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第36回千葉マリンマラソン参戦日誌
7時前に家を出て、京葉線は各停を使ってのんびり海浜幕張へ。冷たい小雨の降る中、駅から海岸へ向かって選手の列がのろのろと進む。2012/1/22 一般ハーフの部 21.0975km 大会会場に着いたとき、ゲストランナー谷川真理選手を紹介するアナウンスが聞こえた。1時間19分狙いで走るという。相変わらず速いんだな。いつかはぜひターゲットにして走ってみたいものだが、少なくとも今日は無理だ。 知らぬ間にQVCマリンフィールドと名を変えたが中身は「千葉マリン球場」のままのややくたびれたスタジアム内へと進む。程なくしてミクシコミュの仲間たちに会うことができた。早いうちから来て準備してくれている方々に感謝。千葉マリンはかれこれ15年ぶりくらいでもうほとんど勝手が分からない。仲間がいるのは心強い。 スタジアム内で雨をしのげるエリアは少なく、選手がひしめきあっている。その上どういう意図なのかほとんどの出入り口が封鎖されており、どろどろ血液のように人の流れが極めて悪い。少ないトイレは大行列。スタート前にもう一回行けるかなあ。 Polarの乳バンド締め付けがパフォーマンスに少なからず影響しているのでは、という疑問を数日前に抱いたので、思いっきり緩く設定し、キネシオテープで留めたところ、少し動いただけでぺろんと剥がれてしまった。テープの粘着力が悪いようだ。ん〜〜〜〜今回は非装着でいこう。ラップスイッチの役目がなくなるのは痛いが。 応援に来てくれたキリオ君に貴重品を預ける。お世話になります。 スタート20分前、意を決して走る格好になり、スタート位置への移動を開始。スタジアム内は大渋滞でほとんど流れていなかったため、僕としても珍しく早い行動をとる。雨をしのげる屋根の下でおしくらまんじゅう状態なのはむしろ好都合かも。流れに身を任せるしかないこの状況にあっては、いいスタート位置などとても望めない。今日のレースは無理しないほうがいいので、このほうが身のためだろう、などと考える。 ようやくスタジアムを抜け出せたと思ったら、いつの間にか雨は本降りと化しており、ゴミ袋カッパを用意してこなかったことを激しく後悔する。案の定もういっぺんトイレに行きたくなってきたので、一か八かでスタジアム入り口から遠い外のトイレを目指してダッシュ。ごく軽いアップにもなってちょうどいい。寒さで緊張しているためか、軽やかで悪くない。肝心のトイレは、50人くらいも並んでいるのを確認、もはや悩む必要はないだろう。踵を返しスタート位置へと向かうと、ちょうど陸連登録の部がスタートしたところだった。 その後ろに控えていた5分後スタートの一般の部がゾロゾロと前方移動するタイミングにあわせ、プラカードに記された自分のゼッケン番号エリアに入ることが出来た。予想通りゼッケンは申告タイム順になっているようだ。気がつくと男女でレーンが分かれており、女性は右側レーンに集中している。これなら男女で異なるペース差もかなり解消できて合理的だ。 絶望視していた好スタート位置が思いがけなく得られ、少し欲が出てきた。靴ひもを締め直す。 10:05 a.m.ハーフ一般の部スタート わずか6秒後にはスタートラインを通過。7000人が一斉スタートする大会でこんなにいいポジションだったことはなかなかない。 数百mで自分のペースを作ることができた。浦安ハーフよりいい展開だ。 走り出してしまえば雨は気にならない。むしろベストコンディションと言ってもいい。それは追い風が奏功していることにしばらく気付かなかったが。 ヘタリが気になっていたアヂゼロジャパンの靴紐を昨日念入りに絞め直した際、Polarのストライドセンサーの取り付け位置を紐の穴1つ分つま先へ移動させた。靴紐留めとの干渉を防ぐためだ。それは予想通りPolarの速度表示に影響し、キロ3分25前後などと無茶苦茶なことを言っている。穴一つ分ずらしただけなんだが、キャリブレーションをし直さなければいけないようだ。 だが、選手もまばらにしか居ない3車線の広々とした道路の真ん中を飛ばしていると、実際自分が今どのくらいのペースなのかちょっと判らなくなってきた。そんなとき、早くも前方に「谷川真理」ゼッケンをつけた女性を見つける。明らかに追いつきつつある。このペースが1時間19分狙い? あるいは、後ろ姿が偶然似ている「谷川真理」ゼッケンをつけた別人の谷川真理かもしれないな。半ば本気で疑っている証拠に、追い越し際に顔を確認。走っているときの脳味噌ってホンとアホだね。 