリンクではない)。この辺の住民は、スポーツしないのかぁ? 唯一あったのが1リットルのアクエリアス。1リットルは余計だし、おきなわで撃沈したときのチョイス、というゲンを未だ担いでいるので、無視。代わりに、数年ぶりとなるポカリスエットなんぞを買う。昔のレースはなんでもポカリだったんである。だから、コカコーラ協賛の大会であろうと、エイドステーションでは「ポカリ!」と叫んでしまうんである。
などと昔を懐かしんでいたわけではない。

群馬CSCには7時過ぎに到着。どういうわけかクルマは少なく、いつになく入口寄りに駐車できた。参加者が少ないわけでもないのに、何故なんだろう?
小湊さんのローラーを借りて、アップを開始。Zだからアップナシでもいいと思っていたんだけど、何となく。修善寺のときより長く乗り、気がついたらスタート8分前になっていて、慌ててスタート位置へ向かう。小湊さんにはまたしても気を揉ませてしまった。
松井さんや山本さんと和やかに話しながら、スタートを待つ。
さて、今日は穏やかに晴れて気温も高め。風も無く、レースコンディションとして言うことなしだ。雨の気配は殆ど無いので、いずれ切れると予測。そうなったら、松井さんとペアで走ろう。腕だし脚だしウェアに、アームウォーマーをつけていたが、それも要らないかもな、というくらい暖かい。ポカリスエット1本じゃ少々心細い。節水を心がけねば。

8時28分、スタート
70人の大集団が穏やかに1周目を10分6秒で終えた。去年よりは速く始まったけれど、予想していた鬼のようなスピードにはなってない。自分としても、このタイムがさほど苦しくは無いので調子としては悪くないなと安心する。ま、1周目はコントロールがかかっているはずだから油断は禁物。
今回のZにはポンズジャージが4人も。いいねえ〜。でもエース(真田さん?)をアシストなんて出来ないのでそこんとこご理解ください。せめて、誰かがアタックしたときにそれを追っかけて潰すようなヘマはしないで置こう。
前日★ひゅ〜ず★さんが物見山メーリングリストに流してくれた、5年前に書かれたという奈良さんの群馬攻略バイブルがなぜか記憶にしっかり焼き付けられていて、今回は忠実に守って走った。最初からそう決めていたわけではなかったが、集団から切れないためと思うとだんだん頑なになってきたのだった。その内容はあらかた自分の考えと変わらなかったが、こうして文章化されて整理されると今までになく計画性を持って走ることができるのだった。当然、自分の認識と異なるところもあり、例えば最初の長い下りは「とにかく休む」とあった。ここは楽に前に出られるので、少々脚を使ってその後のテクニカルコーナーを優位なポジションで入るようにしていたが、今日は徹底的に休むことを最優先させた。Zクラスは概ね僕以外でヘタクソな人は居ないので、コーナーを前寄りで走るメリットもさほど無かった。水色ジャージな方が少々恐かったが。
photo by JCRC
そんな感じでコースをいくつかにゾーニングし、それぞれの場面でクリアすべき目的意識を持って走る。もししくじった場合は崩れたリズムを次のゾーンに持ち込まないよう意識して走り、同時に失敗原因を考えてバイブルに追記しておく。
ダラダラ続くリフト下坂は、毎回後ろから理不尽に引っ張られている感じがして進まないところだが、そこへ至るまでの下準備や、かなめの坂区間をそれなりの気概を持って走ることで周囲から遅れをとることなくクリアできた。唯一最も苦しいのは、相変わらず心臓破りの最後、ヘアピンを抜けてから橋を渡るまでの短い区間に集約されていたが、あと10mこの区間が続いてたらヤバかった、くらいの余裕を残してやり過ごせた。それが徐々に「あと5m」になり、「0m」になり、「既にヤバイ!」という状況が来たときが、切れる瞬間だろう。

2周目から9分台に突入し、周を重ねる毎に少しずつ速まっていく。5周目は9分28秒と、自己ベストラップを更新するまでになった。さすがにこの周は少々キツかったが、その頃は攻略法も自分なりの肉付けが行われて精度が増したためか、まだいくらかの余裕を残してクリア出来たのだろうと思う。
2分差スタートのBクラスとすれ違う位置が周回毎に前にずれ、いつしか見えなくなった。ある程度予想通り今年のZは去年より速い。ラップタイムからも一目瞭然である。でも、修善寺のZほどの差ではないので、どうにか集団に残ることが出来ている。これはまさに攻略法のお陰か、群馬初使用の軽量ホイールのお陰か、はたまた、乗ってないにもかかわらず自分がレベルアップしたお陰だろうか。
実は今日は全く前に出ていない。当然、一度も引いてない。集団内に留まろう、との意志があった訳ではないが、攻略法を忠実に守っていくと、僕の場合、前に出て引く場面を作る余裕は脚力的に残ってないのである。決して、バイブルに「前を引くな」と書いてあるわけではない。
だが、当初から今日のレースは練習走行と割り切っていたため(多分に千切れることを予想しての割り切りだったが)、大人しく集団生活を営むとはどういうことかを学ぶ2時間スペシャル、と考えることにした。普段だとどういうわけか、走っているうちに外側にはじき出されて、半身風を受けて走ることが多いのだが、今回は所狭しのど真ん中をまるでアシストに囲まれているかのような気分で走る機会が増えた。いままでがどうやらヘタに動きすぎていたのかもしれない。