いやまてよ、Polarの示したペースは実は正しいのか。このまま行くと80分を余裕で切っちゃうのか? その割に、周りに見える一般選手、例えばあのプニッとした女子選手は上田藍選手を脅かす存在には見えないが・・・(藍ちゃんは今回も一般の部女子ダントツ優勝)。 2kmの看板でタイムを知り、そんな淡い期待も消えた。キロ平均3分54ペースは過去のハーフでの及第点レベルであり、ミラクルでも何でもない。 まあでも最近練習ではキロ4を切るペースを一瞬でもできてなかったので、今とりあえず無理なく走れているのはほっとした。脹脛にとっては危険極まりないペースだが、いまのところは何の憂いもなさそうであり、ヤバい信号が出ない限りはこのまま行くだけ行ってみようという気になっていた。 僕より先にスタートラインを跨いだ人は最大でも6秒差しかなかったはずなのに、未だ少しずつ追い越しながら走る状態が続くのが不思議だ。よほど無謀なスタートダッシュでもしているんだろうか。 0-5km 19:33(P3:54) 5kmを過ぎ、しばらくすると左折、これまでは追い風の恩恵が大きかったことを知る。 対向車線に、この先を折り返してきた登録の部のトップ選手が集団でやってきた。途切れず次々と選手が続き、レベルの高さを思わせる。ショウジさんがそろそろ来るころかな。選手の勢いなどから、自分が登録の部だったらこのあたりだろうかとぼんやり考えながら走っていると、道路の両脇にそれぞれ6kmと8kmの看板をみつけた。つまりここで2kmの差、僕なら8分後に達する位置。登録は5分差なので8km地点で3分も速い人たち(10kmを35分台で通過するレベル)と判った。冗談じゃない。 クマさんやSHUさん、なちまりさんともすれ違ったはずなのだが気付かずに過ぎる。そろそろ限界にきていて余裕もなかった。折り返しコーンを回り、やや追い風に変わって少しホッとする。まだ半分も来てないのに、大分長い道のりを経てきた気分になっていた。 対向の選手で唯一確認できたのは結局カントクだけだった。 海岸に近づいてきたころ、Diceさんが後ろから声をかけてきた。あれ〜?キロ4分半で走るって言ってたはずの人に追いつかれちゃったよヤバいなー、と思っていたらそういえば登録スタートだったことを忘れてた。気付かずに追い越していたようだ。しばし併走する。 再び海岸沿いの道を走る。この強烈な追い風環境でたくさん貯金を作っておかねば、と限界で走り続ける。有り体に言って間違った考え方だが。 遠い昔の千葉マリンでは走ったことのないルート。千葉港付近に集中する工場の裏手を走る。学生時代に付近でバイトしていた時嗅いでいた、恐らく酢飯工場からの奇妙な臭いが漂ってきた。相変わらずだなあと感慨に浸りつつ、ようやく10km地点を過ぎる。まだあと半分以上もあるのか! 5-10km 19:42(P3:56) 折り返すと強烈な向かい風となった。残り半分がこの向かい風基調というのは萎える。 しばらくして、ゆったりとしたピッチで悠々と走る選手にパスされ、すかさず後ろについた。練習目的かな、余裕が感じられる。すると、僕の後ろにも誰か着いた。 3人列車のまま2kmほど進むが、ペースが微妙に速く、着いてくのがしんどい。決してペースアップしたわけではなく、単に自分が垂れてきている。だが後方から挟まれたことで気ままに切り離せなくなった。おまけに後ろの人のピッチは見事に僕と一致しており、非常にウザくなってきた。何に対してなのか、とにかく我慢ができなくなってきた。稲毛の広い道に出たところで、1車線分ラインを変えて逃げる。当然の成行きとして、同時にペースも落ちた。自分に負けてしまった瞬間だ。 13km地点、この1kmがとうとう4分を越えてしまった。ここが大きな転換点となる。しばらくして左折し、公園の中を走る。風向きが変わり、調子を取り戻せるかと期待したが、逆にぷっつんきて大きくスローダウン。まずい、ずるずると落ちるパターンだ。残りあと8km、タレるにしても早すぎだろ。 追い越す展開から、追い越される展開へと一気に切り替わる。1時間19分狙いの谷川真理が怒涛のごぼう抜きでやってくるシナリオも予想したが未だその姿はない。 ドンドコ太鼓の音が鳴り響く。 10-15km 20:11(P4:02) 再び3車線の広い道に出た。あとはスタジアムに向って走るだけだ。 少し前から雨が強くなってきた。強い向かい風で身体が冷やされ、それを跳ね返すだけの強度で走れないので、みるみる打ちひしがれていく。冷えのために脚全体の動きが鈍くなる。このまま行くと本当に固まってしまいそうだ。脚全体にはホットバルム2番を塗っていたが、果たして効き目はあったのかどうか。身体の中が凍り始めて、シャーベット状にシャリシャリになっているような気分。トップクラスの選手が寒さでリタイヤする姿を時々見かけるが、その理屈が判った気がした。 あと3km、ゴールまでたどり着けるのかまったく自信が無くなってきて恐怖を覚える。過去のハーフマラソンで、しんどいレースはいくつもあれど、それとは違うこの過酷さは初めてかもしれない、などと思った。リタイヤしようにもすぐさま暖かい毛布と飲み物が出てくるわけではない。頼れるものはなく、このままゴールへ向う事が、生き延びるための最短コースと本気で思った。 美浜大橋を越えたところで赤いノースリーブの登録選手を見つける。すぐさまじょ〜さんと気づいた。僕に追いつかれずに走りきるのが目標と言っていた。最近上り調子のじょ〜さんに5分差を縮めるのは厳しいかもしれないと思っていたが、それが大きなモチベーションの一つになっていた事は間違いない。 アームカバーもない薄着のじょ〜さんが、僕以上に寒さにやられ走りがギクシャクしていることは一目瞭然だった。同じ境遇に苦しんでいる姿を見たらすこし安心?して、その後の下りをできるかぎり飛ばした。ザコッツィが強烈に出てきて脚がどうにかなってしまいそうだ。霧に霞んでほとんど見えなかった旧幕張プリンスホテルがようやく見えてきた。スタジアムはあの先なんだよな、と思うと萎えた。あと2km、あと2kmもあるのかよー。下りで飛ばしたツケが回ってきて、今度こそダメだ。ジョギングに近いペースまで落ちた。どんどん抜かれていき、そのうちじょ〜さんに追いつかれるのではと思った。ペースダウンと同時に右脹脛にヤバいサインが現れ始めた。まるで緊張感が切れたことで肉離れが誘発されているかのように。ヘタに遅くなりすぎるのもまずいようだ。 15-20km 21:04(P4:12) やっとスタジアムのあるエリアへと左折する。足がもつれて転びそうだ。登録と一般で走路が分かれた。登録のほうがカーブのイン側を走れるので、とんでもなく不利だーと訴えたくなった。1mmでも長く走るのが辛い。せっかく分かれた走路は再び合流してスタジアム内へ。なんだくそー意味無いだろー。 ふわふわの人工芝に妙に安堵を覚えながら、スパートもできずにそのまま崩れるようにゴール。 20-21.1km 4:55(P4:29) ![]() 心拍データ無し total 1:25:25(P4:03) ネットタイム1:25:19 いずれも自己計測値 順位不明 すぐ後ろのじょ〜さんを待ってから、スタジアムの外へ。とにかくこの寒さを何とかしなければ死んでしまうぞ。 温かい紅茶を配っているテントがあったが、ブルブル震えて満足に飲めない。思いっきり身体にかけたい気分。 早く着替えないと命が危ないので、記録証配布などすっ飛ばし立ち入り禁止のテープをくぐってスタジアム内へ急ぐ。なぜ必要な通路を通行止めにするのかさっぱり意味が判らない。主催者は選手を雨ざらしの拷問にかけたいとしか思えない。 手はかじかみ、震えは止まらず、あちこち痛くて、着替えるのに20分くらいかかった気がする。 後で知ったが、谷川真理選手は「1時間19分プラス10分が目標」と言ったそうだ。なんでそんなややこしい言い方をしたのかは判らないが、若い頃千葉マリンで出したベストタイムなのかもしれない。結局、28分くらいで走って一般の部女子5位に入ってた。さすがに19分は無理か。 海浜幕張駅前のステーキハウスで打ち上げ。35人くらい?いつもながら超盛り上がって楽しかった。レースでの辛い記憶もすべて吹っ飛んだ。 * * * * *
最後は死にそうに辛かったものの、15kmくらいまでは雨も少なくて、むしろ快適に走れていた気がする。もし終盤タレなかったら、冷たい雨にも打ち勝つ事ができていただろう。寒さで筋肉が動かなくなるようなことも避けられたであろう。当初の目論見を無視し最初から飛ばして後半潰れたという判りやすい展開だったが、前述した通り序盤のペースはハーフマラソンとして通常狙うべきレベルであり、その結果潰れたってことは脚力が大分落ちている証で、来週の館山若潮マラソンはまだまだ狙えないなと思った。なので(マラソンを視野に入れず)全力を出せて結果的には良かったなと。脹脛も幸い大事には至ってないようだし。 それと、SHUさんやショウジさんあたりも不本意なタイムのように覗えるので、この条件はやはりマイナス要因も少なからずあったかもしれないな、ということにして、次回もそこそこ頑張ろう。 |
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