6周目になって集団の速度が一気に鈍化した。前の周が辛かったので休みが入って有りがたく感じたが、これはちとゆっくり過ぎる。反動で7周目は一気にペースアップした。次は何かある、と予想し心の準備が出来ていたので、これまで反覆練習してきたゾーン毎の課題をうまくやり遂げようとの緊張感をもって走る。まるで仮免技能試験みたいな気分。心臓破り手前では、落ち着いて溜めながら走る。ギアをしかるべき位置に入れ心臓破りにじわっと突入。ヘアピンを超えてからもスピードが乗るまで回し続ける。これはキツイ。「あと0m」状態だな、と思う。なんとか耐えて9分22秒のマイベストラップ更新と相成った。
アミノバリュー粉末を溶かし込んだポカリ(大塚スペシャル)は早々と2/3を消費していたが、レースはまだあと半分残ってる。喉の渇きを幾分感じつつ走りつづける。集中力が少しずつ散漫になるのもこの頃。心臓破り手前のコーナーで目の前の一人がハスり、前輪とディレイラーがぶつかって派手な音を立てた。気を引き締めていかねば、だ。

先週のマラソンで見舞われた腰痛は小康状態にまで落ち着いていたが、ダンシングはモロ痛みが走るので多用できない。また、バランス制御機能にも影響し、体勢を崩しやすくリカバリも効きにくい。お陰で集団走行時に2度ほど顰蹙を買うほどのバランスを崩し、そのうちの一つは隣の人に意味もなく寄りかかってしまった。ケンカを売ったのではありません。どうもすみません。
シッティングが多くなるので、ペダリングもあれこれ試す。今日はなぜか、上ハン中央を持って身を細め、つま先から突っ込んで回すのが最も乳酸の溜まりが遅い気がした。日によっては下ハン持ったほうがいいとか、ダンシングに限るとか、気まぐれなんだけど。

8周から12周まではマッタリと進んだ。集団は半分ほどに減った印象だが相変わらず大勢いる。集団後方寄りに常に居たので、前のほうの人とはほとんど無縁だ。九州からA木さんが参加していたのを後で知ったが(上の写真にも写ってる)、彼はいつものように前方を固めていただろう。ポンズでは真田さんが頻繁に前を引く場面が見られ、誇らしく思う反面、金魚の糞状態の自分とのコントラストを感じて申し訳ない気分。このマッタリモードなら、エース級ならそろそろ本気アタックを仕掛けてもいい頃だろうが、そんな時にチームメイトとして何か出来ることはあるだろうか、などと考えてみる。が経験のないことは、考えても何も出てこない。

12周を終えて戻ってくると、本部前の残り集回数を示す看板には「1」と出ている。Zは例年14周しているし、ラスト1周でジャンを鳴らさないはずが無い。あれは別クラス(Eか?)に向けたものだと思うが、急に集団内でざわめきが起きた。残りあと1周なのか? 「えーっ、それ違うよね」と、たまたま隣にいた山本さんに大声で話し掛けるが、「いや、わかんない」と曖昧な回答。
そして途中から集団がググっと速くなった。久々のスピードアップだ。ゾーン毎に速度は上がり、本気度がかなり高いことを感じた。ポジションは後ろに追いやられ、なかなか前へ出る機会がない。ここまでの体力消耗もあってか、心臓破りでは中盤から切れかかる。そしてヘアピンを回ったところで脚がSold Outし、攣りそうになった。スローモーションのように脚が動かなくなる。
ヤバイ、切れている。
「何人かで追えば意外と追いつける」との言葉を信じてバックストレートをマジ踏みし、ゴール手前でようやく集団復帰。14周目に突入と同時に、一気に全体のスピードが下がった。
つまり、残り1周と勘違いした何人かが生み出したスピードアップとこの時点で推測できた。あとで思えば、この滞った瞬間にカウンター的に飛び出していれば、また面白いことが起きていたかもしれないし、ひょっとすると真田さんへのアシスト役を作れたのかもしれないが、そんなレースへの積極参加はまるで念頭に無かったし、本人がまず「やった、休める」と考えてしまっていたので、まあどうしようもない。

正真正銘、ラスト1周となったが、意外とスピードは鈍ったままでずっと進む。いつ上げるかも判らない事態に備え、今までになく集団前方へ移動するが、「誰だおまえ?」との声が聞こえてきそうで躊躇いがちに走る。わりと平和に心臓破りまでもクリア。バックストレートあたりでようやくスピードが上がり、ゴールスプリント勝負のみ、ということになった。集団への貢献度ゼロなのでスプリントに加わる資格もないが、加わったところで間違っても着に絡むようなことはないので、まあ普通に自分なりに出し切るように、かつ邪魔にだけはならないよう最後を飛ばす。ゴール手前の最終コーナー、斜め後方で「あ、ゴメン!」という悲痛な叫びの直後にガッシャーン、BANNNG! と炸裂音。ひぇー、50km/h以上出てますけど大丈夫ですかね。くわばらくわばら、と思いつつ、斜め前の山本さんを追う。1m差くらいまで迫ったところでフィニッシュ。
まあ、無事完走できて、良かったです。

2:16:46.364 (トップ差0:01.331) 36.85km/h 13位/75人中


ゴールして1時間ほど経ったふとした拍子に、眠っていた腰痛が突然目覚めて、普通に歩行不可能なくらい酷くなってしまった。いったいどうしたんだこの不可解な状況は! その後の他クラスの応援も痛くてマトモにせず、奈良さんと臼井さんが用意してくれた贅沢なローストビーフを遠慮なく食いつづけ、何しに来たんだおまえは? という感じになってしまった。

Aクラスの屋代さんは最終周直前で飛び出し、丸々1周の一人逃げをかまして実に爽快なレースを見せてくれた。そうかあ、人に面白さを提供するってこういうことなんだな。自己満足で終った自分がやはり後になって悔やまれたりもした。